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保育園の選び方のポイント︕優先順位を決めて後悔しないように

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今回は、現役保育士である筆者が保育園選びに失敗しないポイントをご紹介していきます。

来年4月以降の保育園への入園申し込みが始まる11月が迫り、保育園選びに苦戦している方も多いのではないでしょうか?

子どもが小学校入学までの大切な時期をすごす保育園。
しっかりとリサーチして相性の良い施設を見つけてください。

保育園とは︖

まず保育園とはどんなところであるのか、その基本をおさえておきましょう。
保育園という名称ですが、児童福祉法上の名称としては保育所となっていて、保育園という呼び方は通称のものとされています。

ただ、保育園という名称を使用している施設も多いので、以降でも本記事のなかでは保育園と記載することとします。

保育施設とは、保育が必要な子どもを預かるために設置された施設のことで、日本には主に
認可保育所
幼稚園
認定こども園
地域型保育所(家庭的、小規模、事業所内、居宅訪問型)
院内保育事業
企業型保育事業
託児所

などがあげあられ、それぞれの保育所用語の定義は以下の通りです。

認可保育所

厚生労働省管轄の0歳~小学校入学前の未就学児を対象に保育する施設。都道府県、市区町村及び一部事務組合が経営主体となる「公営保育所」、社会福祉法人やNPO法人などが経営主体となる「私立保育所」があり、入園するためには各市町村で設定された子どもを保育施設に預けるための要件の認定を受ける必要がある。
出典:厚生労働省

幼稚園

文部科学省管轄の3歳から5歳を対象にした子どもを預かる教育を目的とした施設。都道府県が認可した「公立幼稚園」と、学校法人や社会福祉法人が運営する「私立幼稚園」があり、公立幼稚園に入園するためには各自治体に申し込みを行い、私立幼稚園の場合は希望の園に直接申し込みを行う。
出典:文部科学省

認定こども園

0歳から5歳までの子どもを預かる幼稚園と保育園の機能や特徴を一体化した施設。就労していない保護者から就労状況に合わせて保育時間を決定したい保護者まで幅広く対応している。入園の申し込み方法は保護者の認定区分によって異なり、園に直接申し込む場合と市町村に申し込む場合がある。
出典:厚生労働省

地域型保育事業(家庭的、小規模、事業所内、居宅訪問型)

2015年の「子ども・子育て支援新制度」のなかでスタートした取り組みの1つで、0歳から2歳まで子どもを対象とした施設
家庭的保育
小規模保育
事業所内保育
委託訪問型保育

の4種類があり、地域のさまざまなニーズに対応しており、入園するためには、各自治体で異なる子どもを預けるための要件の認定を受ける必要がある。
出典:厚生労働省

院内保育所

病院内で働く医師や看護師などの子ども対象とした施設。預かる子どもの年齢は事業所ごとに決定され、入園するためには直接契約するのが一般的。
出典:厚生労働省

企業型保育園

企業が開く自社の従業員や地域の子どもたちを対象とした施設。自ら企業が運営する場合と保育事業者に運営を委託する場合がある。入園するためには直接契約が一般的。
出典:厚生労働省

託児所

明確な定義はないが、基本的に認可外保育園と位置づけされた施設のことを示す。
事業型保育施設
ベビーホテル
商業店舗の一時預かり
などの種類があり、入園するためには直接申し込む必要がある。

保育園選びはいつから︖

どのような子どもが入園できるのかは各自治体で異なる点もありますが、一般的に以下の点に留意する必要があります。

1号認定:満3歳以上の子どもで、教育を希望すること。
2号認定:満3歳以上の子どもで、保護者が保育を必要とする事由に該当すること。
3号認定:満3歳未満の子どもで、保護者が保育を必要とする事由に該当すること。

保育を必要とする事由

・就労:1か月において60時間以上労働することを常態とすること。
・妊娠、出産:妊娠中であるか又は出産後間がないこと。
・疾病、障がい:疾病にかかり若しくは負傷し、又は精神若しくは身体に障がいを有していること。
・介護、看護:同居の親族(長期間入院等をしている親族を含む。)を常時介護又は看護していること。
・災害復旧:震災、風水害、火災その他の災害の復旧に当たっていること。
・求職活動:求職活動(起業の準備を含む。)を継続的に行っていること。
・就学:学校等に在学している、又は職業訓練を受けていること。
・虐待、DV:児童虐待の恐れがある、又はDVにより保育を行うことが困難であると認められること。
・育児休業:育児休業をする場合に、既に利用中の児童が保育所等を継続して利用することが必要であると認められること。
・その他:前各号に類するものとして市長が認める事由に該当すること。

参考として、佐世保市では以上のように記載されています。
参考:佐世保市特定教育・保育施設等の利用基準

女性
利用基準を満たす場合、保育園選びはいつから始めればよいでしょうか?
住まいるナビゲーター
育園選びで重要なポイントは「なるべく早めにリサーチを始めること」です!

