2人以上の子どもがいる家庭では毎日と言っていいほどきょうだい喧嘩が起こっているのではないでしょうか?
喧嘩するほど仲がいいという言葉があるように、喧嘩するということはきょうだいでしっかりと関わり合いがあるという証拠です。しかし目の前で毎日毎日喧嘩が起こっていると、ママもイライラして怒ってしまうこともあるかもしれませんね。
今回はきょうだい喧嘩に上手に対応する方法をご紹介します。
きょうだい喧嘩によくある原因
きょうだいの関係はお互いの距離が近く、他人のように遠慮することがないのでどうしても喧嘩が起こりやすい間柄です。お友達には我慢したり優しくできるのに、きょうだいにはすぐ怒ってしまうという子どもは多いですよね。
また同じ家に住み一緒に過ごす時間が長いことも、喧嘩が起こる頻度が高くなる要因の一つです。きょうだい間で喧嘩の原因となりやすい事例をご紹介します!
物の取り合い
一つしかないものを取り合って喧嘩になることはよくあることです。
年齢が小さければ順番を守るということがわからず、きょうだいが使っている物を勝手に取って相手が怒ってしまうことはよくあります。少し年齢が上がっても、どちらの方が長い時間使っている、貸してと言ったのに貸してくれない!などの喧嘩が起こりやすいです。
また、物だけではなくパパやママを取り合っての喧嘩もよくあることです。ママと遊べるのはぼくだけ!ぼくが先にママと話す!など独占欲から喧嘩になることもあります。
いたずらやからかい
仲良く遊んでいてもふとしたことから喧嘩に発展することもあります。
子どものいたずらやからかいは嫌がらせでしていることはほとんどなく、かまって欲しい時やテンションが上がっている時にしてしまうことが多いです。相手も同じテンションの時は楽しく笑って過ごせますが、そうでない時は泣いてしまったり怒ってしまい喧嘩になりやすいです。
相手が怪我をする可能性のあるいたずらやコンプレックスに思っていることのからかいなどはしていいことではないので、親の判断で止めさせましょう。
きょうだいの物を無断に利⽤
自分が使っていたおもちゃを目を離した隙にきょうだいに取られていた、自分の物なのに勝手に使われていた、などきょうだいの物を無断で使用した時も喧嘩は起こりやすいです。子どもの多くは独占したいという欲を持っているので、怒ってしまうのはおかしなことではありません。
他にも、お菓子を勝手に食べられたことやママを独り占めしたいという気持ちから喧嘩に発展することもあります。
先輩ママの経験談
どちらか一人にだけお菓子などを食べさせるともう一人が怒って喧嘩になるので、必ずどちらにもあげるようにしています。しかし最近は、ぼくが先に選びたかった・先に食べたかったなど大人にとってはどうでもいいようなことで喧嘩になるので、うんざりしてしまいます。
騒⾳や態度、⾔葉遣い
きょうだい間は関係性が近いので、このくらい大丈夫だろうという気持ちから遠慮のない言葉遣いやよくない態度をとってしまうこともあります。ですがそれを言われたりされた相手は嫌な気持ちになり怒ってしまうのは当然です。
他人同士ならばすぐに謝って仲直りすることが多いですが、きょうだいはライバルのような存在でもあるので謝ることができずに喧嘩に発展してしまいます。
また、遊んでいる時の音がうるさい、だらしない、まじめ過ぎるなどの相手との性格の違いなどが許せず喧嘩に発展することもあります。
先輩ママの経験談
上の子と下の子の性格が違うので、そのことでよく喧嘩をしています。上の子はしっかりしているので物を片付けたりすることを当然だと思っていますが、下の子はずぼらなところがあり片づけやゴミ捨てを後回しにします。上の子は気になるようですぐに下の子を怒り、下の子はしようと思っていたのに!と反発し喧嘩になります。
年齢別にみるきょうだい喧嘩への対応
きょうだい喧嘩の悩みで一番多いのが喧嘩への対応ではないでしょうか?
放っといていいの?
止めた方がいい?
小さい子をいじめてるから上の子を怒る?
