住まいリング させぼ

レトロかわいい島原ドライブ旅 Part3 ~森岳商店街周辺~

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佐世保から車で2時間弱。城下町ならではの『品』と、昔ながらの『懐かしさ』に溢れ、いまあらためて「エモい」「レトロ可愛い」と注目が集まっている島原市へ。オトナ心をくすぐる体験や、話題のお洒落スポットを巡ってきました。佐世保とはひと味違う空気を吸って、ちょっぴり閉鎖的だった気分もリフレッシュ。街を愛する人々の優しさと歴史に触れる旅でもありました。

~森岳商店街周辺~

約400年前の江戸時代、島原城が築城され、城下町としても栄えてきた島原。その時代の町屋の雰囲気が今も色濃く残るのが「森岳商店街」周辺です。代々続く職人たちを守り続けてきた歴史ある建物と、大切にリノベーションされたレトロ可愛いお店とが見事に共存し、独特の町の雰囲気を作り上げています。懐かしいのに新しい、島原イチのエモいエリアとして外せない場所です。

大正の建物が心地良いカフェに

青い理髪館

当時を語る空間

和風建築が建ち並ぶ森岳商店街の一角に、レトロブルーの洋風建物が一軒。大正12年に理髪店として建てられた2階建ての木造洋館が、その名残を残しつつ、カフェへと生まれ変わっています。

店内でまず目を奪われるのが、壁面いっぱいの大きな鏡。理髪店として沢山のお客さんを映しつつ、店主と客の何気ない会話を長年聞いてきたことでしょう。そんな想像をしてしまうほど、この店には理髪店当時のものがあちこちに残されています。

タイル貼りの洗面台に

散髪用の椅子

壁の時計は、なんと90歳を越え

当時最先端だった上下する分銅式の窓は、今日も柔らかい日差しを取り込みます。

1980年代に理髪店が閉業され、取り壊される話が出ていたこの場所を、何とか守りたいと行動をおこしたのが今のオーナー。地域の方々の協力も得ながら、2000年にこの店をオープンしました。

店内に数多く残る当時のマテリアルと、カフェとしては少し変わったこの店名から、この建物が過ごしてきた歴史を大切にしたいという思いが、自然と伝わってきますね。

現在では長崎県の登録有形文化財に指定されています。

身体に、心に嬉しいメニュー

この温かい空間でいただけるスウィーツは、有機栽培や低農薬栽培の素材を主に使用した、健康に気を使われたものばかり。特に<ポストハーベストフリー>という、収穫後に農薬がかけられていないエサで育ったニワトリの卵や、きび砂糖を使用した「幸せ焼きプリン」(ドリンクセット700円)は一番人気だそうです。

セットで選べるドリンクもこだわりのものばかりで、この日は島原有機和紅茶と長崎県天然記念物シマバライチゴなどがブレンドされた「島原和紅茶ハナミ」(単品・HOT450円)をチョイス。

身体にスッと溶け込んでいきそうな優しい甘さのプリンと、ほんのり酸味のある爽やかな紅茶は、一気に旅の疲れをほぐしてくれます。この紅茶は、女性ホルモンのバランスを整え、美肌・美容効果が期待されるそうなので、さらに気分を上げてくれましたよ。

そしてもうひとつ、どうしても気になってオーダーしたのが「玄米レモネード」(560円)

可愛いハート型のレモンが浮かび、お茶菓子としてクッキーもついてきました。興味津々ひと口いただいてみると、最初はレモンの香りの中にほのかな蜂蜜の甘みを感じ、いかにもレモネードという感じでしたが…。不思議なことに、後味が香ばしい玄米なのです。これは、深入りした玄米を丁寧に長時間煮出したものに、レモンと蜂蜜を加えたものだそう。一杯のカップに和と洋が混ざり合ったこの玄米レモネードは、大正の面影を残すこのカフェにピッタリなのかもしれません。

<青い理髪舘>

島原市上の町888-2
0957-64-6057
10:30~18:00(月曜日は~17:00)
不定休
P有
https://www.rihatsukan-kobomomo.com

 

 

思いが交流する場所

猪原金物店

地元の人も。観光客も。

今の時代「金物店」と聞いて、入ってみたいと思う方がどれくらいいらっしゃるでしょうか。森岳商店街の入り口にあるこの金物店は、それでもこの通りのシンボルともいえる存在なんです。その秘密は、ひとたび足を踏み入れるときっとわかるはず。

一気に時代を飛び越えるような、それでいてキラキラとした呼吸を感じるような、沢山の道具たちに埋め尽くされた店内。九州で2番目に古いというこの金物店は、明治時代からのストック商品をはじめ、銅やアルミ、ステンレスなどの台所用品から、刃物やはかり、素人には何に使うか分からないような道具まで、年代を超えた商品が販売されています。ここは、地元の方々にとって大切な「現役の金物店」であると同時に、まるで博物館のように多くの観光客も快く受け入れてくれる、なんとも温かい場所なんです。

職人のぬくもり

店内をひと歩きすると、丁寧にディスプレイされていることもあって、職人さんたちが作った道具の美しさに思わず見とれてしまいます。なかでも、ライトアップされたショーケースの中で光る刃物類は、さながら芸術品のよう。職人が心を込めて作ったものが、どんな人の手に渡り、どんな思いで使われるのか…想像が膨らんでしまいます。

