大人が毎月のお給料を楽しみにしているように、お小遣いは子どもにとって大きな楽しみの一つです。
普段は買ってもらえない少し高価なお菓子を買ったりゲームセンターでゲームをしたりと、子どもたちはワクワクしながら使っているのではないでしょうか!
お小遣い制はお金の管理が上手になったり子どもが好きに使えるお金があるというメリットの反面、親としては我が子が無駄遣いをしないか不安になったりいくら渡すべきか悩むこともあります。
今回は子どものお小遣いの相場や渡し方、お小遣い制で注意すべきことをまとめました。
目次
小学生のお小遣い相場
低学年と高学年で金額の差はありますが、小学生の約8割がお小遣いをもらっているという調査結果があります。小学生のお小遣いの相場は500円~1000円ですが、「学年×100円」と決めている家庭や「テストの点数によって」という家庭など様々です。
渡し始める年齢は、小学校にあがったタイミングでという家庭が多いようです。
低学年
低学年は自分でお金の管理をすることが難しい年齢なので、「月にいくら」というお小遣いの渡し方ではなく「時々親や祖父母からもらう」という子がほとんどです。
使い道は、親と買い物に行ったときにゲームセンターでゲームをしたりスーパーでおやつやジュースを買う等で、使う時にその都度親が渡すという渡し方が多いです。無くしてしまったりどこに置いたか忘れてしまう可能性もあるので、親も子どももその都度渡してもらう方が安心ですね。月に1回もらうという子どもの平均額は約500円です。
中学年
中学年になると「月に1回もらう」という子どもと「時々もらう」という子どもがだいたい同じ割合になります。月に1回もらう子どもの平均額は約500円で、400円~600円もらっている子どもが多いようです。
使い道は低学年と同じようにお菓子やジュース、ゲームなどですが、高額なゲームソフトなども欲しくなる年齢なので、「お小遣いを少しずつ貯めて買う」「高額だから我慢しなければいけない」などお金の使い道について学び始める時期です。
⾼学年
高学年になると中学年までのお金の使い方と違い、お菓子などの他に本や雑誌、CDなどにもお金を使い始める時期です。
月刊誌やスマホのアプリのように月に1度の支払いがあるものに使ったり、お金の管理も少しずつできるようになる年齢なので「月に1回いくら」という定額制の家庭が増えます。また友達同士で出かける機会が出てくるので、外での飲食代に使う子どももいます。月の平均額は約1000円ですが、500円~700円という家庭が一番多いです。
先輩ママの経験談
高学年になり好きな歌手グループのグッズにお小遣いを使うようになりました。グッズは小学生にとっては高額な1000円以上するものが多いので、普段はお小遣いをあまり使わず貯めておいて時々3000円程の買い物をしています。
中学生のお小遣い相場
中学生のお小遣いの平均額は約3000円です。小学校高学年の平均額と比較するとグッと上がっていることがわかりますね。平均額は3000円ですが、「学年×1000円」と決めている場合や部活でほとんど使う事がないから少なめに設定している、という家庭もあります。
使い道は漫画、雑誌、CDなどの割合が小学生の子どもより増え、文房具なども親と買い物に行って購入するより友達同士で出かけた時にお小遣いで購入することが増えます。小学生の頃とは違う友達付き合いや遊び方に変わっていくので、友人と外食をしたりプレゼントを渡し合うようになりその分お小遣いが必要になる場合もあります。
高校生のお小遣い相場
高校生のお小遣いの平均額は約6000円で、5000円渡しているという家庭が一番多いです。高校生になると行動範囲が広がるので、友達との外食費だけではなく遊びに行くための交通費にかかることもあります。また友人への誕生日プレゼントなども中学生に比べると高額になったり、メイク道具や整髪料などに使うこともあります。
アルバイトをしている子どもとしていない子どもでもお小遣いの金額に差があり、アルバイトをしている子どもは親からのお小遣いは0円という場合もあります。
先輩ママの経験談
友達と出かけて帰宅した娘が、「友達は自分が持って行った金額より多く持ってきていた」と不満を言うことがあります。気持ちはわかりますが、社会人の給料が一人ひとり違うように各家庭で家計の状況も違うので「お母さんはあなたが持って行った金額が妥当だと思う。もっと持っていきたかったら貯金しておきなさい。」と話すようにしています。
お小遣い制のメリット・デメリット
お小遣いは報酬制・定額制・都度制・一括制などのいくつかの渡し方があります。それぞれメリットとデメリットがあるのでご紹介します!
