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御橋(おはし)観音の石橋と牧ノ岳公園、春日神社で「佐世保・吉井町」再発見の旅!

春日神社
佐世保市吉井町田原428‐1

0956-64-2212

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福井洞窟ミュージアムがオープンした吉井町。「なんにもない」などと地元の方は謙遜して言われることもありますが、とんでもありません。豊かな自然をいかした公園や、市内屈指のパワースポットともウワサされる国指定の名勝、樹齢800年の大楠を有した神社など、知らなきゃ損な場所が沢山あるんです。ミュージアムに行ったついでにぜひ、ディープな吉井町を楽しんでみてください。

御橋観音|地球が造った天空の石橋神秘的な空気につつまれる場所

福井洞窟ミュージアムから、吉井南小学校方面に向かい、そのまま真っ直ぐ山を登っていくと公園の駐車場にたどり着きますが、まずはそれを横目にあと少しだけ登ってください。すると見えてくるのが『石橋山 御橋観音寺(せっきょうざん おはしかんのんじ)』。

8世紀初めに開かれたとされる由緒ある寺院で、十一面観音坐像がご本尊。寺院の中にはおみくじやお守りなどもあるので、先にお参りされるのもいいですね。本堂を正面に、境内を左手に進んでいくと、明らかに突如ガラリと空気が変わる場所があります。

現れたのは木々に囲まれた石段。この日は少々曇りではありましたが、晴れた日に訪れてもこの空気感は大差ありません。春は桜、秋には紅葉が美しいこの場所は、いつもどこかしっとりとしていて、直射日光が照りつけることはほぼありません。この環境で自生するシダ植物は『御橋観音シダ植物群落』として、国の天然記念物にもなっているんです。

足元に気をつけながら登った石段の、その先にあるのは

私のカメラでは到底収めきれない、開放的でありながら閉鎖的な、岩の壁に囲まれた空間。大きな岩穴に、スポッと入ってしまったかのような錯覚に陥ります。静寂な空気の中、鳥の鳴き声だけが響き渡り、さらに耳を澄ますと、木々や岩々の声まで聞こえてきそうです。この場所に何かしらの力を感じ、岩壁に石仏を供えて信仰してきた人々の想いを、ここに立つと共感するほかありません。地球が造りあげた自然の中では、人間の存在がいかに小さいかを思い知るような驚異。ここが佐世保屈指のパワースポットだと囁かれるのもうなづける、圧巻の場所です。

そして肝心の石橋はというと

真上を見上げること約20mの高さのところに、木々の隙間から2本の石橋が空を割ってかかっています。長さ30m、幅5mのこの石橋は、福井洞窟同様、元は地球環境の変化により長い年月をかけてできた洞窟で、時を経て壁面が壊れ、橋の部分だけが残った「洞窟地形の最終形態」と考えられています。江戸時代には平戸八景に数えられ、人が往来できるほどだったそうですが、この神秘的な橋を当時の人は一体どんな思いで渡っていたんでしょうね。現在は国の名勝に指定されています。

御橋観音 石橋
長崎県佐世保市吉井町直谷94
見学無料

牧の岳公園|石橋でパワーをもらったら思い切り公園で遊ぼう

先ほど横目にしてきた広い駐車場に戻れば、そこは『牧の岳公園』。地元の方の中には、親しみをこめて「お橋観音公園」と呼ぶ方もいらっしゃいます。

広い敷地内では四季折々の植物が楽しめ、今の時期だと藤の花やつつじが楽しめますよ。屋根のあるログハウス風の建物もあるので、安心してお弁当も楽しめます。

アスレチックなどの遊具も豊富ですが、目玉の一つが長~いローラー滑り台。高台にある公園のため、吉井町を流れる佐々川を見下ろしたり、公園に生えている木の真横を通ったりと、豊かな自然も目に飛び込んできます。小さいお子様用のローラー滑り台もあるので、兄妹揃って楽しめますね。

牧の岳公園
佐世保市吉井町前岳161-1
P40台
バリアフリートイレ有

吉井親水公園|水辺に近づきたいならここ。地元の人のみ知る公園

牧の岳公園から見下ろすことのできた、吉井町を流れる佐々川ですが、実はもう少し近づける場所があるんです。

それがこの『吉井親水公園』。道も狭く分かりにくいですが、国道204号線、牧の岳公園方面から佐々方面に向かって、交差点『吉井駅』のひとつ手前を左折、真っ直ぐ進むとたどり着きます。小さくて地味な(失礼)公園ですが、佐々川の水際まで行けるんですよ。

丸く削られた岩肌が囲む佐々川は、穏やかでどこか優しい表情。地域の方々の働きかけによってずいぶん綺麗に保たれていますが、3~40年前まで多くの人が釣っていたという鮎の姿は、やはりだいぶ減ったそうです。