など疑問に感じることはたくさんあります。
年齢の小さい子どもは感情に手足の動きが伴うので、すぐに手が出てしまったり泣きわめくことも多く対応に困っているママもいるかもしれません。ここでは年齢別のきょうだい喧嘩への対応をみていきましょう。
2〜3歳の⼦どものきょうだい喧嘩への対応
2~3歳はイヤイヤ期の子どもも多く、感情のコントロールが難しい時期です。言うことを聞いてくれず、つい叱ってしまうというママもいるかもしれませんね。
この年齢の子どもは衝動を抑えることができないので、怒りの感情が湧くと相手を物で叩いたり噛みついてしまうこともあります。手加減ができず全力でしてしまうことが多いので、きょうだいが大怪我をする可能性もあります。手が出そうになったらすぐに引き離すことがポイントです。
何か嫌なことがあって喧嘩になっているはずなので「嫌だったんだね」と気持ちを認めてあげた上で、叩いたり噛みつくことはだめだよと伝えましょう。
ママを取られた気がしてきょうだいへ敵意を感じてしまうこともよくあります。そのような時はしっかりとスキンシップをとって愛情表現してあげましょう。
4〜6歳の⼦どものきょうだい喧嘩への対応
4~6歳頃になると言葉の意味を理解したり、言葉で自分の気持ちを伝えることができるようになります。手を出すことはダメな事と理解できる年齢なので、口での喧嘩や手を出してしまったとしても手加減ができることが多いです。
できれば親が口を出さずきょうだいで解決させたいですが、まだ解決策や打開策を見つけるには十分な年齢ではないので場合によっては親が介入することも必要です。この時注意が必要な事は、片方だけをかばわないということです。物を取ったり手を出したりすることはいけないことですが、理由があってしていることがほとんどなので話を聞かず「謝りなさい!」と強制的に謝らせても気持ちが伴わず言葉だけになってしまいます。親から無理やり謝罪させれられることで、納得がいかず謝った方も傷ついてしまうこともあります。
また弟妹と喧嘩をしていると上の子に「小さい子をいじめない!」と怒ってしまいがちですが、小さい子を大切にするには自分自身が愛されていると感じることが先なので普段から上の子への愛情表現をしっかりとすることを忘れないようにしましょう。
小学⽣の⼦どものきょうだい喧嘩への対応
小学生になると自分の思いをしっかりと持ち、理由があって喧嘩をしていることがほとんどです。しかし体が大きくなった分、手が出てしまうと怪我をするような取っ組み合いをしてしまったり大声で喧嘩をすることもあります。あまりにヒートアップしてしまった時は、強制的に止めてきょうだいを別々の場所に移動させそれぞれの話を聞くことがポイントです。一緒にいるところで話を聞くと「ちがう!」「そんなことはしていない!」と喧嘩が終わらないことがあるからです。
小学生になるとルールを理解できるので、喧嘩のルールを決めてもよいでしょう。首から上は手を出さない、本当に止めてと言ったら止める、など子ども同士で決めさせても効果的です。
きょうだい喧嘩への上手な対応
きょうだい喧嘩が始まるとうんざりしてしまう、というママも多いですよね。すぐに止めるべきか、いつ大人が口を出すべきかと対応に悩んでしまいます。
基本的には様子を見て子ども同士で解決させることがおすすめですが、どちらかが泣き出したり手を出してしまったら止めに入るようにしましょう。特に年齢の小さい子どもの喧嘩は手加減ができず大怪我をしてしまう可能性もあるので、手が出る前に止めることも大切です。
しばらくは⾒守り、好きにさせる
喧嘩になると面倒だからすぐに止める、というママもいるかもしれませんが、喧嘩すること自体は自分の意志を伝えたり相手にも思いがあることがわかるなどの学びになる面もあります。きょうだい喧嘩がはじまってもしばらくは見守って子どもの好きなように喧嘩させることも大切です。
年齢が大きくなると喧嘩しても子ども同士で解決策を見つけたり、すぐに仲直りしなくてもしばらくするとどちらかが謝って解決することもあります。必要以上に介入しなくて良いでしょう。反対に年齢の小さい子どもは手が出る前に止めることがポイントです。
先輩ママの経験談
上の子は手が出てしまっても手加減していますが、下の子は手加減ができず噛みついたりおもちゃで上の子の頭を叩いたりするので目が離せません。だんだんと下の子が手を出すタイミングがわかってきたので、手が出るなと思ったら抱えて引き離すようにしています。
