誰が教えたわけでもないのに、子どもが隠れてゲームをしたり、お菓子を食べたことを隠すことってありますよね。
親に隠し事をするという行動はそもそもいけないことなのでしょうか?
一見悪いことのようにも思えますが、見方を変えれば知恵を働かせて工夫したとも言えそうです。
今回は、子どもが隠し事や内緒にする心理やその是非、親の対応における注意点などを紹介していきます。
目次
隠し事や親に内緒にする心理
子どもが隠し事や親に内緒にする主な原因は、○○をしたい!という欲求を抑えられないことです。人が隠し事をする時、
相手を大切にしたい
自分を守りたい
距離を保ちたい
優位に立ちたい
自分を表現するのが苦手
等の心理が働くと言われています。
このなかで、子どもの心理に関連すると思われる相手を大切にしたい・自分を守りたいの2つに焦点をあてて考えていきます。
相手を大切にしたい
真実を伝えることによって相手を傷つけてしまうことがありますが、こんな時人には隠したいという心理が働いてしまいます。
例えば、お母さんが作ってくれたお弁当を完食できなかった時、
せっかく作ってくれたお弁当を残したらお母さんが悲しむ
食べれないことを心配するかな
と子どもは考えるかもしれません。
筆者自身も幼稚園の頃お弁当を食べきれず「お母さんを悲しませたくない」と思い飼い犬に残りを食べさせたことがあるよう、子どもの隠し事の心理には、相手を大切に思い、関係性を良く保ちたいという気持ちがあるのです。
自分を守りたい
一方で、真実を話すことで自分自身の立場が不利に働くこともあります。
例えば、ゲームに夢中になって約束時間をオーバーしてしまったり、テストで悪い点数を取ってしまった時、
ゲームを取り上げられたくない
怒られたくない
等、子どもは恐怖感から隠し事をすることがあります。
もちろん約束を守れないことや点数が悪いことは問題ですが、頭ごなしに否定してしまうと子どもの心や自尊心を傷つけてしまうかもしれません。
今度から時間を守るにはどうしたらいいかな?
わからなかった問題を一緒に見直してみよう
等、子どもが問題と真正面から向き合えるように逃げ道を作ってあげることも大切です。
隠し事や内緒にするのは良いこと?悪いこと?
子どもが隠し事をする主な原因は○○をしたい!という欲求が抑えられないことですが、親に見つからないように考えて行動する行為は自立心や自制心といった心の成長の表れでもあります。
これを成長過程と考えると、基本的に親に隠し事をしない子どもはいないのです。
しかし、食べ物を隠したり、お友達の物を隠してしまったり、お金を盗んだりと、行き過ぎた隠し事や内緒、生活するうえでトラブルになることは保護者がきちんと対処していく必要があります。
もし子どもの隠し事を見つけたら、頭ごなしに叱るのではなく成長の過程であることも加味して対応するようにしましょう。
子どもはなぜ食べ物を隠すのか
子どもが食べものを隠す理由として主に考えられる原因は3つあります。
嫌いな食べ物だから
お腹がいっぱいだから
食べることに集中できないから
嫌いな食べ物が出されると、子どもは食べたくないけど残すと叱られるという葛藤に陥り、子どものはなぜ食べなければいけないのか分からないので、保護者の目を盗んでこっそり隠してしまうケースが多いのです。
お腹がいっぱいという状態は、子どもの成長や栄養状態を考えると心配になるところですが、心配だからといって子どもを責めてはいけません。子どもに必要なエネルギーや栄養量には個人差があるので、子どもが必要とする時に必要な量をあげてください。
テレビ、ゲームや遊び等、興味があることに気をとられ食べることに集中できていないのであれば、テレビを消したり、食事にキャラクターを盛り込むなどして気持ちが食事に向くように促してあげましょう。
物をかくした子どもへの対応
物を隠してしまう子は心に何かを抱えている場合が多いので、物を隠すという行動自体を叱るのではなく、その内面にある問題を解決する必要があります。
子どもが起こしたトラブルに対して、大声で怒鳴る、家から閉め出すなど、大人が圧力をかけるやり方は適切とは言えません。
物隠しの対処として一番有効と思うのは、子どもの様子をしっかり観察すること
これは筆者が保育士時代に経験したことですが、
お友達のタオルを隠す子の状況をよく観察していると、その子はお母さんが多忙になり、頻繁に自分のタオルを忘れていることがわかりました。
状況を保護者に伝えたところ、子どもに接する時間を増やし、タオルを忘れないようにチェックしてくれるようになり、その子がお友達のタオルを隠すこともなくなりました。
また、子どもに直接話を聞いてみるのも効果的で、
なんで○○ちゃんのものを隠したの?
