「子どもが小さい間は休業したいけれど、仕事を休んでいる間の収入が心配…。」と悩んでいませんか?子どもがほしくても、育てるためにはお金が必要ですから、とても大事な問題ですよね。
この記事では、育児休業中にもらえる育児休業給付金について詳しく説明していきます。現在働いていており、育児休業後に仕事に復帰を希望する方であれば、多くの方が利用できる制度です。最近では、ママだけでなく、パパが取得するケースも増えてきています。
ぜひチェックしてみてくださいね!
育児休業給付金とは?
「育児休業給付金」とは、勤めていた方が育児休業を取っている間に給付金がもらえる制度です。まずは、育児休業について詳しく解説していきます。
育児休業とは?
子育てのために仕事を休業できる制度です。育休とよばれることが多く、父親と母親の両方が取得できます。
育児休業の取得期間
育児休業の開始日は、男性と女性で異なります。
男性の場合は、配偶者の出産当日が育児休業開始日です。女性の場合は、産後休業の終了後が開始日ですので、出産日から58日目となります。
育児休業は原則として、子どもが1歳になるまで休業を取得できますが、下記の場合は2歳まで延長して取得可能です。
- ・保育所に入所できない場合
- ・配偶者が子どもの養育予定だったが、病気や離婚などで養育できない場合
また、両親でずらして育休をとれる「パパ・ママ育休プラス」という制度を利用すれば、1歳2か月までの延長ができます。
参考:平成29年10月より育児休業給付金の支給期間が2歳まで延長されます
育児休業の対象者
育児休業は次の条件を満たす方が対象となります。
- ・日雇いではないこと
- ・子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間 が満了することが明らかでないこと
つまり、同じ職場で1年以上働いていて、育児休業後もまた同じ会社に復帰して、1年以上働く予定の方が対象ということです。
育児休業給付金を受ける条件
育児休業給付金がもらえる条件は以下の5つです。
①雇用保険に加入していること
普通に会社勤めの方なら、問題なく満たしている条件でしょう。
雇用保険は、31日以上の雇用見込みがあり、1週間当たりの労働時間が20時間以上である場合、加入する義務があります。そのため、会社に勤めていた方だけでなく、パートやアルバイトの方も対象となることがあります。
②育児休業前の2年間のうち、1ヵ月に11日以上働いた月が12ヵ月以上あること
今勤務している会社で過去2年間に、1ヵ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある必要があります。入社して1年未満の場合は、以下の条件を満たした場合は給付金を申請できます。
- ・転職前の実績と合わせて、過去2年間に11日以上働いた月が12カ月以上ある
- ・前職でも雇用保険に加入しており、空白期間を開けずに再就職している
- ・失業給付の申し込みをしていない
③育児休業中に、勤務先から1ヵ月に月給の8割以上を支給されていないこと
育休中に会社から給与が8割以上出ている場合、育児休業給付金は支給されません。会社から月給の3割以上を貰っている場合は、給付額が減額されます。
④育児休業中の就業日数が毎月10日以下であること
休業中は、毎月10日以上出社してはいけません。休業終了日を含む月の場合、1日でも休業日があれば大丈夫です。
⑤育児休業終了後に働く意思があること
育児休業制度は、職場復帰を前提とした制度です。「育休だけ取って、終了後は退職しよう。」ということはできません。もちろん育児休業給付金も支給対象となりません。
育児休業給付金が受けられる期間
原則として、育児休業給付金の支給対象期間は、育児休業期間と同じです。つまり、育児休業開始日~子どもの1歳の誕生日前日までとなっています。
ただし前述のとおり、これはあくまでも原則です。保育園に入れないなどの理由があれば2歳まで延長することができ、育児休業を延長すると育児給付金の支給期間も延長されます。
育児休業給付金はいくら支給される?
「育休中に給付金が出ることは知っていたけれど、実際のところいくら出るかが気になる!」という方も多いでしょう。ここからは、具体的な支給金額について解説します。
支給金額の計算方法
育児休業給付金は、休業する前6ヶ月間の給料をもとに決まります。育児休業給付金の支給額は以下の式で計算できます。
育児休業開始時賃金日額×支給日数×67%(50%)=育児休業給付金/月額
「休業開始時賃金日額」とは、「育児休業(女性は産前休業)開始前6ヵ月間の給料の合計額を180(日数)で割った額」のこと。簡単に言えば、休業前の6ヶ月間の給与を日割りにしたものです。この場合の「給料」に、残業代は含まれますが、賞与は含まれません。
支給金額は育児休業期間によって異なります。育児休業開始から6ヶ月間は「育児休業開始時賃金」の67%が、6ヶ月経過後から育児休業終了までは50%が支払われます。
おおまかに言ってしまえば、育休最初の6ヶ月間はこれまでもらっていた給与の67%、6ヶ月~育休終了までは給与の半額がもらえると考えていいでしょう。
支給金額の上限額
育児休業給付金には上限額が設定されており、毎年8月1日に改定されます。
令和4年年8月1日以降の上限額は、支給率67%の期間は305,319円、支給率50%の期間は227,850円です。
育児休業給付金の申請方法
原則として、育児休業給付金の申請は勤務先の担当部署が行います。育児休業の取得を決めたら、まずは人事や労務といった部署に相談しましょう。申請の流れを詳しく説明します。
①勤務先の担当部署に相談する
産休前か産休中に、育児休業を取得する意向と、出産予定日を伝えましょう。法律により、育児休業の申出は開始予定日の1ヵ月前までに行うこととされています。(出産予定日前に出産するなど事情がある場合は1週間前まで)
余裕をもって手続きを進めるために、育児休業を取ると決めたら早めに勤務先に相談すると良いでしょう。
②「育児休業給付受給資格確認票」と「育児休業給付金支給申請書」を提出する
育児休業を取る旨を伝えると、勤務先から「育児休業給付受給資格確認票」と「育児休業給付金支給申請書」がもらえます。必要事項を記載して、担当部署に提出しましょう。
提出には、母子健康手帳や振込先口座の通帳の写しなど、書類の添付が必要な場合があります。担当部署に教えてもらえるので、一緒に提出してください。
③2ヶ月ごとに追加申請をする
育児休業給付金の申請は、2ヶ月ごとに追加申請をする必要があります。申請自体は勤務先担当部署が行いますが、給付金を受け取る方が書類の記入や捺印をする必要があります。
初回の申請手続きが完了すると、支給決定通知書・次回申請書がハローワークから発行され、勤務先に送られます。勤務先からその書類を郵送などで受け取り、記入・捺印後、勤務先へ送り返しましょう。
まとめ
ここまで、育児休業給付金について紹介しました。
もし分からないことがあれば、会社の人事・労務などの部署に相談してみてください。担当者であれば、制度についても詳しいでしょう。
勤務先に相談しにくい場合は、自治体のハローワークでも相談に乗ってもらえます。その場合は、あらかじめ勤務状況や出産予定日などを確認しておくと、具体的な答えがもらえますよ。
育児休業給付金は、働くパパ・ママのための強い味方です。しっかり制度を利用して、金銭的な不安を少しでも軽くしてくださいね!