お子さんの忘れ物にお悩みではありませんか?子どもが困るだけでなく、時には友達やクラスのみんなに迷惑をかけてしまうのが忘れ物。子どもが学校で楽しく過ごすためにも、忘れ物が無いようにしたいものです。
忘れ物をしてしまう理由は様々。子どもは決して、わざと忘れようとしているわけではありません。あまりに頻繁に繰り返すようならば生活にも影響がでるでしょう。今回は、子どもの忘れ物を防止するための対策や、忘れ物をしてしまう理由、親が注意したいNG行動などについてまとめてみました。
子どもの忘れ物を親子の絆を深める良い機会と捉え、前向きに取り組みましょう!
目次
子どもの忘れ物が多くなる理由は?
忘れ物をした経験は誰でもお持ちではないでしょうか。その時の恥ずかしさ、絶望に似た気持ちなど思い出すと冷や汗がでることも。あんな気持ち、できれば子どもに味あわせたくないですよね。
うっかりと忘れることは仕方がない部分もありますが、忘れ物が多くなったり続いたりするのはとても深刻な問題。劣悪な家庭環境やネグレクト、発達障害などが隠れている場合もありますが、多くの場合は持ち物が把握できておらず、物が整理整頓されていないことなどが原因です。
持ち物をしっかり把握していない
忘れ物が多い原因の一つに、子どもが持ち物をしっかり把握していないことが挙げられます。小学生の荷物の多さは驚くほど。教科書やノートがびっしり詰まったランドセルに加え、上履きや体操着入れ、給食袋、水筒。帽子やハンカチも必要ですし、音楽や図工の授業の時も持ち物が増えます。
季節や天候によっては傘や防寒グッズも持って行きます。明日何を持って行くのか、きちんと把握するのは大人でも難しいかも知れません。あまりに物が多すぎて、連絡帳やプリントが紛れて探すのが難しくなったり、その存在自体を忘れてしまうことが考えられます。
また、先生がわかりやすく簡潔に伝えていれば良いですが、口頭だけで伝えたり、難しい言葉で書かれたプリントなどで子どもが混乱してしまうこともあるでしょう。先生が黒板に書いたものを子どもがきちんとメモできないケースも。あまりに忘れ物が続く場合は、担任の先生に相談することをおススメします。
整理整頓が苦手
整理整頓が苦手な場合、どこに何があるのが把握できません。明日何を持って行くか子どもが把握していても、部屋や机の上が乱雑な場合は見つけるのに時間がかかります。最悪の場合、見つからず失くしてしまうことも。
整理とは物を減らすことで、整頓は所定の場所に物を収めること。つまり整理整頓とは、必要な物が片付けられ、すぐに取り出せる状態にあることです。整理整頓の習慣は、まず親が生活の中で手本を見せることも重要。整理整頓は生活をスムーズにする鍵でもあります。特定の場所に物を収め整然と保つことで、忙しい日々もストレスなく過ごせるでしょう。
物を置く場所が決まっていない
物を置く場所が定まっていないと、必要な物を探し回る時間がかかります。連絡帳やプリントなどが行方不明になりやすく、必要な情報を子どもと共有することができなくなります。
例えばランドセルの置き場所が決まっていなければ、子どもは毎日いろんな場所にランドセルを置いてしまうでしょう。宿題や探し物のためにランドセルを開け、ノートや教科書などを部屋のあちこちで散乱させることになります。その結果、どこに何があるのかわからなくなってしまうのです。
子どもの忘れ物防止と対策のポイント
子どもの忘れ物を防止するには、いくつかの対策があります。どんな時に忘れ物をするのかパターン化し、チェックするための仕組みを作りましょう。過干渉にならない程度に子どもに寄り添い、子どもと一緒に対策を考えることがポイントになります。
子どもの忘れ物パターンの把握
まずは、子どもの忘れ物をパターン化して把握しましょう。忘れ物が多いのは何曜日なのか、何の忘れ物が多いのか、どんな時に忘れ物をしてしまうのか。
忘れ物パターンを知るためには、普段の子どもの行動を注意深く見るだけでなく、コミュニケーションも大事になります。親との会話で子ども自身も忘れ物に関する気づきを得て、忘れ物パターンを理解し対策できるようになるでしょう。例えば、「月曜日に上履き袋と体操着袋のどちらかを忘れがち」というパターンがわかれば、前日のうちに玄関に置いておくなどの解決策が考えられます。
最初は親の手助けが必要でも、最終的には子どもが自ら忘れ物対策を考えることができるようになるでしょう。忘れ物をパターン化することで、子どもが自ら考え実践し、問題を解決する力を養うことができるのです。
持ち物をチェックする仕組みをつくる
忘れ物をしないためには、持ち物リストをつくるなど、チェックする仕組みを作ることが効果的です。まずは子ども部屋や勉強机、ランドセルの中身などの整理整頓し、持ち物を把握しましょう。
必要ないものまでゴチャゴチャに入っていませんか。いらないものは処分し壊れた物は修理、必要な物を買い足すなどし、アイテムごとにチェックリストを作成してください。国語の箱・算数の箱・体育の箱など、科目別に箱を作れば物の位置が定まり、子どもがひとりで整理整頓できるようになるでしょう。
目につく位置にメモを残す
