住まいリング させぼ

子ども食堂佐世保

こども食堂とは?佐世保で開催されているこども食堂

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日本は世界有数の経済大国ですが、貧困に直面しているこどもが多いことをご存知でしょうか?

日本では絶対的貧困(必要最低限の生活ができない状態)よりも相対的貧困(国の平均可処分所得よりも低い状態)が問題になっています。厚生省によると、日本のこどもの相対的貧困率は2019年時点で13.5%。7人に1人のこどもが貧困状態にあるということになります。

こどもが相対的貧困に陥ると、良い教育や医療を受けられません。様々な経験の機会を逸し、未来への選択肢が限られてしまいます。社会と切り離された劣悪な環境で育ち、栄養のある食事が与えられないこどもたちも数多く、食育の必要性が再認識されている状況です。

こどもたちを救うため、様々な手が差し伸べられています。今日はその中のひとつ、民間が自発的に行っている「こども食堂」についてお話しましょう。

こども食堂とは?

こども食堂とは、こどもや地域住民たちへ無料または安価で健康的な食事を提供している場所のこと。
佐世保の子供食堂こどもが一人で食事をとる「孤食」が心身の成長に悪影響を及ぼすことが問題となり、栄養を考えた温かい食事と、誰かと一緒に食べる「共食」による団らんを提供する目的で始まったと言われています。NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえによると、こども食堂の数は日本全国で年々増え続け、2023年2月には7363カ所が活動しているそうです。

こども食堂第一号は、東京都大田区の「気まぐれ八百屋だんだん こども食堂」と言われています。2008年に八百屋としてスタートし、地域の声を拾っていくうちに「誰でも来れるこども食堂」に発展。現在では「ともしびatだんだん」としてこども食堂のみならず、こどもからお年寄り、障がい者、外国人など誰でも来て何でもできる居場所を運営・提供しています。

佐世保市の「すくすくsasebo」で、こども食堂を「こどもが一人で安心して来られる場所であり、“ほっ”とできるみんなの居場所」と定義。2023年3月現在「佐世保こども食堂ネットワーク」には佐世保市内のこども食堂が11カ所登録されています。こどもと地域の人々の交流が盛んになり、街づくりの拠点として欠かせない存在となっているのです。

こども食堂を利用するメリット

こども食堂のメリットとしてまず挙げられるのが、外からは見えにくいこどもの貧困に対処できるということ。こどもが一人で抱えている問題は、地域の大人とつながることであぶり出され、解決に向かう可能性が高くなります。

温かく栄養のある食事をみんなで一緒にとることが「食育」につながり、こどもたちに様々な良い影響を与えます。栄養状態が改善し、学力や体力の向上が見込まれます。情緒も安定して心身ともに健康に。食事マナーや社会性が身に付き、コミュニケーションスキルを向上させることもできます。

保護者が参加できるこども食堂も多く、親子で食事する時間がとれます。地域の一員として受け入れられていると感じ、あたたかい気持ちになるでしょう。保護者同士で悩みを相談したり、子育て情報を得ることも可能です。

こども食堂を利用するデメリット

こども食堂にはデメリットもあり、利用するこどもの依存度が高くなるとこども食堂が開催していない日に気持ちが不安定になったり、家庭での食事に興味を示さなくなることがあります。こども食堂に通っていること自体が、いじめやからかいの対象になるかもしれません。

このような問題はこども食堂を運営する側もよく心得ていて対策を講じているため、利用する側にとってはメリットの方がずっと多いと考えられています。

一方で、こども食堂を運営する側にとってはデメリットがいくつかあり問題となっています。運営資金やボランティアの確保が困難で、継続できなくなることがあります。

また、栄養バランスを考慮したメニューを提供する場合栄養士のアドバイスが必要になり、こどもひとりひとりの食品アレルギーについて正確な把握も必要で、保護者の理解が求められます。誤嚥などの事故、食中毒屋感染症などへの対処も必要です。

もくもく食堂(下京町)