本⼈同⼠で解決させる
きょうだい喧嘩を始めるとすぐに止めたり、いつでも親が間に入って喧嘩のルールや仲直りのタイミングを決めていると子ども自身が考えて喧嘩を止めたり本心から謝る機会を逃してしまうことにもつながります。
子ども同士が納得のいく解決策を見出したり、時には我慢して相手に譲るという経験をさせることも大切なことです。そのような事を繰り返していると、喧嘩になる前に本人同士で話し合いで解決できることも増えてきます。また子ども同士で決めたルールや本心からの謝罪があるときょうだい間の信頼関係も深くなります。
きょうだい喧嘩の原因を平等に聞く
喧嘩をすると手を出してしまった方を一方的に怒ったり、上の子に「小さい子をいじめないの!」と叱ってしまうことはよくあります。しかし手を出してしまった方やお兄ちゃんお姉ちゃんもそうしてしまった理由があるはずなので、まずは話を聞いて気持ちを認めてあげましょう。もしかしたら体のコンプレックスをからかわれた、ずっと大切にしていたものを壊されたなどどうしても許せなかった理由があるかもしれません。
できれば別々の部屋でどちらかの味方をすることなく話を聞きましょう。
きょうだい喧嘩がひどくなってきた場合の対応
きょうだい喧嘩は本人たちで解決させることができれば一番ですが、手が出たり怪我をしそうな時などは大人が止めに入ることが必要です。
喧嘩がひどくなってきた時の親の対応の仕方をご紹介します!
叩くなど手が出たら止める
ルールを決めていても子どもは感情的になって手が出てしまうことがあります。叩いたり髪の毛を引っ張るなどの行為が見られたら、どちらかが怪我をする前に喧嘩を止めましょう。手を出していても止めることなく放置していると、叩いたり蹴ったりすることはいけないことだと思わなくなる可能性もあります。
ここで注意が必要なのは、どんな理由で手を出してしまったのか何が嫌だったのか話をしっかりと聞いてあげることが大切です。気持ちを認めてあげた上で、手を出すことはいけないことだと伝えましょう。
きょうだいを平等に扱うことを意識
下の子が泣いているとつい上の子に「どうして泣かせるの!」と叱ってしまいがちです。しかし話を聞いてみると実は下の子が上の子のおもちゃを壊した、その前におもちゃで上の子を叩いた、などの理由があることがほとんどです。話を聞かずに上の子や泣いていない方を叱ることは止めましょう。
また「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」や「お兄ちゃん(お姉ちゃん)はできたのに」などの、上の子だからという言い方やきょうだいを比べるような言い方はよくありません。相手のせいで認めてもらえないという思いが生まれ、きょうだい間での溝になってしまうこともあります。
無理に謝らせようとしない
喧嘩を止めさせた時、すぐに「謝りなさい!」と叱って無理やり謝らせることは良い効果があるとは言えません。強要することで表面上は謝ることになりますが、本心では納得していないままなので次もまた同じことで喧嘩が起こることになってしまいます。
一度2人を別々の部屋へうつし、気持ちを落ち着かせて話を聞いてあげましょう。話をする中で「ぼくも悪いところがあったかも」など反省し、素直に相手に謝ることができる時もあります。そうするとより信頼関係が生まれきょうだい間の関係がよくなります。
共感してあげる
喧嘩の後は話を聞いて共感してあげることが大切です。大人は喧嘩の理由を聞いてつい「あなたがそういうことするからいけないんでしょう!」とジャッジしてしまいます。親の意見を子どもに納得させるのではなく、まずは子どもの話をしっかりと聞いて気持ちを受け止めてあげましょう。本当はきょうだいに敵意を感じて喧嘩したわけではなく、学校で嫌な思いをしてイライラからきょうだいに八つ当たりしてしまったなどの理由があるかもしれません。
話を聞いて気持ちを認めた上で「でも手を出すことはだめだよね」など、こうしてほしいという親の思いを話すといいでしょう。
きょうだい別々の部屋で話を聞く
喧嘩がひどくなり暴言を吐いたり手が出てしまうような時は、きょうだいを別々の部屋に移動させると落ち着くことがあります。怒りの感情は本来長く続くものではないと言われているので、物理的に距離をとることで気持ちが落ち着き冷静になることができます。