「この渡し方が一番いい」というものは無いので、子どもの性格や「こういうことを身に着けてほしい」という親の望みによって渡し方を考えましょう。時には定額制と報酬制をミックスしたり、今の渡し方が合わないと判断すれば変更したりと様々な形で試してみてよいでしょう。
報酬制
お風呂洗いをしたら〇円、米を炊いたら〇円など設定して、それらのお手伝いをしたらその分のお小遣いを渡すという渡し方を報酬制と言います。お手伝いの他にもテストで90点以上だったら〇円、100点だったら〇円など成績に応じて渡すこともあります。
普段は定額制のお小遣いだけど欲しいものがある時は報酬制でのお小遣いも渡す、という組み合わせた渡し方もあります。
報酬制のメリット
”お金は、働いたり努力して成果を得てもらえるもの”という考えが身に付き、頑張って得たお金だからこそ無駄遣いせず大切に使うようになります。社会に出て会社から与えられる目標を達成することや収入を増やすためにどうしたらいいかと考える力が身に着くことも報酬制のメリットと言えるでしょう。子どもが積極的に家事を手伝ったり勉強を頑張るようになるので、親にとって助かる面もあります。
報酬制のデメリット
「手伝いをしたらお小遣いをもらえる」という考え方なので、お小遣いがもらえない手伝いは意欲が湧かず頼んでも嫌がる可能性があります。”手伝いや成績のための勉強は当たり前にしてほしい”と思う家庭は報酬制は向いていません。
また、欲しいものがない子どもはお金が必要なく「お小遣いはいらないから手伝いもしない」とやる気を持てないこともあります。
定額制
会社員の毎月の給与のような感覚で「月に1回〇円」と決めて渡す渡し方を定額制と言います。定額制は小学校高学年から高校生の子どもがいる家庭で一番多い渡し方です。小学校低学年や中学年は月に1回のお小遣いを管理することが難しいので、週に1回〇円と設定している家庭もあります。
定額制のメリット
もらった金額でひと月過ごさないといけないので、お金のやりくりをする能力が身につくことが一番のメリットです。
月の始めに使いすぎると後から使うお金が無くなる、お小遣いより高いものが欲しい時は毎月のお小遣いから貯金をしないといけない、などの基本的な力を養うことができます。「月に〇円」と決まっているので、親も家計の管理がしやすく渡しすぎる心配もありません。
定額制のデメリット
毎月親から必ずお金をもらえるので「お金をもらえることは当たり前のこと」という意識が生まれてしまう可能性があり、お金は働いて得るもの、努力して得るものという意識は薄れてしまう可能性があります。お金を得るには労働や努力が必要ということを学んで欲しい場合は、「手伝いをしたら定額制のお小遣いにプラスして、ボーナスとして上乗せして渡す」などの工夫をしましょう。
都度制
欲しいものがある時や友達と遊ぶためにお金が必要な時にその都度渡す渡し方を都度制と呼びます。小学校低学年は都度制が多いですが、年齢が上がるにつれて都度制は減っています。低学年の都度制は親が必要だと思った時に渡すことがほとんどですが、高学年以降の都度制の家庭は「何に必要か、どうして必要か」を親に話して納得してもらい小遣いをもらう形が多いです。
都度制のメリット
「なぜ欲しいのか」を親に話さなければいけないので交渉力や提案力が身につきます。また、中高生になると会話が減ったり何にお金を使っているかわからなくなることが多いですが、都度制にしておくことで子どもと話す機会が増え我が子が何に興味があるのかを把握することができます。
また、使い道がある時しかお金をもらうことができないので無駄なものに使うことがありません。
都度制のデメリット
必要な時に必要な分だけお金をもらう制度なので、やりくりやお金を管理する力、貯金する力が身に付きづらくなります。
また、親がお金を渡す基準が緩いと子どもは「いつでも何でも買うことができる」と勘違いをしたり、親の判断基準と子どもの判断基準に相違があるとお互いに不満を抱くこともあります。
一括制
一括制はお小遣いを1年分まとめて渡したり、お年玉を全額または一部渡してそれをお小遣いとして1年間過ごしてもらうやり方です。1年は長いので半年分を渡すという家庭や、誕生日やクリスマスプレゼントとして祖父母からもらうお金を全額渡し次にもらうまでやりくりして使わせる家庭もあります。
一括制のメリット
一括制は長い期間一定のお金でやりくりをする必要があるので、定額制よりさらにお金の管理能力が身につきます。
「年初に60000円もらったから月5000円で生活しないといけない」と判断したり、「年の残りが5か月ある時に残金が20000円だからひと月4000円を目安に使える」など長い期間でのやりくり能力が必要です。また、一括で大きなお金を手に入れることができるので高額なものでも購入しやすく、その後は残ったお金で過ごすというやりくりの仕方を学ぶこともできます。