水遊びできるほど近くにいけますので、お子様連れの場合は、決して目を離さないようご注意ください。

吉井親水公園
吉井町立石227-3
P4台

春日神社|時にはマルシェやジャズ演奏も心地よい鎮守が護る一千年古来の古社

福井洞窟ミュージアムから「妙観寺トンネル」方面に登っていく途中、左手に左折を促す大きな看板が見えてきます。案内する先は『春日神社』。左折してしばらくすると田園風景の中にひょっこり現れるのが

春日神社の一の鳥居です。二の鳥居の脇も降りていくと、その先に立派な駐車場があります。春日神社は目の前ですが、境内に入る前にぜひ先に歩いて行っていただきたいのが、二の鳥居横の細い道を行くとある

樹高約12m、幹回り約5m、枝張り約16mの圧倒的な存在感を放つ、推定樹齢800年の『大楠』です。地域の歴史を見守り続け、これだけの年数を過ごしながらも、いまだ眩しい若葉をつけるエネルギーは、思わず敬服したくなるほど。この神々しい姿からも分かるように、この大楠は春日神社の御神木のひとつで、平成31年(2019年)に長崎県「まちづくり景観資産」に登録されました。境内に入る前に、まずはこの御神木に挨拶をされるといいと思います。

大楠を御神木のひとつと言いましたが、いよいよ境内に入る三の鳥居の両脇にそびえるこちらの一対も御神木。大きすぎて撮影できないため、境内に入ってから撮影しておりますが

その姿は、鳥居が小さく見えてしまうほどです。写真右手が推定樹齢400年、樹高約16m、幹回り約3mの『槇』、左手が樹齢不明、樹高約19m、幹回り約3mの『杉』、この一対で『夫婦真木(メオトマキ)』といわれ、こちらも長崎県「まちづくり景観資産」に登録されています。

先ほどから「何百年」というワードが飛び交っているとおり、この春日神社の歴史は古く、この地に遷座(せんざ・ご神体を移すこと)してから530年を越え、それ以前、裏山の頂に鎮座していた頃を含めると、実に千年以上の歴史があるとのこと。なお、元の社地は「神去り岩」と呼ばれ、宮地嶽神社が祀られているそうです。

そんな歴史ある神社だからこそ持つ言い伝えがあります。そもそも「吉井町」の町名は、この春日神社周辺の地区名「吉田」と、福井洞窟のある「福井」が組み合わさって生まれたものなのですが、その「吉田」の由来がこの神社にあるというのです。それが写真の植物『逆生葦(さかえよし)』。葦を田沼に逆さに刺し、それでも繁殖したときには「葦田(よしだ)」と名づけよとのご神託があり、見事にその通りになったとのこと。それを物語るかのように、この逆生葦は、根元の節の方が長く、上部の節が短いという、通常の葦とは逆の珍しい植物で、吉井町の天然記念物に指定されたんです。

このように、周りの植物だけでも語りつくせないほどの歴史を持つ春日神社ですが、最近は若い方々も多く訪れるようになっています。鎮守の森に囲まれたこの心地良い神社に魅せられたアーティストたちが市内各所から集まり、マルシェでおのおのの作品を提供したり、時にはジャズが披露されることもあるんです。それは「つづける、つながる、つとめる」を軸に、幹周り180cm、高さ7mを越えるヒノキが迎える多目的スペース「はる日の木」を自由に使ってもらおうと用意した、春日神社の懐の深さの表れでもあります。通常は参拝者用休憩所として、9時~17時の間、誰でも気軽に入れるんですよ。

神様の前に人々が集い、癒され、繋がっていく。人々の生活の中に根付きながら、千年以上の歴史を誇るこの春日神社は、現代でも変わらぬ役目を果たし続けています。そんな文化を見守り続けた鎮守の中は、自然と息が深くなる、とても心地よい場所。何百年と生きてきた木々たちそのものが、もはや神様に近いのかもしれません。

春日神社
佐世保市吉井町田原428‐1
0956-64-2212
P120台
無料休憩所(Wi-Fi、自販機、多目的トイレ有)

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春日神社
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0956-64-2212

「住まいリングさせぼ」編集部長

橋本鎌嗣(ニックネーム:もっちゃん)
「住まいリングさせぼ」編集部長

佐世保生まれ、一児のパパ。サイト監修者であり、佐世保・小値賀「海風の国」観光マイスター。宅地建物取引士の資格も有し、不動産や住まい、暮らしのアドバイスも。「佐世保に住もうよ!愛する地元の魅力をもっと伝えたい!!」

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