子育て真っ最中のママたちでつくる居場所「もくもく食堂」。運営主体は「親子いこいの広場もくもく」です。異年齢のこどもたちが兄弟姉妹の様に遊びながら過ごしています

所在地:佐世保市下京町9-12 西海みずきビル4階
第3木曜を除く木曜日11時半から13時半に昼食を、
第3金曜日16時から18時に夕食を提供。
昼食はこども無料、大人200円。ピクニックやワークショップなどのイベントも多く、学習支援も行っています。詳細は担当の数山有里さん(070-1944-3893)までお問い合わせください。

木風ふれあい食堂(藤原町)

木風ふれあい食堂実行委員会が運営する「木風ふれあい食堂」。孤食せざるを得ないこどもや独居高齢者への食事提供、相談の場、あらゆる年代の居場所づくりなどを目的に設立され、木風小学校区の住民を対象に、こどもたちの健全育成と地域住民の交流活性化のためのイベントも実施しています。

開催は2か月に1度、第3日曜日です。藤原町にある3つの公民館で順番に行われます。開催場所や内容は担当の森佐世美さんへ、メール(k.fureai1201@gmail.com)か電話(090-8416-5282)でお問い合わせください。

ワクワクくらぶ(大野地区)

こども食堂「ワクワクくらぶ」は、夏休み・冬休み・春休みなど、長期休暇中のこどもに無料で食事提供と学習支援を実施しています。春日・大野地区の主任児童委員と有志が集まり、地域のこどもを支援するようになりました。親の世代や高齢者も巻き込み、自然に助け合うことができる地域を目指して活動しています。

開催場所は大野地区の公民館。詳細は担当の相川加津美さん( 090-1978-8624)にお問い合わせください。状況により、こども食堂での食事提供ではなくお弁当配布をすることがあります。

長崎国際大学 子ども食堂(ハウステンボス町)

学生が主体となって取り組んでいる「長崎国際大学子ども食堂」。社会福祉学科と地域連携室が中心となって大学内でこども食堂を運営し、福祉教育を実践しています。

学生は社会的弱者に関する視点を得て、地域社会の課題に取り組むことができ、参加するこどもたちは、大学生と交流することで将来の進路選択の幅が広がり、「長崎国際大学子ども食堂」は、学生もこどもも成長できる場所なのです。

所在地:佐世保市ハウステンボス町2825-7 長崎国際大学
こども食堂の開催は不定期なので、詳細は担当の梅野潤子さんへ電話 0956-39-2020 でお問合せください。

江迎地区みんなの食堂「きてみんね」

2018年4月に設立された「江迎地区みんなの食堂『きてみんね』」。「食」を通して人と人、人と地域をつなぐ役割を担ってます。運営は「江迎地区みんなの食堂実行委員会」、江迎地区公民館や猪調公民館で2か月に1度開催。こどもたちの居場所・世代間交流・共食などの場を提供し、孤独を無くす取り組みを行っています。

所在地:佐世保市江迎町北平15-12
詳細は担当の田中美佐子さんへ電話(090-1976-1254)かメール(hokachan.com@ezweb.ne.jp)でお問合せください。

子ども食堂「ぐーぐーのキッズカフェ」

「子ども食堂『ぐーぐーのキッズカフェ』」は、有限会社三浦産業代表の三浦正明さんが日本で最初のフードバンク「セカンドハーベスト・ジャパン」代表のチャールズ氏と出会ったことで始まりました。

今後は、下京町からもみじが丘に移転し、子ども食堂は日宇地区コミュニティセンターで開催予定。詳細は090-3199-2902、または080-2718-9719にお問合せください。

子ども食堂「宝ハウス」(三浦町)

毎週水曜日、こどもたちが「ただいまー」と入ってくる「子ども食堂『宝ハウス』」。こどもたちの「第二の家」として放課後に気軽に立ち寄ることができる場所です。

代表の立石多恵子さんは、小学校に努める勤める友人から「佐世保市にも育児放棄などで朝食を食べられないこどもがいる」と聞き、お腹一杯食べさせたい一心でこども食堂をオープンさせました。ご主人が所有するアパート(佐世保市三浦町13−46 宝ハイツ1F )の一室を利用し、無料で食事や居場所を提供しています。詳細は電話(080-1539-3678)でお問い合わせください。

地域食堂「えんち」(吉井町)

地域食堂「えんち」は、「吉井地区地域食堂実行委員会よりより」が立ち上げたこども食堂です。月に1回の予定で開かれ、地域住民の交流の場となっています。夏休みなどの長期休みにも不定期で開催し、こどもの居場所となっています。