具体的に言えば、新年度の4月から入園させたい場合は前年の4月頃からリサーチを始めるのがおすすめです。

以下に4月入園を目指す場合の例を挙げているので参考にしてみてください。

4~6月 早め早めの情報収集

まずは自治体が発行している「保育園あんない」などを見て自宅から通えるエリアにどんな園があるのかをリサーチします。情報収集は早ければ早いほど吉なので、仕事復帰を考えている方は積極的に行っていきましょう。

地域によって入園の基準や空き状況はさまざまなので、役場の担当者や子育て支援センターなどに相談してみるのも良いです。

7~8月 実際に園を見学してみよう

気になる園をいくつかピックアップしたら保育園に見学ができるか問い合わせてみましょう。保育園申し込みの11月頃になると見学予約が取りづらくなるので注意が必要です。

9~10月 入園希望の園を絞り込む

気になった園の下調べや見学がひと段落したらいよいよ入園希望する園を絞りこみます。

もしも入れなかった場合のことも考慮して、認可保育園と認可外保育園をそれぞれいくつかピックアップしておくと良いでしょう。

11~12月 申し込み

一般的に10月~12月頃にかけて入園申し込みをする場合がほとんどなので申し込み忘れのないようにしましょう。

見学の際にそのまま申し込みできる場合や、先着順で申し込みを受けている場合もあるのでしっかりと確認しておくことが大切です。

また、認可保育園の場合は申込時に就労証明書などの提出が必要になるので書類は日程に余裕をもって準備しておいてください。

1~2月 入園選考の結果発表

一般的には1月中旬ごろから2月末にかけて選考結果を発表する自治体が多いです。(認可外保育園の場合も同時期)

入園が決まったらその後の書類作成や入園準備を進めておきましょう。

1年も前から準備するのは早すぎるのでは?と感じる方もいらっしゃると思いますが、多くの自治体では例年10月~11月にかけて入園申請を開始していくため早すぎるということはありません。

また、保育園選びで重要なポイントは認定保育園と並行して認可外保育園も探しておく必要があるということです。

なぜなら、認可保育園のみを申請した場合、審査に通らなかったときに子どもの預け先を確保できない可能性があるからです。

特に仕事復帰が決まっている方や就学している方、妊娠中の方はどちらのリサーチも行っておきましょう。

優先順位を決めて保育園の選び方を考える

保育園選びを行う際に大切なことは保護者や子どもが何を大切にしたいかに優先順位をつけておくということです。

というのも、保育園は経営主体が異なるため園によって雰囲気や大切にしていること、取り組み、1日のすごし方などがかなり異なります。

どんな場所で子どもに成長して欲しいのか、子どもと園の波長は合っているかなど吟味しながら進めていきましょう。

保育園選びのポイント

ここからは保育園選びのポイントを具体的な内容とともにご紹介します。
気になるポイントを押さえておいて、ホームページでの下調べや見学の際にぜひチェックしてみましょう。

受け入れ年齢・⽉齢

まず確認しておかなければいけないのは園の受け入れ年齢・月齢です。

保育園は0歳~就学前までの子どもを受け入れているのが一般的ですが、なかには年齢・月齢に制限がある園もあるので注意が必要です。

また、規模が大きい園だと本園と分園で受け入れ年齢が異なっていたり、原則0~2歳児を対象とする小規模保育園だと3歳になるときに改めて園を探さなくてはいけなくなるので気を付けておきましょう。

⾷事やおやつの内容

給食やおやつなどの食事内容は園によってかなり異なります。

食材へのこだわりがある園や栄養面に特に気を使っている園、地域の特産物を取り入れている園、おやつまで手作りしている園などそれぞれのこだわりに注目してみましょう。

また、田んぼや畑を所有していて収穫体験や調理の手伝いに参加させている施設もあるでの、食育に力を入れたい方は注目してみるといいかもしれません。

アレルギー対応

何かしらのアレルギーを持っているお子さんならアレルギー対応も注意深く確認しておきましょう。

アレルギーのある子どもの把握
必要書類の配布
保護者との面談
職員間での共通理解
情報の更新

など、保育園では基本的に以上のようなことが徹底されています。

ただ、食物アレルギーなどは対応の仕方が若干異なるようです。
近年では、混在を徹底的に防ぐために卵や牛乳を園全体で不使用にしている場合や、アレルギーの子どもも一緒に食事をとれる「なかよし給食」などの取り組みを行っている施設もあるようです。

