絵本の読み聞かせが子どもにとっていいことは知っているけど、どうやっていいのかわからない、と悩むママは多いです。今回は絵本の読み聞かせの具体的な効果や、絵本の選び方のポイントなどを紹介します!
目次
⼦どもに絵本を読み聞かせる効果は︖
絵本の読み聞かせは子どもにとってたくさんの良い効果があります。発想力や語彙力の向上だけでなく、想像力や感性など子どもに身につけて欲しい力が育まれることがわかっています。話したり聞いたりする力がつき集中力も養われるので、小学校に上がったあとの学力向上にもつながります。
他にも、読み聞かせは忙しい生活の中でも子どもと向き合う時間を作るきっかけとしても有効です。
⾔語⼒の向上
絵本の読み聞かせの効果の一つに言語力の向上があります。
絵本の絵を見ながら大人が話す言葉を聞くので、イメージが湧きやすく言葉を覚えるきっかけにもなります。
子どもとの会話で使われる言葉は食べることや寝ることなどの生活をする上で使う言葉がほとんどで、500種類ほどと言われています。
絵本の読み聞かせでは普段の生活では話したり聞いたりする機会が少ない言葉を知ることができ、子どもの言葉の幅が広がります。話す時の言葉の組み立て方が自然と身に着いたり、文法の理解が深まり学力向上も期待できます。
集中⼒が上がる
絵本は、ページをめくる度に違う世界が広がっていたりストーリーの続きが描かれていたりして子どもの興味をひくものです。次は何が起こるかな、次はどんなものが描かれているかな、と真剣な顔で絵本に集中している子どもの姿はとてもかわいらしいですよね。
子どもの集中できる時間は短い時間ですが、絵本の読み聞かせを続けることで少しずつ集中力が身についていきます。始めは短く単純な内容の絵本から始めて、徐々に長いストーリー性のある絵本にするといいでしょう。
集中力が養われると小学校入学後の授業でも先生の話をよく聞くことができるので、学力の心配を減らすことができます。
想像⼒が育まれる ★想像⼒
子どもたちは絵本の一枚の絵から様々なことを思い浮かべます。その絵本の内容に自分なりのイメージを持ち、いろいろなことを想像することで想像力が育まれる効果があります。
絵本には単純な繰り返しのものからストーリー性があるものまで様々ですが、どちらのタイプの絵本でも子どもの脳の働きは活発になっています。時には大人は気に留めないようなページの端の方に書いてある絵から、これは〇〇しているの、などと話してくれることがあります。大人が思っているより子どもはその絵本の絵や言葉から自分なりのイメージを持ち、想像力を膨らませています。
先輩ママの経験談
果物の絵が描かれた単純な絵本だったのですが、子どもが大好きで何度も読みました。読む時に毎回果物を手に取って食べる仕草をしていて、とてもかわいらしかったです。大人にとっては果物が描かれているだけという印象でしたが、子どもにとっては美味しそうな果物が想像できていたのかもしれません。
感情表現が豊かになる
人の気持ちを想像し自分が感じたことを相手に伝えるということは、大人にとっても大切な能力ですよね。絵本の読み聞かせはそのような感性を育み感情表現が豊かになるという効果があります。様々な登場人物の行動や発言を通じて他人の感情や気持ちを自然と想像することができ、コミュニケーション能力が育まれることにも繋がります。
子どもは何かを感じてから自分の言葉で表現するまで時間がかかることがあります。大人から「今の話を聞いてどう思った?」「悲しいね」などと言ってしまうと、思っていない感想を言うことがあるので、読んですぐに感想を聞きだすのではなく子どもが自然と感想を話してきた時に共感して聞いてあげましょう。
⼦どもの好奇心を刺激
絵本の中は動物が話をしたり、行ったことがないような場所が出てきて子どもにとっては現実と違う知らない世界が広がっています。自分も動物と話してみたいな、こんなところに行ってみたいな、という気持ちが生まれることで子どもの好奇心が刺激されます。絵本と同じような場所の絵を描いたり、持っているおもちゃで真似をして作ってみたりと子どもの遊びの世界が広がることもあります。
また登場人物が悲しんでいたり喜んでいる姿を見て、他人の感情にも興味をもち相手の気持ちを理解するきっかけにもなります。
コミュニケーションが図れる
忙しくて子どもとゆっくり過ごす時間が取れない、という家庭は多いですよね。毎日の生活の中で寝る前やごはんの後など絵本の読み聞かせの時間を決めると、その時間だけは子どもとじっくりと向き合いコミュニケーションを図る時間になります。
ママやパパから読み聞かせをしてもらう時間は、安心感があり子どもにとって大好きな時間です。ちゃんと最後まで聞かせないと、内容を理解させないと、と無理をせず大人も子どももリラックスして読み聞かせの時間を楽しみましょう。
絵本を読み聞かせる時のポイント
たくさんの良い効果がある絵本の読み聞かせですが、その効果を高めるためのポイントがいくつかあるのでご紹介します。少しの工夫で子どもへの伝わり方が変わるので、ぜひ取り入れてみてください!
