みなさんは「子どものしつけ」という言葉を聞いてどのようなことをイメージしますか?
過去の私もそうだったのですが、「怒って親の言うことを聞かせること」と思っている方もいるかもしれません。
「子どものしつけ」とは、怒ることや親の言うことを聞かせることではなく、社会で生活する上で望ましい生活習慣を身につけさせることです。今回は、3歳までが大切と言われているしつけや育て方についてまとめました。
目次
3歳までのしつけ
あいさつ
あいさつは社会生活の基本と言えます。外でのあいさつだけでなく、家族間での大切なコミュニケーションの一つなのでぜひ小さいうちから身につけさせておきたいですね。
何より大切なことは親があいさつをする姿を子どもに見せることです。夫婦間であいさつをすることはもちろんですが、「まだわからないから」と赤ちゃんへあいさつをしないのではなく、朝起きたら「おはよう」寝る前には「おやすみ」など、声掛けをしましょう。
食事
食事は心と体を作る大切なことなので、「食事は楽しく嬉しいものだ」という気持ちを育てていきたいですね。
赤ちゃんのころはママが母乳やミルクを飲ませたり離乳食を食べさせることが多いですが、テレビやスマホを見ながらではなくゆったりとした時間の中で食事をさせましょう。
毎日忙しい中では大変な時もあるかもしれません。毎回必ずそうしないといけない!と気負わずに、できるときはそうしよう!というママのリラックスした気持ちも大切です。
⽣活習慣
朝起きて夜寝る、というリズムはこれから社会生活を送る上で身に着けたい基本的な生活習慣ですね。
生まれたばかりの赤ちゃんは昼夜の区別がつかないので、無理に起こす必要はありませんが朝になったら太陽の光を浴び夜になったら電気を消して部屋を暗くすることから始めましょう。少し大きくなってからは「片づけや歯磨きをしたら消灯」などの規則性を持たせると眠りに入りやすくなります。
歯磨きも自分の体を守るための大切な習慣です。赤ちゃんの頃から始めることで、「食事の後に歯磨きをすることは当然のこと」となり嫌がることなく習慣づけができます。歌や絵本を使って、子どもが楽しくなるような工夫ができるといいですね。
片づけ
清潔な整った部屋で生活することはとても心地が良いことなので、片づけができる子どもに育ってくれると嬉しいですよね。
とはいえ親である私たちが常に散らかった部屋で生活していては、子どもにとってもそちらの方が当然になってしまいます。まずは私たち親が普段から片づけをするようにしましょう。
その上で、収納に名札を付けたり、どちらが早く片づけができるか競争をしたりして子どもが片づけを楽しくできるようにするとよいでしょう。
ちゃんと叱る
しつけと聞くと「怒ること、叱ること」だと思う方は多いですが、しつけ=怒る、叱るではありません。
しかし、危険なときや子どもが人へ暴力をふるってしまったとき、社会ルールから外れた時などは、ちゃんと叱ることが必要です。感情的に大声で怒鳴ったり全否定するのではなく、何がいけなかったのかをわかりやすく教えましょう。
真剣に話をすることで子どもも「本当にいけないことなんだ」ということが伝わります。
ポイントは強制しないこと
我が子に身に着けてほしい生活習慣はたくさんありますが、強制しないことが大切なポイントです。
子どもの気持ちを聞かずに強制的にやらせてしまうと「自分は間違っている」と思い、自己肯定ができなくなってしまいます。
子どもがいけないことをしているときは「どうしてそうしたの?」と聞いてあげると、ママやパパに共感してもらえたという気持ちが芽生え、その後のしつけもスムーズにいくことが多いです。
また、習慣づけさせたい行動は親が見本となって日常的にやることに大きな効果があります。親があいさつや片づけを日常的にすることで、子どもはその行動自体が当然のこととなり自然と身に付いていきます。
性格によるしつけ⽅
優しいお子さん
おだやかで気持ちの優しい子どもへのしつけで大切なことは、厳しい言葉で強く伝えないということです。委縮してしまい自分の考えで行動ができなくなってしまうからです。
優しい言い方でどのようにしたらよいかを伝えるようにしましょう。よい習慣が身についているときは褒めてあげると、自分は大丈夫なんだと自信につながり自己肯定感が高まります。
活発なお子さん
やんちゃで活発な子どもは、穏やかに伝えても耳に届かず聞き流してしまうことがあります。遊びややりたいことに夢中になっている時に親が遠くから「こうして!」と言っても、子どもは聞いていないことがほとんどです。しかし厳しく伝える必要はなく、よくない行動をしたときは一度子どもの体の動きを止めさせてから話すようにしましょう。
わかりやすい言葉で短く伝えることがポイントです。
マイペースなお子さん
マイペースな子どもへのしつけで大切なことは、子どものペースに合わせてあげることです。
たくさんのことをやらせようとするのではなく、ルールを絞って一つずつ身に着けさせるとよいでしょう。小さなできることを増やしていくことで自信がついてきます。
我慢強いお子さん
がんばりやで我慢強い子どもへのしつけで大事なことは、ポジティブな言葉かけを大切にすることです。大人の私たちでも、すでにがんばっているのに「もっとがんばれ」と言われては疲れてしまいますよね。