事故に繋がらないことはもちろん、子どもが快適にすごせるためにアレルギー対応についてもしっかり確認しておきましょう。

保育園の教育⽅針

外からではわかりにくいですが、保育園はそれぞれに保育方針が設置されています。一言に保育方針といっても、子どもたちのがのびのびとすごせる自由保育やモンテッソーリ教育を導入したカリキュラムに沿った保育、仏教やキリスト教など宗教色が反映された保育などその内容は多種多様です。

また、昼寝の有無を子どもが選べたり、異年齢との交流ができる縦割り保育の導入、園行事への積極性など、保育スタイルもそれぞれ異なります。

どのスタイルが良い悪いではなく、長い時間をすごす場所なので子どもや保護者自身との相性を見極めるといった視点を持っておくとよいでしょう。

施設環境

地域によっても差はあると思いますが、園庭や畑、プールなどを保持している園もあれば周辺施設を借りて外遊びを行う園もあります。

また、施設の新しさに関係なく整理整頓は行われているか、清潔感はあるか、各年齢に適したおもちゃが用意されているかなど。施設環境は実際に見に行かないと確認しずらい部分なので、見学の際に細かくチェックしておきましょう。

⾏事や役員会

共働き夫婦や産まれたばかりの赤ちゃんがいるなど、時間に余裕のない方は行事や役員会の取り組みチェックも必須です。

保護者の協力をどこまで必要としているかは園によって異なり、ほとんど保護者が介入しない場合もあれば、行事があるごとに役員として出席し会議や準備などを保護者が主体となって行う園もあります。

もちろん、やりがいがあったりママ友との交友関係が広がったりと役員をやるメリットもたくさんありますが、その活動内容や稼働時間などはしっかり確認しておきましょう。

保育体制

子どもを安心して預けるためにも、園の規模や保育士の人数、ベテラン保育士の有無や人数、午睡中の見守り体制、子どもへの目が行き届いているかなどの保育体制を確認しておきましょう。

ネットの口コミからリサーチしたり、在園児の保護者に知り合いがいれば直接評判を聞いてみてください。

保育士さんの雰囲気

子どもにとっても保護者にとっても、長ければ数年関わることになる保育士さんの雰囲気は大切です。

保育士にいきいきとした雰囲気はあるか、先生同士の仲は良さそうか、子どもや保護者と笑顔で接しているかなど見学の際に観察してみましょう。

子どもは大人が思っているよりも大人の雰囲気を敏感に感じ取っているものです。
安心して通うためにも信頼できる保育士がいるかどうかというポイントは重視してリサーチしてみてください。

保育時間内に学べる習い事

保育園によっては保育時間内にさまざまな習い事を学べるケースもあります。

例をあげると
体育教室
水泳教室
絵画教室
音楽教室
英語教室

などがあるようです。
就学前から子どもが学べる環境を確保したい方はチェックしてみましょう。

保育園の場所

園によって保育の内容はさまざまですが、実際に通うとなれば保育園の場所はかなり重要です。せっかく相性の良い園を選んでも、毎日の通園が負担になり転園を考えることになると元も子もありません。

自宅や職場からの通園時間はどうか、車や自転車送迎はできるか、駅からの距離はどうか、近くにスーパーはあるかなど。通園しはじめたあとのライフスタイルも想像しながら考えてみましょう。

保育料

保育料については事前に確認しておきたい方が多いのではないでしょうか?