所在地:佐世保市吉井町立石464-7
オープン時間は16時から20時まで、ラストオーダーは19時。
開催日時などの詳細は、担当の男澤不二美さんに電話(0956-64-2478)でお問合せください。

てらこやカフェ

一般社団法人フォオンタナが実施しているこども食堂「てらこやカフェ」。年に数回、こどもたちのためにイベントを開催しています。

開催時間中は出入り自由で保護者や地域住民誰でも参加可能。みんなで食べたり遊んだり宿題したり、楽しい時間を過ごすことができます。地域の公民館などで開催していますが、場所や日時など詳しくは古賀由樹さんに電話(090-4348-2738)でお問合せください。

鹿町温泉「みんな食堂」(鹿町町)

鹿町温泉施設内にあるお食事処で月1回開催されている「みんな食堂」。こどもだけでなく誰でも無料で利用できる食堂で、フードロス問題へも貢献しています。地元企業や農家で余ってしまった食材を活用。主催は「しかまち活性化施設」。

所在地:佐世保市鹿町町土肥ノ浦169-2 鹿町活性化施設内鹿町温泉食堂
開催日は毎月第4水曜日。入口にかかる赤い暖簾が目印で、15時から20時まで利用できます。詳細は電話(0956-65-2744)で担当の藤井邦博さんへお問合せください。

ぼちぼちいこか食堂(天神町)

ぼちぼちいこか食堂は、みんなの実家モントブレア(佐世保市天神町5-40-30)で月一回開催されています。主催は「NPO法人ちいきのなかま」。安心して暮らせる地域をつくることを目指し、その一環でこども食堂を実施しています。

「こどもの幸せのためにこの家を使いたい」と考えた家の持ち主と「NPO法人ちいきのなかま」が繋がり、「みんなの実家モントブレア」となりました。モントブレアとは、庭に咲いている花の名前。ぼちぼちいこか食堂は「地域が家族を支えるしくみ」のひとつとして開催しています。詳細は担当の守永恵さんまで電話(090-9498-8360)でお問い合わせください。

あなたの居場所「みんなおいでよ」

佐世保市のお隣、東彼杵にある「あなたの居場所『みんなおいでよ』」は、「貧困」「こども食堂」という言葉を使わず、地域のみんなにとって居心地のいい場所づくりをめざしています。学童保育事業を手掛ける「NPO法人おんぶにだっこ」が主催し、毎月第3土曜の10時から15時にこども食堂をオープン。学習支援もしています。

所在地:東彼杵郡東彼杵町彼杵宿郷706-4 総合会館
詳細は事務局の木下啓さん・木田浩美さんにお問合せ(0957-46-0322)ください。

出典:佐世保子ども食堂ネットワークパンフレット

まとめ

日本のこどもの貧困率は先進国の中で高い水準にあり、外からは見えにくい「相対的貧困」が問題になっています。そんな中、こども食堂は地域のボランティアやNPO団体が運営することが多いため、社会から孤立した家庭を地域コミュニティと繋ぎ、救う役割も期待されています。

また、こども食堂はフードロス問題にも対処しています。多くの企業や農家、そして家庭などで、何らかの理由で余ってしまった食糧を持ちより開催されるこども食堂が、年々増えているのです。

こども食堂は、こどもが成長するうえで欠かせない「食育」を実践する場所。みんなと楽しく健康的な食事をとることで、食に関する知識や社会性を身につけることができます。こどもだけでなく地域の誰でも参加できる食堂も多いので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。地域の一員として温かい交流ができることでしょう。

※こども食堂の情報は2023年3月現在のものです。開催場所や日時、費用など変更の可能性がありますので、詳しくは各施設にお問合せください。

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「住まいリングさせぼ」編集部長

橋本鎌嗣(ニックネーム:もっちゃん)
「住まいリングさせぼ」編集部長

佐世保生まれ、一児のパパ。サイト監修者であり、佐世保・小値賀「海風の国」観光マイスター。宅地建物取引士の資格も有し、不動産や住まい、暮らしのアドバイスも。「佐世保に住もうよ!愛する地元の魅力をもっと伝えたい!!」

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