年齢別の絵本の読み聞かせのポイント
子どもは年齢によって成長段階が大きく違います。0歳や1歳児に毎回ストーリー性のある長い絵本を読んでも、飽きてしまい絵本は面白くないものというイメージを持ってしまいます。せっかくの絵本の読み聞かせが子どもにとって楽しいものとなるように、年齢に合った読み方をしてあげましょう。
0〜1歳児:ゆっくり読んで声を聞かせる
0歳児に絵本を読んでも理解できないから意味がない、と思う方もいるかもしれません。しかし言葉が正確に理解できなくても、絵本は絵や色などを見て楽しむこともできます。それぞれのページを見せながらゆっくりとしたペースで読んであげましょう。
0~1歳児は読んでいる人の声にも興味を示します。「本の内容を理解させよう!」という気持ちで読むより、ママやパパと過ごす心地よさを感じてもらう時間と捉えて読み聞かせをして良いでしょう。
1〜2歳児:⼦どものペースで楽しさを伝える
1歳~2歳児は少しずつ言葉の意味を理解し始める時期です。ですが絵本の読み聞かせをして、全ての内容が正しく理解できる年齢ではありません。
読み終わっていないのにページをめくりたがったり、先のページに進ませず前のページへ戻って何度も同じ箇所を読ませたりする行動もある時期です。そんな時は無理して全てのページを順番通りに読むのではなく、子どものペースに合わせて絵本と付き合うとよいでしょう。子どもが興味を示している時は順番通り最後まで読んであげると、本の内容が少しずつ理解できて子どもも面白く感じるはずです。
2〜3歳児:⾔葉の繰り返しを楽しませる
2~3歳になると聞いた言葉を理解して実際に自分で口に出して話すようになります。1~2歳までとは違い少し難しい言葉でも理解ができるようになるので、絵本に出てくる言葉の意味を説明してあげることで子どもの語彙力がより向上します。
読み聞かせの途中で言葉の意味を一つ一つ説明すると絵本の内容に集中できないので、読み聞かせをする時間と言葉の意味を話す時間を分けるとよいでしょう。
この頃の子どもは一つのページが好きだったり絵本に出てくる一つのフレーズを繰り返し言いたがることもあります。繰り返し触れることで言葉の意味や本の内容をより理解できるので、同じところばかりだと心配する必要はありません。
絵本の内容を事前に確認する
絵本は子どもに読み聞かせる前に大人が先に読んで内容を確認しておきましょう。表紙やタイトルだけで選んだ絵本はいざ中を見てみると年齢と合っていなかったり、我が子が興味が無い内容だったということもあります。
他にも、内容を知らないまま読み聞かせをすると言葉を言い間違えたり次の内容を探るような読み方になってしまいます。途中で大人が「これはこういう意味だったのかな」「あれ?」などと言ってしまうと、せっかくの子どもの集中を妨げてしまい内容が入ってきません。
同じ本を繰り返し読んでもよい
たくさんの絵本がある図書館や家の本棚から子どもが毎回同じ絵本ばかり選ぶと心配になりませんか?
もっとたくさんの種類の本を読んで欲しいのに、もうこれは内容を知っているからつまらないだろう、と大人は思ってしまいますが、子どもは内容を理解している絵本だからこそ面白いと感じることがあります。また繰り返し同じ絵本を読むことでより言葉の意味を理解して語彙力が養われたり、脳の発達も期待できるので心配する必要はありません。
あまりにも好きな一冊だけにこだわる場合は、一冊は子どもが選んだ本を、もう一冊はママが選んだ本をと決めると他の絵本も楽しむことができます。
抑揚のある聞きやすい声を意識する
絵本を読み聞かせる時は、感情のないような話し方ではなく適度な抑揚のある聞きやすい声を意識しましょう。
できるか不安に感じるママもいるかもしれませんが、大げさに声色を変えたり子どもを笑わせようとする必要はありません。大げさに声色を変えたりアドリブを入れて子どもを笑わせると、そちらに意識が向いてしまい絵本の内容が頭に入らず脱線してしまいます。
子どもはママやパパの声が大好きなので、ママやパパに絵本を読んでもらう時間はとても安心できる時間です。自信をもって読み聞かせをしてあげましょう。
静かで集中できる環境で読んであげる
大人でもガヤガヤと騒がしい環境の中では読書が進まないという人は多いと思います。集中力が長く続かない子どもにとって騒がしい環境や他に興味をそそるものがある場所では絵本に集中することができません。テレビやゲームは消して静かな環境で読み聞かせをしましょう。
またスマホを側に置いていると通知音などで読み聞かせが途切れてしまったり大人が集中できないこともあるので、できるだけスマホは離れた場所に置き子どもとの時間として過ごすようにしたいですね。
親も一緒に楽しむ
絵本の読み聞かせは子どもへ様々な良い効果がありますが、読んであげる側も不安や緊張を抑制してリラックスできるというよい効果があります。