2019年10月に幼児教育・保育の無償化がスタートしたことにより、0~2歳までの子どもがいる住民税非課税世帯の認定こども園、認可保育園の利用料が無償に。

また、認可外保育園の利用料も0~2歳までの子どもがいる住民税非課税世帯では月4.2万円までが無償となりました。

その一方で、3歳未満の場合は保育料が各自治体が定める年収に合わせてかかるほか、基本の保育料以外の諸経費は保護者が負担する必要があります。

認可外保育園と認可保育園を比べると、認可外保育園の方が一般的に高額といえるでしょう。

佐世保利用者負担金(満3歳未満の保育料)※令和5年3月31日現在
所得割非課税世帯:12,400円(国基準額は19,500円)
市民税所得割課税額:17,600~62,400円(国基準額は19,500~104,000円)

参考:佐世保市 保育料の算定について

保育料以外にかかる費⽤

保育料以外の費用は、
給食費
延長保育料
制服、体操服代
園指定のグッズ用品代
遠足など園外活動費
教材費

なも保護者負担になります。
この辺は園によって異なるので事前に確認しておくとよいでしょう。

保育時間

子どもを預けられる保育時間の確認も必須です。
というのも、認可保育園の場合は保育時間は一般的に7時~18時前後
それ以前や以降には延長保育料という別途料金がかかってきます。

そもそも延長保育を行っていない園や、延長保育を何時まで引き伸ばせるかはそれぞれなので事前に確認しておきましょう。

一方で、認可外保育園だと延長保育の対応に柔軟性があり、夜21時ごろまで預かってくれる園もあります。

フルタイムで就業したい方や職場が離れている方は、保育時間にも注目して園選びをしてみてください。

緊急時における対応

予測を超える災害が頻発している現代だからこそ、防災・防犯に対する対策がしっかりと行われているかチェックしておきましょう。

災害時に子どもと再会するためにも、保育園までの安全経路や避難ルート、避難先への連絡方法などを確認しておくと良いです。

また、保育園での日常生活においても子どもはよくけがをしたり病気をもらってしまうものです。フルタイムでの勤務をされている場合は、お迎えの連絡がくる基準やその対応方法についても確認しておくと良いでしょう。

入園後を想定した保育園選びを忘れずに

意外と見落としがちなのは、実際に通うことを想定した保育園選びです。いくら園の方針や雰囲気が合っていても毎日の通園が負担になってしまっては意味がありません。

いくつか入園後を想定した例を挙げるので、実際に通っているつもりになって考えてみましょう。

自宅からの「通いやすさ」

やはり自宅からの通いやすさは重要なポイントです。
自宅からの距離
公共交通手段はあるか
バス停や駅から近いか
車送迎の場合は駐車場の有無
自転車の走りやすい道か
園までのルートは混まないか

など、通園する手段に合わせて確認してみましょう。
毎日通うことにストレスを感じない環境を探してみてください。

「悪天候」も想像して保育園選びを

見落としがちなのは悪天候の場合です。

特に自家用車以外で通園される方のなかには、
雨の日は子どもと人数分の荷物を抱えていくのが非常に大変
園が高台にあり雪や雨の日の送迎が怖かった
週末や長期休み前は持ち帰り荷物が多すぎてとても車じゃないと無理

など、さまざまな天候のなかで通い始めとはかなりギャップを感じている方も多いようです。

通園の手段とあらゆる天候においての対処はあらかじめ検討しておくと良いでしょう。

周辺にあると便利な施設の確認

特に低年齢の子どもはお友達から頻繁に病気をもらってくるものです。

緊急時に慌てないよう、保育園近辺に以下のような施設があると良いでしょう。
保育園と連携を取っている病院
かかりつけの小児科
その他、眼下や耳鼻科、皮膚科など子どもが通院しやすい病院
スーパー
コンビニ
ドラッグストア
子ども連れOKな飲食店
お弁当屋さん

フルタイムでのお仕事をされている方は、ファミレスやお弁当屋さんが近くにあると心強いかもしれませんね。

歩道や駐輪場の有無、道の狭さもチェック

子育てをはじめると、これまで自分だけでは気づかなかったことに怖さや不便さを感じるものです。

特に、保育園までの通園路での事故やヒヤリハット地点は要注意。
歩道の広さ
子どもが歩きやすい舗装がされているか
街灯があるか
駐輪場の有無

など、子どもと毎日安全に通園するためにも道路状況は細かくチェックしておきましょう。

まとめ

保育園選びのポイントはいかがでしたか?

子どもが貴重な幼少期を過ごす保育園。
子どもも保護者も安全安心に楽しい生活が送れるよう、早め早めの行動を心がけてみてくださいね。

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「住まいリングさせぼ」編集部長

橋本鎌嗣(ニックネーム:もっちゃん)
「住まいリングさせぼ」編集部長

佐世保生まれ、一児のパパ。サイト監修者であり、佐世保・小値賀「海風の国」観光マイスター。宅地建物取引士の資格も有し、不動産や住まい、暮らしのアドバイスも。「佐世保に住もうよ!愛する地元の魅力をもっと伝えたい!!」

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