一括制のデメリット
高額のお金を手にするとすぐに使ってしまって、残りの期間使うお金が全く残っていないということもあります。そうなると残りの期間は友達と遊ぶことができなくなったりプラスでお小遣いを渡さなくてはならない等のデメリットがあります。
始めから上手にやりくりができる子どもは少ないので、一括制を導入する場合はやりくりの仕方やお金の使い方を親がしっかりと教える必要があります。もらったお金を1年間で使うというやりくりは大人でも難しいので、親にもその管理能力が求められます。
先輩ママの経験談
一括で高額を渡しているので使い方は自由なのですが、子どもが高いものを買おうとしているとつい「そんな一気に使うの?」と口を出したくなってしまいます。一気に数千円使った後は次のお小遣いまでは節制しているので、これがこの子の使い方なのだと思うようにしています。
お小遣い制で注意すべきこと
お小遣いを渡すときは、お金の使い方や管理の仕方をしっかりと話してから渡しましょう。
無駄遣いばかりしてしまうことも、ただお金を貯め続けるだけで我慢ばかりの生活も上手なお金の使い方とは言えません。お金の管理は大人でも苦手な方が多いので、ぜひ子どもの頃から身につけてほしい能力ですね。
使ってもよい⾦額と貯める⾦額を決める
大人にとっては当然のことですが、「お金は使うと無くなる、無くなると何も買えなくなる」ということを小さい子どもには教える必要があります。その中で、”貯金するお金””欲しいものを買うために残しておくお金””すぐに使ってもいいお金”を分けて管理するようにしましょう。
初めてお金を管理する子どもは”貯金”という概念すらありません。大人が「少しずつでもお金を貯めると大きな金額になって、普段のお小遣いでは買えないような高額なものも買うことができるんだよ」ということを教えましょう。
お小遣い帳の付け⽅を教える
収支の記録をすることで、「気づいたら残金が無くなっていた」「無計画に高額なものを買ってしまった」ということが無くなります。好きなキャラクターのお小遣い帳ならばモチベーションも上がりますし、自動で計算してくれるスマホアプリも便利です。
いつ何に使ったかを記録することで、「いつもこれに使いすぎてすぐに無くなってしまっている」などの自分のお金の使い方を振り返ることができ、上手なお金の使い方のスキルが身につくのでぜひ取り組ませたいですね!
お⾦の使い⽅を考えさせる
お金を上手に使う事は大人でも難しいことです。子どものうちからお小遣いで使い方を学んだり、使い方を失敗して反省をすることで管理能力を高めることができます。
買う物の優先順位をつける
値段を比較して同じものでも安く買える店を探す
使ってもいいお金の中で買い物をする
高額なものは貯金をして買う
月の最後にお小遣い帳を振り返る
などのお金の使い方を親子で考えましょう。
無駄遣いをして使えるお金が無くなり困ってしまうという失敗も、子どものその後の人生にとって大切な経験です。あまり多く口出しをせず見守りながら必要な時にアドバイスをしてあげましょう。
友だちとの貸し借りルールを決める
子どもは悪気なく友だち同士でお金を貸したり借りたりすることがあります。しかしお金の貸し借りはトラブルになることもあり、時には学校の先生を巻き込む大きな問題になったり保護者同士の関係がこじれる可能性もあります。
友達といるときは「お金が足りない時は、お金を借りて買うのではなく自分は買うのを我慢する」「友だちのお金が足りない時は、お金を貸すのではなく自分も買わない」などのルールを親子で決めておきましょう。
まとめ
子どものお小遣いは”いくら渡すべきか””無駄遣いはしていないか”と親が悩んむことがたくさんありますが、お小遣い制を導入することでお金の管理能力が身に付くなどのメリットが多くあることがわかりました。
我が家は毎月渡す定額制の金額は少なめに設定し、友だちと出かける時は食事代や交通費を都度制で渡す、それと別に図書カードを半年に1度数千円分一括制で渡しています。定額制と都度制、一括制のミックスなのですが、一括制で渡している図書カードは使い方が難しいようで、上の子は計画的に少しずつ使っていますが下の子はもらうと一気に使ってしまうので後半は買わずに我慢するという生活を送っています。
失敗しながらお金の使い方を学ぶことは、子どもにとって一生の価値になります。親も子どもも納得するお小遣いの形をすぐに見つけることは難しいかもしれませんが、合わない時はやり方を変えながら今回ご紹介したポイントを押さえて我が子に合ったお小遣いの渡し方を見つけたいですね!