面倒だなと感じる時もあるかもしれませんが、絵本の読み聞かせによってストレスが緩和されるという調査結果もあるので親も一緒に楽しみたいですね。
選ぶ本が年齢と共に変わってきたり、感想や意見を子どもから話してくれることも読み聞かせをする親の楽しみの一つです。読み聞かせをの内容をきっかけに保育園でのことを話してくれたり、ママへの思いを話してくれたりとコミュニケーションが取りやすくなるという効果もあります。
読み聞かせる絵本を選ぶ時のポイント
読み聞かせによい効果があることはわかったけど、実際どんな絵本を選べばいいの?と疑問に感じるママもいるのではないでしょうか。
絵本は年齢や発達段階によって選ぶことが多いですが、今まで全く絵本に触れてこなかった場合は年齢が大きくても赤ちゃん向けの本からスタートすると絵本に親しみやすくなります。
年齢や興味にあった絵本や物語を選ぶ
絵本を選ぶ時は子どもの年齢に合ったものや子ども自身が興味がある内容のものを選ぶと良いでしょう。男の子だから、女の子だからという考え方ではなく我が子が興味を持っていることに関する絵本がおすすめです。ここでは年齢別の絵本を選ぶポイントをご紹介します。
先輩ママの経験談
本屋でたくさんある絵本の中から「これだ!」と思って購入しても、子どもは全く興味を示さないことがよくありました。その後は図書館を利用して、読んでみた中で子どもが好きな本を購入して家に置いていたのでどれも子どものお気に入りでした。
0歳児:ハッキリとした絵の本
0歳児は視力が発達途中なので細かいところまではっきりと見えません。
小さな絵の絵本ではなくはっきりとした色で大きく絵が描かれているものを選びましょう。読み聞かせる文は短い言葉でリズム感のある内容がよいでしょう。
また赤ちゃんは聞くだけではなく肌に触れることでも脳に刺激を与えるので、素材が紙ではなく布などでできている絵本もおすすめです。内容をしっかりと理解できていなくても、興味を持って本に手を伸ばしたりママやパパの声を聞くだけで子どもにとってはよい効果が多くあります。
1歳児:リズムの良い絵本
言葉を全部理解することは難しいですが、音やリズムに興味をもつ時期です。絵本で色々な音や言葉に触れることで興味や関心を持つようになるでしょう。
コロコロやドーンドーンなどのリズム感のある言葉が繰り返される絵本を好む子どもが多く、文字は読めないけれど内容を覚えて一緒に声に出す子どももいます。子どもにとってはとても楽しい時間なので親も一緒に楽しんであげましょう。
動物や食べ物などが描かれている絵本も1歳頃の子どもにとって親しみやすくおすすめです。
2歳児:⽣活習慣にまつわる絵本
絵本の内容を少しずつ理解できるようになります。トイレや歯磨き、挨拶などの生活習慣にまつわる絵本を選ぶと実際の生活でもしていることなので興味を持ちやすいでしょう。絵本の中の登場人物が褒められていると、真似したい、自分もやってみたいという気持ちが生まれトイレなどに挑戦できる子どももいます。
2歳~3歳頃になると何度も読み聞かせをしてあげている本の内容を覚えて、文字は読めないはずなのに一人で絵本をめくって声に出して読んでいる姿を見ることもあります。持ちやすくめくりやすい本だと子どもが手に取りやすいでしょう。
自分で読む時、ママやパパに読み聞かせをしてもらう時、それぞれ違う良さがあるのでどちらも取り入れて大丈夫です。
⼦ども自身に絵本を選んでもらう
年齢に合った絵本、子どもが好きなものの絵本を親が選んであげることも大切なことですが、子ども自身に絵本を選ばせることで読み聞かせがますます楽しい時間になります。普段はおとなしく読み聞かせを聞かない子どもでも自分が選んだ本だと集中して最後まで聞いてくれることもあり、ママにとっても嬉しい効果ですね。
子どもにとって自分が選んだ本を読んでもらえることは、認めてもらえたと感じ自己肯定感が高まります。子どもが選んだ本に「こっちの方がいいよ」「それは難しいよ」と言って読まないのではなく、子どもが選んだ本を一冊、親が読んであげたい本を一冊などどちらも取り入れるといいでしょう。
まとめ
絵本の読み聞かせは保育園でしてもらうから家ではあまりしない、という家庭も多いかもしれません。保育園の先生は上手に読み聞かせをしてくれますが、子どもにとって大好きなママやパパの声で読んでもらう絵本の時間は特別なものです。薄い絵本でも様々な良い効果があるので、1日1冊でも読み聞かせをする時間が取れるといいですね。
子どもも大人も楽しんで読み聞かせができるように、季節に合わせた本や絵が好みの本を選んでみてもいいでしょう。どのように読み聞かせていいかわからないというママは、支援センターなどへ行くと支援員の方が相談にのってくれます。読み聞かせのイベントに参加することもおすすめですよ!