またきょうだいの話を聞く際も、別々の部屋でそれぞれから聞く方が良いでしょう。どちらもいる場所で話を聞こうとすると「言っていることがちがう!」「そっちが先にやった!」など言い出し、喧嘩が終わりません。それぞれと話しながら「どうすれば解決できるかな?」と自分の気持ちを整理させておくと、対面させた時に冷静に話ができスムーズに仲直りできることもあります。
きょうだい喧嘩を減らす方法
きょうだい喧嘩は悪い事ばかりではないと言われても、毎日大声で喧嘩する姿を見ることはママにとってはストレスですよね。喧嘩する姿を見たくないからという理由で「あっちでして!」と言い見えないところで喧嘩をさせても、さらに状況が悪化してしまうこともあります。
できることならきょうだいがそれぞれを尊重し仲良く過ごすことが一番です。相手のことを思いやる気持ちを育てるポイントをご紹介します。
物を譲った⽅を褒めてあげる
物を取り合って喧嘩をした時に叱るだけではなく、どちらかが譲る行為をした時にはしっかりと褒めるようにしましょう。褒められることで、ママに褒められた喜びを感じ喧嘩にならない心地よさもわかるはずです。
またきょうだいそれぞれのいいところを褒めることは、相手への信頼が生まれます。例えば2人でボール遊びをしていて上の子が下の子に投げ方を教えてあげた時、「〇〇(弟妹)は上手に説明を聞いてたね!」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)は教えるのが上手だね!」と、どちらも平等に褒めてあげることが大切です。
ルールを決めておく
叩いたり蹴ったりする行為は、いくら軽い力だとしてもやってもいいこととは言えません。できるだけ、暴力行為は一切しないとルールを決めておくことをおすすめします。どこまでの暴力が良くてどこからの暴力はだめ、という判断は子どもには難しく大怪我をしてしまう可能性もあるからです。
他にも、喧嘩をしても言ってはいけない言葉などをルールとして決めておくといいでしょう。喧嘩中だからといってコンプレックスに感じていることを言われると深い傷になったり信頼関係が壊れる原因にもなります。
きょうだいを⽐較しない
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)みたいにやらないと!」「弟(妹)はできているのに、どうしてできないの?」などの言葉を日常的に使ってしまっているママも多いかもしれません。
しかしきょうだいを比較する言動はその時は効果があっても、お互いをライバル視して敵意を感じるようになってしまうこともあります。何かに取り組むときに向上心からの努力ではなく、きょうだいへの劣等感や優越感からの努力が当たり前になってしまうことは悲しいですよね。
きょうだいを比べず1人の人間として、成長具合や性格を認めてあげましょう。
仲が良い時を⾒計らって褒める
喧嘩をした時は叱っても仲良くしているから褒めるということはあまりないのではないでしょうか。きょうだいが仲良く遊んでいる、どちらかがどちらかを思いやったり譲る行為をした時はしっかりと褒めてあげましょう。大げさに褒める必要はなく、「仲良く遊んでくれてママ嬉しいな」と伝えるだけで十分伝わります。
他にも、仲がいい時に上の子には「〇〇(下の子)のどんなところがかわいい?」、下の子には「お兄ちゃん(お姉ちゃん)のどんなところが好き?」などのお互いの話を聞いみると良いでしょう。それをそれぞれに伝えてあげると、とても嬉しい気持ちになり相手への信頼関係が増します。
まとめ
きょうだいがいる家庭では1日1回以上の喧嘩が起こっているかもしれませんね。ママにとってはストレスに感じてしまうと思いますが、基本的には危険がないようなら見守っていて大丈夫です。
喧嘩させないように!喧嘩になったらすぐに止めよう!と考えているとママも疲れてしまいます。ママのストレスが溜まって子どもに怒ってしまうことで子どもたちの関係が悪くなってしまうこともあるので、喧嘩は成長のために必要な事なんだと楽観的に捉えても良いでしょう。
きょうだいという近い存在での喧嘩なので、喧嘩をしても自然と仲直りするという経験や正直な思いをぶつけても大丈夫という経験から強い信頼関係も生まれます。喧嘩をすることで学ぶこともあるので、ママはまた始まったなくらいの気持ちで割り切ってしまうこともおすすめです。