目につく位置にメモを残すと、子どもだけでなく家族ぐるみで忘れ物チェックをすることができます。玄関ドアの子どもの目線の位置に、ランドセルや帽子、水筒、給食袋などのイラストや、持って行くもののメモなどを貼り、最終確認できるようにするのも良いでしょう。
メモは簡潔で大きな文字、わかりやすいイラストなどを心がけましょう。子ども自身にメモを作らせると、さらに効果的。自主性と創意工夫の力が育まれます。
前日に用意する習慣をつける
朝ギリギリの時間で学校へ行く準備をすると、忘れ物が多くなりがちです。何を持って行くのか覚えていたとしても、時間が無くて慌てているとランドセルに入れたつもりが忘れていた、ということになりかねません。必ず前日に用意する習慣をつけましょう。
子どもと話し合い、前日の何時に準備をするのか時間を決めること。親が一方的に言うよりは、子どもが自分で決めた時間を守るようにすれば自主性が芽生え、習慣化することができます。前日に準備することで確実に忘れ物が減り、成功体験を積み重ねることができます。子どもの自己肯定感を高めることにつながるでしょう。
想定外の持ち物は子どもと一緒にチェック
図工やイベント、遠足や課外授業など、普段とは違うものを学校に持って行かなければならない時があります。想定外の持ち物は急に知らされても準備ができないことも。必ず子どもと一緒に、準備するものをチェックしてください。
その為には、保護者があらかじめ学校行事や時間割を把握しておく必要があります。また、日ごろから子供と一緒に連絡帳やプリントに目を通す時間を設けておけば、想定外の持ち物に慌てることもなくなり、親子の良いコミュニケーションをとる機会となるでしょう。
ツールなどの活用
忘れ物を無くすために、ツールなどの活用も効果的です。例えば、どこにでも貼れる付箋に持ち物を書いて机に貼り、ランドセルに入れたら剥がします。TODOリストで持ち物をリスト化し、準備ができたらチェックを入れていく方法もあります。スマホなどに入っているリマインダー機能がついたアプリを使い、アラームやメモを登録し学校行事や持ち物などを管理するのも良いでしょう。
忘れ物をする子どもへの親のNG行動
「子どもが忘れ物をしないように!」と、子どもを守ろうとする親の行動の中には、やってはいけないNG行動があります。子どもの為にと行ったことが、かえって悪影響を与えてしまった…そんな辛いことにならないよう、親のNG行動について知りましょう。
準備を手伝いすぎる
小学校低学年のうちは、親が準備を手伝いこともあるでしょう。でも、準備を手伝いすぎるのは逆効果です。
大人が完璧に準備することが続くと、子どもの自己管理能力や責任感が育ちません。親への依存心が大きくなり、忘れ物をしないよう自分で工夫する機会もなくなります。親は子どもの成長に寄り添い、子どもにとって適切なタイミングで手伝いを減らすようにしてください。
忘れ物をしたことを責めてしまう
忘れ物を責めてはいけません。一番困っているのは子どもです。その上親から責められると落ち込み、自分はダメな子だ、と自己肯定感が低くなってしまいます。また、叱責を恐れて忘れ物や失敗したことを隠すようにもなってしまいます。
「しっかりしなさい」「ちゃんとして」などと叱っても、子どもは何をどうすればいいのかわかりません。冷静に具体的に問題点を指摘し、次にどうすれば良いのか一緒に解決策を考えるようにしましょう。
性格だと決めつけてしまう
「この子は忘れっぽい性格だから」「そのうち治る」などと決めつけ、子どもが忘れ物を続ける状態を放置していませんか。親に決めつけられると、子どもも「自分は忘れっぽい性格だから忘れ物は仕方ない」と考えるようになり、解決する意欲が無くなります。
子どもの性格は多面的です。親が子供の性格をマイナスな方向に決めつけてしまうと、子どもは良い方向に力を発揮できなくなります。親とのコミュニケーションを諦めて親を恨んだり、問題解決能力や適応力が欠如するなどの弊害も出てくるでしょう。
忘れ物を頻繁に届けてしまう
忘れ物があるとすぐに学校に届けに行っていませんか?忘れ物を頻繁に届けに行くのは、子どもの忘れ物防止に逆効果なこともあると覚えておきましょう。
忘れ物を頻繁に届けると、子どもは忘れ物をしたときの「困った気持ち」を味わうことができなくなります。忘れ物をして辛い体験をすると、忘れ物をしないためにどうしたら良いか自分で考えるようになるのですが、忘れ物を届けてもらえる体験が増えるほど、忘れ物をしても平気になってしまいます。何でも保護者任せ・人任せの精神になってしまうのです。
忘れ物全てを絶対に学校に届けてはいけない、というのではありません。どうしても必要な物もあるので、臨機応変に対応して下さい。
まとめ
子どもの忘れ物は、実は親子の絆を育む大切な機会でもあります。子どもは失敗から学び、どうすれば解決できるのか考えて実践する力を養うことができます。また、親子で一緒に対策を考えることで良いコミュニケーションをとることができます。
忘れ物防止に対策としての「整理整頓」や「前日準備」などの良い習慣は、家庭全体にも良い影響を与えます。忘れ物が減るだけでなく、スッキリとした空間と規則正しい生活につながるでしょう。子どもの忘れ物が多いという悩みを良い機会ととらえ、子どもと一緒に成長し、笑顔でいっぱいの家庭にしましょう。