日本は世界の中でも夜更かしの国だということをご存知でしたか?
街には24時間営業のコンビニやネットカフェがたくさんあり、深夜でも社会が動き続ける24時間社会と言われています。スマホをひらけば時間を問わず動画やSNSを見ることができ、つい寝る時間が遅くなって「必要な睡眠時間が取れていない」と悩む人もいるかもしれませんね。
睡眠不足は大人だけでなく、子どもにとっても大きな問題の一つです。今回は子どもの睡眠不足による影響と原因についてまとめました!
目次
なぜ⼦どもの睡眠が大切か︖
睡眠は子どもの心と体の成長に大きく関わります。年齢によりますが、小学生以下の子どもは9~13時間の睡眠が推奨されているので21時に寝ると6時以降に起きる計算です。
寝ている時間は昼間活性化している交感神経を休めて記憶を定着させたり、脳をクリアにし体を成長させる大切な時間です。睡眠が不足することによる悪影響は大人より子どもの方が大きく、早い段階での肥満や生活習慣病、精神疾患の発症、不登校のリスク等があります。
寝る時間が遅くなると起きる時間も遅くなり、学校生活や社会生活と時間を合わせることができす学力低下や孤立などの心配も出てきます。
中には眠いのに眠れないという睡眠障害の場合もあるので、早起きやスマホ時間の制限などを試しても改善しない場合は病院で相談してみても良いでしょう。
⼦どもの睡眠不⾜が及ぼす影響は︖
睡眠が足りていないと食欲が無くなり身体の成長が遅れたり、栄養が摂れないことにより病気のリスクも高くなります。他にも少し動いただけで体が疲れたり昼間に強い眠気が出て授業に集中できず、学校生活を送ることができなくなるというリスクもあります。
睡眠不足による症状はADHDと特徴が似ているため、専門家による判断が大切です。
集中⼒や意欲の低下
寝ている時間は体や脳を休ませるためだけの時間ではなく、昼間経験したことを知識として蓄積し記憶を整理したり固定したりする時間でもあります。
睡眠が足りないと昼間学習したことが定着せず記憶できなかったり、昼間の強い眠気や授業中の思考力の低下も考えられます。また勉強中だけではなく日常生活でも集中力が続かないので、ケガが増えたり友人関係が上手く築けないなどのリスクもあります。
先輩ママの経験談
我が子の場合、必要な睡眠時間がとれていないと「学校休みたい」と言うことが多いです。朝起こして部屋から出てきてもリビングのソファで二度寝してしまい、なかなか起きてくれません。体の疲れもとれていないようでそれも休みたくなる原因の一つのようです。
しっかり寝ることで学校へ行けるなら、と意識して生活リズムを整えるようにしています。
成⻑ホルモンの分泌
人は生まれた時から思春期まで心も体もぐんぐんと成長します。心身の発育のために必要なホルモン分泌には、十分な長さの睡眠時間と質の良い眠りが必要です。ですので睡眠が不足していると子どもの成長のために欠かせないホルモン分泌が不十分になり、成長が遅れてしまう可能性があります。
身長が伸びない、体重が増えないという問題の他に、食欲に関するホルモンへの影響もあるので肥満になりやすいという心配があります。
朝は起きにくく夜は眠りにくくなる
当然のことですが夜遅く寝ると朝理想の時間に起きることは辛いですよね。朝頑張って起きることができても昼間眠さに耐えきれず長い時間昼寝をしてしまい、また夜は夜更かしをするというループに入ってしまいます。
睡眠不足を週末の休日に解決しようとして土日に遅くまで寝てしまうと、夜はまた眠ることができず月曜日は学校へ行くことが辛くなってしまいます。平日に比べ休みの日に3時間以上長く寝てしまう場合は平日の睡眠時間が不足している可能性があります。
睡眠不足により体の疲れが取れていないので日中はぼーっとして過ごし、免疫力が低下するので風邪をひきやすかったり感染症にかかるリスクも高まります。早寝をしてしっかりと睡眠時間を確保しましょう。
⼦どもの睡眠不⾜と睡眠障害の影響
睡眠時間は心や体のメンテナンスをするために重要な時間です。睡眠不足は情緒面にも悪影響を与えるので、自分の感情をコントロールできずすぐに怒ったり攻撃的な言動をすることもあります。
他にも授業中のような静かにするべき時間でも落ち着きが無く異常な行動をする可能性もあり、落ち着きがないことや集中力が低下することにより勉強についていけず学習面に悪影響を及ぼしたり、お友達といい関係を築くことができず孤立してしまう心配もあります。思春期の子どもの睡眠不足のリスクは、自分の知識や経験などから問題を解決する能力が低くなるということがわかっています。