「ちゃんとできているよ、がんばっているね」と認めてあげた上で、「こんな時はこうしよう」とできていない部分に絞って伝えるようにしましょう。
3歳までの育て⽅
できる限り⾚ちゃんのそばに/⽣後3〜5カ⽉
生後3か月くらいから赤ちゃんの視覚はどんどん発達していきます。
この頃からいつも近くにいる親との信頼関係が強くなっていきます。
ママやパパがいつも側にいてくれることで「困ったときに助けてくれる存在、自分は守られている存在なのだ」と学ぶことができます。
いろいろな表情を⾒せる/⽣後6カ⽉〜1歳
この頃は感覚的な能力が高くなる時期なので、親がたくさんの表情を見せることで赤ちゃんの表情が豊かになります。
また赤ちゃんの表情を真似してあげると、赤ちゃんは「自分と相手は違う」ということにも気づくことができます。
仮に親が怖がらせるような表情ばかりを見せていたり赤ちゃんとほとんど顔を合わせない生活だと、赤ちゃんには恐怖心が植え付けられてしまいます。
できるだけ穏やかな表情や笑顔の時間を多く過ごすことができるといいですね。
経験をたくさんさせる/1〜2歳
1歳を過ぎると歩けるようになる子どもも多いので、行動範囲が広がりいろいろなことに興味を持ち始めます。この頃から記憶が形成され始めるので、たくさんの経験をさせてあげたいですね。
「自分でやりたい」という思いが芽生える年齢なので、ママは少し大変に感じる時期かもしれません。先回りしてやってあげると親も楽ですが、自分でやって失敗を繰り返しながら成功体験を重ねることも大切です。時間の許す範囲で「自分でやりたい」を叶えてあげましょう。
ひとりの⼈間として尊重/2〜3歳
2歳頃からはイヤイヤ期が始まりママもどう接していいかわからなくなる時期かもしれません。
自己主張が激しくなるこの時期は、子どもを一人の人間として尊重して接するようにしましょう。親から気持ちを尊重してもらうことで「自分は認められているのだ」と感じることができ、大きくなって自己コントロールや自己表現ができるように成長していきます。
3歳頃からは「自分は認められている」という感覚があることで、一定時間ママと離れていてもママをイメージして自分をコントロールできるようになります。
個性と⼈間性を向上させる環境づくり
個性や人間性というと遺伝的なものだけを想像する方も多いと思います。しかし子どもの個性や人間性、能力には育て方や環境も大きく関係しています。
赤ちゃんは話したり上手くコミュニケーションをとることはできませんが、子守歌やいないいないばあは赤ちゃんの脳に強い反応を示すことがわかっています。無表情でも親の存在や周りの環境をちゃんと感じているので、たくさん話しかけてあげましょう。
子どもの個性を伸ばし人間性が育まれる環境を用意してあげたいですね。
新しいチャレンジを⾒守る
子どもの好奇心を育てるためには「やりたい」という気持ちを大切にしてあげましょう。実際に体験することで失敗をしたり痛い思いをすることがあるかもしれませんが、それは子どもにとって大きな財産となります。
危険が伴う時は声かけが必要ですが、親が先回りして手や口を出しすぎると子どもは受け身になってしまい挑戦する気持ちを持てなくなってしまいます。
やってみて成功した時にはぜひ一緒に喜んであげてください!
基本的欲求を満たす
「安心して生活できる環境で親や周りからの愛情を受け、守ってもらう」ということは子どもにとって基本的な欲求です。この基本的欲求を十分に満たしてあげることで、子どもは自然と新たなことに挑戦したり次のステップへ進むことができるようになります。
食事をして満足する、清潔にする、抱きしめてほしいときに抱きしめてあげるなどの欲求には十分に応えてあげましょう。
わがままな欲求と基本的欲求を区別して子どもと接するようにしましょう。
必要な時の働きかけ
子どもは日々成長します。それに合わせて親もその時期に合った適切な対応をすることが大切です。
例えば、全部をママが食べさせていた離乳食を持ちやすい食材に変えて子ども自身で食べさせる、今までは全て親がしていたおもちゃの片づけを楽しみながら一緒に片づける、など子どものできることを伸ばしてあげましょう。
どのように対応していいかわからない時は、自治体の支援センターなどに行って聞いてみたり相談窓口に問い合わせるといいでしょう。
まとめ
赤ちゃんが生まれて、初めて親になったときは何の知識もなく、しつけや育て方と言われても戸惑う方も多いと思います。
今回書いた3歳までのしつけや育て方は、どれも「早期教育をしたりお金をかけて何かを買い与えたり、親が無理をして何かをしないといけないもの」ではなく、日常生活で人として心身ともに健康的に生きるための基盤と言える部分です。
私は初めての子育ての時に育児本や育児雑誌でたくさんの知識を入れましたが、実際の子育てでは上手くいかず自信を無くしてしまった時期が長くありました。
しつけと言われ、「聞き分けのいい子どもに育てないといけない」と勘違いをしていたので大声で怒鳴りつけて子どもを委縮させたこともありますが、やるべきだったことはもっと基本的な部分でよかったのだなと感じました。
ママもパパも力を入れすぎず、楽しく子育てできるといいですね!