物を隠したらどんな気持ちかな?
等と質問したり、適度に相鎚を打つなどカウンセラーのような役割に徹しましょう。
注意する親の対応は子どもにとって重要
子どもの隠し事や内緒に気づいた時、親の対応はその後の子どもにとって大きな影響を与えるため、やってはいけないことは見て見ぬふりをすること・頭ごなしに叱ることの2つ。
見て見ぬふりをすると、子どもは自分のことをちゃんと見てくれないと感じてしまい、自己肯定ができなくなったり、愛情不足を感じてしまうので、声掛けに迷ったとしても知らないふりは避けましょう。
一方、頭ごなしに叱ると、恐怖心だけが先に立って子どもは正直な気持ちを話せなくなり、その場しのぎで謝るようになり、根本的な解決に繋がらないためNGです。
この2つに気をつけて、隠し事や内緒のレベルに合わせて子どもを注意すると良いでしょう。
軽い隠しごとならあまり追い詰めない
例えば、手を洗っていないのに洗ったといった軽い隠し事の場合、裏にある理由は面倒だから・目の前のことを優先したい等といった程度でしょう。
この時、本当は洗ってないんでしょう!・こんなことで隠し事しないの!等と叱っても大きく改善されることはないので、そうなんだ~等と軽く流し、ちゃんと手を洗っているのを見かけた時にちゃんと洗って偉いね!などと声をかけるようにしてみてください。
隠し事の理由を聞く
約束を破ったり、お友達の物を隠した場合、なんで!・どうして!と頭ごなしに叱るのではなく、根本的な解決のためにも冷静にその理由を聞くことを心がけると良いでしょう。
また、人間関係や心の問題が裏に潜んでいることもあるため、放っておくとトラブルにもなりかねないので、隠し事の背景に何があるのかを意識して向き合うことも大切です。
親の気持ちを伝える
ママは隠し事されて悲しかったよ・あなたが隠し事されたらどんな気持ちになる?等、素直に気持ちを伝えることで、相手がどんな気持ちになるのか知ることができるでしょう。
普段から話しやすい雰囲気をつくる
子どもは叱られるのが怖くなればなるほど内緒にしておこう・隠し通せばいいやという気持ちになってしまうため、子どもが隠さず自分に起こった問題を話せるよう、普段から家庭内に話せる雰囲気を作ってあげると良いです。
例えば、誰でも失敗することを理解してもらうために、ママの注意が足りてなくてお皿を割ってしまった等、親の様子を正直に話してみるのも効果的です。
子どもの前で絶対に嘘をつかない
例えば、親が嘘をついていたら自分にはダメって注意するのにと親の注意に疑問を抱いてしまいます。
子どもは一貫性のないことに疑問を持ちやすいので、子どもの前では矛盾のない行動を心がけましょう。
まとめ
子どもの隠し事を見つけるのは親としてショックが大きいですよね。
しかし、見て見ぬふりや頭ごなしに叱るのは避け、まずは隠し事や内緒を成長の過程と捉え、しっかり受け止めてあげることが大切です。
隠し事の裏にある問題に目を向け、子どもの悩みの根本を一緒に解決していく姿勢を目指して対処していきましょう。