また寝ている時間はケガなどで傷ついた細胞を修復する時間でもあります。睡眠時間が不足するとそのようなメンテナンスができず、ケガの治りが遅くなったり更なる病気のリスクも高まります。
⼦どもが寝不⾜になる原因
子どもの睡眠不足にはいくつがの原因があり、「早く寝なさい!」と叱るだけで解決する問題ではありません。子どものわがままが原因で寝ないというわけではないので、親子で環境を見直し睡眠不足にならないよう試してみましょう。
⽣活リズムが不規則
以前に比べ働くママが増えたことは子どもの寝不足の原因の一つと言われています。親の働く時間が長く夜遅く帰宅する子どもはその後夜ごはんやお風呂の時間なので、自然と寝る時間も遅くなってしまいます。さらに翌朝は親の出勤時間に合わせて早く起きないといけないので、知らない間に慢性的な寝不足になっていることもあります。
親の仕事に関係なく夜遅くに食事に出かけたり買い物に行く家庭では、必然的に子どもも夜型の生活になってしまいます。買い物などの外出は昼間のうちに済ませ、夜はなるべく家でゆっくり過ごし入眠しやすい状態にできるといいですね。
寝室の環境
睡眠の導入に必要なホルモンにメラトニンというホルモンがあります。
メラトニンは暗い場所で大量に分泌されるので、寝る場所がリビングのように明るい場所ではスムーズに睡眠に入ることができません。寝る場所はできるだけ暗くできる部屋にしましょう。朝はカーテンを開け朝日を浴びることで体内時計が整います。早起きをすると夜も早く眠くなるので生活リズムを整えることができるでしょう。
またメラトニンは昼間太陽光を浴びると夜にたくさん分泌されるので、休日は部屋でゲームばかりしているという子は外で遊んだり散歩に行くことでメラトニンが分泌され睡眠の導入がスムーズになるでしょう。
こころの状態が不安定
子どもは2歳を過ぎたころから日常生活で起こった嫌な出来事に対して不安を感じたり悩むことがあります。嫌だった出来事を寝る前に頭の中で考えていると不安で眠れなくなるという経験は大人でもありますよね。
子どもも不安や心配事から入眠しづらくなることがあるので、家ではリラックスして過ごす、親がしっかりと話を聞いてあげて安心させるなどの工夫をしましょう。
先輩ママの経験談
夜に怒ってしまうとモヤモヤした気持ちのままベッドに入ることになり、子どももなかなか寝付けないようです。
夜に怒ることがあった後は意識して「さっきはこういう理由で怒ったんだよ、でも〇〇ちゃんのことは大好きだから心配しないでね」と冷静に伝えるようにしています。そうすると子どもも笑顔が戻り安心して眠りにつけるようです。
寝る前の刺激が多い
スマホやタブレットなどの普及も子どもの夜更かしの原因の一つです。寝る直前までブルーライトを浴びていると睡眠導入のためのメラトニンの分泌が減り、夜に眠くなるというリズムが崩れてしまいます。
寝る2~3時間前から睡眠のための準備を進めると、入眠がスムーズで眠りが深く質のよい睡眠がとれることがわかっています。徐々に部屋の照明を暗くすることや寝る2時間前には入浴を済ませておく、寝る前にはスマホやタブレットは見ないなどの工夫が効果的です。
疲れがたまっている
疲れが溜まるとよく眠れて睡眠不足にならないのでは?と思う方もいるかもしれません。
運動などによる適度な疲れは睡眠のために効果的ですが、毎日遅くまで塾や習い事に行っていたりそれによる友人関係で悩んで疲れてしまっている場合は睡眠のための良い疲れとは言えません。
夜遅くまで家族以外の人と接することによりリラックスできず興奮状態が続き眠りに入りづらかったり、眠りについても質の悪い睡眠になり寝不足になってしまいます。
運動不足が続いている
昼に体を動かし活動的に一日を過ごすことで、夜には体に適度な疲労感があり良い睡眠をとることができます。反対に室内でゲームや動画を見て過ごすだけだと体が全く疲れず、夜眠くなりません。
公園で遊ぶ、買い物へ歩いて行く、家族で散歩をするなど簡単な運動から始めましょう。
先輩ママの経験談
土日はほぼ家で過ごすので運動量が少なく、散歩やサイクリングに誘ったりしましたがなかなか上手くいきませんでした。子どもに「何だったらしたい?」と聞くと、得意な縄跳びならやりたいとのことで、それからは縄跳びをして運動するようになりました。
子どもの好きな運動、嫌いな運動があるのでやりたい運動をさせるといいと思います!