この店の5代目にあたる店主・猪原信明さんと、6代目となる娘さん・小夏さんは「研ぎ」のプロ。包丁やハサミ、鎌やナタなど、地元の方々が持ち込む刃物類を、いかに切れ味良くするか、長持ちさせるか、日々考えながら仕上げている職人さんなんです。大切に作られた道具を大切に使うというその姿勢に感銘を受けている刃物職人も多く、ここには世界一となったナイフ作家・松﨑猛氏による、この店限定の刺身包丁も販売されています。ちなみにこの作家さん、佐世保の方なんですよ。

人々が集うために

明治10年創業のこの店は、江戸時代の町屋を再現して建てられた国の登録有形文化財。島原城下のこの場所が、町屋として栄えた時代を感じさせてくれます。雰囲気はそのままに、建物の2階はギャラリーやコンサート会場としてリニューアルされたばかり。この空間も、地元の方と観光客とを繋ぐ場所になっているんですね。この日ここに展示されていたのは、奥川津由子さんによる曼荼羅の原画。神秘的な配色の曼荼羅が、淡いピンク色の壁の上で、うっすらと光を放っているようでした。

<猪原金物店>

島原市上の町912
0957-62-3117
9:30~18:00
水曜休(※祝日の場合営業)
https://www.inohara.jp

 

 

心とろける場所で湧き水スウィーツを

茶房&ギャラリー 速魚川(はやめがわ)

空間自体がギャラリー

猪原金物店の店内を奥に進んでいくと、そこには全く別の光景が広がっています。まず目に飛び込んでくるのは、まるで自然光のスポットライトを浴びたかのような坪庭。渡り廊下と土間、そしてほぼガラス張りの囲炉裏の間に囲まれています。飲食スペースとなる囲炉裏の間も含め、屋内と屋外が見事に調和した古い造りのこの場所が、6代目の小夏さんが任された茶房。

地元の作家さんを含め、焼き物や絵画などのギャラリーとしても楽しめ、完全に和の造りでありながら、パリのポスター画家・サヴィニャックのPOPなポスターも違和感なく溶け込む、まさにレトロ可愛い空間なんです。

料理も甘味も自家湧水

ここに来て、ぜひ食べたかったもの。それがこの季節限定『苺セーキ』(税抜700円)。実はこの店で出されるものは全て、敷地内に出る湧き水が使われているんです。100パーセント湧き水で作られた氷が果たしてどんなものなのか、湧き水好きの私は興味津々。念願叶ってひとくち食べたそれは、トロッとした見た目どおり、口当たりがまろやかで優しく、まるでクリームのよう。長崎県産のイチゴの味も、しっかり味わえます。そこに加わった練乳の甘みは、このレトロな空間もあいまって、幼い日々を思い出させるようでした。この苺セーキは季節限定ですが、同じく湧き水で作った「島原ミルクセーキ」(税抜600円)や「冷珈琲」(税抜630円)はいつでも味わえます。島原そうめんや島原手延べうどんを使ったメニューもあるので、お腹が空いている時にもどうぞ。

湧き水は持ち帰り自由

そのそもこの店名の「速魚川」とは、店のすぐ脇にある、幅わずか25センチほどの小さな川の名前。これは湧き水を利用して猪原さんが造った人工的な川なんです。敷地内に沸く豊富な湧き水をもっと沢山の方に楽しんで欲しいと、ビオトープとして造られました。それほど豊富に湧くここの水は、地下110メートルから自噴する普賢岳の伏流水。島原市内では珍しい「軟水」です。この甘くてまろやかな水、実はいつでも自由に持ち帰れるんです。店の脇には蛇口が設置され、いつでも流れっぱなし。もちろん、断りもお金もいりません。「島原市のファンになってくれたらいい」という猪原さん親子の、広くて大きな心が伝わってくるからこそ、いつでもこの店はにぎわっているんだと思います。

<茶房 速魚川>

島原市上の町912
0957-62-3117
11:00~18:00(OS17:30)
毎週水曜、第三木曜休(※祝日の場合営業)
https://www.inohara.jp

 

<おまけ>

佐世保とはまるで違う文化や景色を楽しんだ島原の旅。帰る頃にはすっかり日も暮れて、おかげでライトアップされた島原城を見ることができました。

せっかくなので近くで見ようと側までいくと、ちょうどお城の門が開き、着物を着たお姉さんが呼び込みを始めました。なんだろうと聞き耳を立ててみると、なんと最終20:30までお城に入れるとのこと。

ちょうど「島原城夜の陣(3月28日までの土日・祝日)」が開催されているタイミングだったんですね。夜のお城…。少し怖い気もしましたが、何事も経験。勇気を出して入館すると、渡されたのは、まさかの懐中電灯。やっぱり「夜のお城をお楽しみください」という企画なんですか。そうですか。

とはいえ、佐世保にお城はないし、島原といえば島原の乱の歴史もあるし、やっぱり見てみたい。暗い階段を懐中電灯で照らしながら、上へ上へ…。

薄暗い展示室。展示物を懐中電灯で照らしながら…何階上ったか。

あとはぜひ、島原へ足を運んで見て下さい。

最後は屋上、天守閣(?)からの綺麗な夜景を見て、島原を後にしました。

島原城は桜の名所でもありますし、キャンピングカーを借りての「城キャン」もできるそうなので、今度は明るいうちにゆっくり行きたいと思います。

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