旧石器時代、人々はここにいた
佐世保市吉井町に4月28日(水)オープンする『福井洞窟ミュージアム』。旧石器時代から縄文時代へと移行していく人々の暮らしの形跡が残る、世界的に見ても貴重な国指定史跡『福井洞窟』について、大人から子どもまで楽しく学べる無料の施設になっています。
そもそも佐世保市は市町村合併後、洞窟遺跡が31ヶ所となり、その数なんと日本一!中でもこの福井洞窟は、約1万9000年から1万年前の約9000年間に渡る地層を残し、これまで約7万点が出土されたほか、国内の旧石器洞窟では初めて炉跡や石敷が確認された、とても貴重な洞窟遺跡なんです。この地に旧石器時代から人々が暮らしていたなんて、想像するとなんだかワクワクしますよね。
ここ福井洞窟ミュージアムでは、発掘された国指定重要文化財の展示のほか、地球の変化と共に生き方を変えてきた人類の様子、発掘現場、また当時の暮らしなどが体感できるようになっています。
入館は00分から15分置きを狙え
まず、最初に必ず観ていただきたいのが、入館してすぐの『ジオラマ』。福井洞窟の現場を再現したもので、現在の地表の高さから約4メートル下の世界、つまり旧石器時代の光景が再現されています。通常行くと
このような景色が広がり、右手の上には、現在の福井洞窟に設置された社の姿が見え、左手の下には発見された炉の跡が再現されています。しかしここが、ある時を迎えると
このように旧石器時代から縄文時代にかけての光景や人々の暮らしが映像として流れてくるんです。この映像をみることで更にリアルに、この土地で人類が暮らしてきたことを実感できますよね。映像が始まるのは毎時00分、15分、30分、45分の15分間隔。およそ5分の映像を観てから館内の展示物を見て周ると、より興味を持って楽しめると思いますよ。
貴重な本物の展示
館内には約400点が展示されているのですが、そのうち100点あまりは国指定の文化財。「レプリカ」と表示されているもの以外、福井洞窟で実際に発掘されたものが惜しげもなく展示されているんです。
そして展示されている「本物」は、出土品だけではなく
現場の地層。「剥ぎ取ってきた地層」とは、その名の通り、布を地層に貼り付けて剥ぎ取ってきたもの。実際に6メートル下まで掘られたという福井洞窟の発掘現場が、ありありと目に浮かぶようです。
気分は縄文人
館内で、旧石器時代から縄文にかけての人類の暮らしをひとしきり学んだら、出てくるときには縄文人モードに火がつくというもの。そんな気持ちは
ひとまずここでパシャリ。衣装も武器も用意してあるので自由に使えますが、槍の先には本物の細石刃(さいせきじん)が付いていますので、取り扱いに注意してくださいね。
また『暮らし体験室』では、縄文土器の立体パズルや土器への模様付け、旧石器時代の毛皮の試着、火起こし体験やアンギン編みなど、大人も子どもも楽しい体験が気軽に楽しめます。予約をすれば、土器作りや勾玉作りなどもできるそうですので、いいお土産にもなりそうですね。
実際の福井洞窟はこの場所から約4キロほど離れたところにあります。発掘作業が終わった現在は再び埋め戻され、上に神社が設置されていますが、学んだ後で現場を訪れると何か感じるものがあるかもしれません。車でもいけますが、電動アシスト付き自転車のレンタルも行われていますので、サイクリング代わりに行かれるのもいいですね。
福井洞窟ミュージアム(2021年4月28日オープン)
住所 | 〒859-6326佐世保市吉井町立石473 |
電話番号 | 0956-64-3830 |
開館時間 | 9:00~17:00(最終入館16:30) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は次の平日) 年末年始(12月29日~1月3日) |
観覧料 | 無料 |
駐車場 | 無料・102台可能(大型バス2台・小型バス2台・車椅子用2台を含む) |
レンタルサイクル | 1時間300円~ |
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