発達障害
自閉症スペクトラム障害や注意欠如、多動症などの発達障害がある子どもは不眠を併発することがあります。発達障害の子どもの50%以上が睡眠による問題を抱えていると言われていて、布団に入ってもなかなか寝付けないという症状や寝室へ行くこと自体を嫌がるという症状もあります。
睡眠が不足していることからの不登校になる場合もあり、ママが一人で悩んでも解決しないこともあるので小児科や心療内科で相談してみましょう。
年齢別⼦どもの理想的な睡眠時間
子どもの理想的な睡眠時間は年齢により異なります。
家族の生活スタイルにより夜の睡眠時間が足りない場合は昼寝などで補うようにしましょう。しかし昼寝を長くし過ぎたり遅い時間に昼寝をすると、夜眠れなくなりリズムが崩れてしまうので注意が必要です。
新⽣児期
睡眠時間16〜20時間
⽣後3ヵ⽉
睡眠時間14〜15時間
⽣後6ヵ⽉
睡眠時間13〜14時間
1〜3歳
睡眠時間11〜12時間
4〜5歳
睡眠時間1⽇11〜13時間
6〜13歳
睡眠時間1⽇9〜13時間
⼦どもの睡眠不⾜を改善する⽅法
睡眠時間をきちんと確保することで成長を促したり、体調の回復、情緒の安定などにつながります。子どもの睡眠のリズムを整えるために、朝は同じ時間に起きる、カーテンを開けて太陽光を浴びる、朝ごはんを食べるなどの朝の習慣は大切です。朝ごはんは一日の勉強や運動のためだけではなく体温を上げて体が目覚める効果もあるので必ず食べるようにしましょう。
日中は外で体を動かしたり保育園や学校での活動にしっかりと取り組むことで身体が疲れるので、自然と夜には眠くなるというリズムができます。週末に寝だめをすることは推奨されておらず、長く寝たい場合は朝遅まで寝るのではなく夜早めに布団に入るようにしましょう。またスマホやタブレットはブルーライトを発したりを脳を刺激し興奮状態が続くので、寝る前には使用させないことも大切です。
子どもだけでは難しい場合が多いので、大人が声をかけてあげたり子どもと同じリズムで生活をするなどの工夫をしましょう。
まとめ
子どもの睡眠不足は子どもだけの原因ではなく、家族の生活習慣や寝室の環境にもよることがわかりました。大人にとっても睡眠不足は好ましくないことなので、家族全員で取り組み睡眠不足を解消したいですね。
子どもは日々成長しますが、摂っている食事だけで成長するわけではなく寝ている時間も成長に大きく関わります。骨を大きくしたり筋肉を増やす成長ホルモンは寝入ってから1~2時間で多く分泌されますが、成長ホルモンは夜暗い環境で分泌が増えるので寝室の環境もしっかりと整えてあげたいですね。寝室を暗く静かにすることで質の良い睡眠をとることができ日中の心身の安定、集中力や意欲にも良い影響を与えます。
これから夢を持って成長する子どもたちがいきいきと毎日を生活することができるように、親としてしっかりと良い睡眠をサポートしていきたいですね!