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スマホ育児で影響は?デメリットと注意点を考えてスマホの有効活用

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スマホ育児とは、子どもが小さいうちから育児にスマホを利用することです。
「電車内で静かにさせたいからゲームをさせる」
「寝る前に読み聞かせアプリを利用している」
「イヤイヤが止まらない子に動画を見せてなだめる」など、
どの家庭でもある光景ではないでしょうか。

この記事では、スマホ育児の注意点について紹介していきます。
スマホは便利なツールですが、使い方を誤ると子どもに悪影響を及ぼす可能性があります。上手な使用方法や、スマホ時間を短くする工夫についても説明しますので、参考にしてください。

スマホ育児で子どもに与える影響は?

スマホに限定しての話ではありませんが、小さな子どもがメディアに触れるのは1~2時間程度が良いというのが現在の主流です。あまりにも長時間メディアだけを使用することは、子どもの成長に良くない可能性があります。

ただし、メディアの使用時間だけでなく、その内容や方法によって子どもへの影響の良し悪しは変わるでしょう。

0~1歳児

座りっぱなしのスクリーンタイム(テレビ・ビデオ・ゲームなど)を勧めない。

2~4歳児

1時間以内にすべきであり、より少ない方が好ましい。じっとしている時間は保護者との読み聞かせやお話を勧める。

出典:GUIDELINES ON PHYSICAL ACTIVITY, SEDENTARY BEHAVIOUR AND SLEEP FOR CHILDREN UNDER 5 YEARS OF AGE (PDF)子供の健康的な成長に関するガイドライン 世界保健機関(WHO)(2019年)

1. 2 歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2. 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3. すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1 日 2 時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日 30 分までを目安と考えます。
4. 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。
5. 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。
引用:「子どもとメディア」の問題に対する提言(2004年)日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会

子どもの「脳とこころ」および体の成長に影響を与える可能性があるが、その時期あるいは視聴時間と方法、番組の内容などについてはさらなる科学的検討が必要である。(引用:「子どもに及ばすメディアの影響」について(2004年)日本小児神経学会)

スマホ育児で考えられるデメリットや影響

ここからは、具体的なデメリットについて紹介します。

悪影響を受けそうなコンテンツを⾒てしまう

幼い子供がスマホ等で暴力的・残虐的なシーンを目にすると、画面で起こっていることが現実で起こっているように捉えてしまうことがあります。暴力シーンや身体の一部が飛ぶようなショッキングな映像は、トラウマになってしまうだけではなく、暴力的な言葉遣いをするようになったり攻撃的な感情が沸き起こることもあります。

見ているストーリーの中でそのような場面を排除することは簡単ではありませんが、親が”これは現実世界でのことではないこと””善悪の区別を明確にすること””暴力は良くないこと”などをしっかり話すようにしましょう。心配なコンテンツならば、親が先に一度見てから子どもに見せるか判断することも必要です。

運動不足になってしまう

スマホを見ている時間が長く、体を動かす時間が短くなると運動不足になってしまうリスクがあります。運動不足になると体力低下や肥満に繋がる可能性もあります。

「スマホを見せていると静かにしているから」という理由で一日中スマホを見せて過ごすと、子どもが体を動かす機会が減ってしまいます。ついつい長時間見せてしまいがちですが、スマホ利用は時間を決めて、その他の時間で意識的に外を散歩したり公園で遊んだり、室内でも体を動かす習慣をつけましょう。また、体を動かしたりダンスをするアプリもあるので、スマホを利用いている時間でも工夫しながら運動を取り入れると良いでしょう。

スマホ首になってしまう

スマホ首とは、本来前弯しているはずの首の骨が真っすぐに近づいている状態を意味します。スマホの画面を見る際、顔を前に傾けたり画面に顔を近づけてしまうことでスマホ首になってしまうリスクがあります。

スマホ首は、首コリや肩こり、頭痛などの症状が現れ、ひどくなると自律神経のバランスが乱れてしまうこともあるので注意が必要です。

スマホを見る時は前を向いて画面が見える位置に置くことが大切です。可能であればスマホの画面をテレビで見ることができるようにすると、下を向いて見る心配がありません。また、普段から体を動かし首周りの筋肉を柔軟に保つことでスマホ首の予防できるので、運動も大切になってきます。

スマホに依存しすぎる

スマホは簡単に面白いものが手に入るため、依存的になりやすいです。乳児であっても、必要がないのにだらだらとスマホを使いたがったり、スマホを取り上げると機嫌が悪くなったりと、依存傾向がみられることが分かっています。

参考:育児と ICT―乳幼児のスマホ依存、育児中のデジタル機器利用、育児ストレス

視力が低下する

スマホを目に近づけて長時間使用すると、視力の低下につながります。

スマホは画面が小さいため、目との距離が近くなりがちです。手元よりにピントを合わせた状態が長く続くと、その距離を見やすいように順応するために、眼軸長(眼球の前後の長さ)が伸びてしまいます。その結果、遠くへピントを合わせられなくなり近視が進行するのです。眼軸は、身長が伸びている間は長くなる可能性があります。

目から30cm以上離して使用する、使用後は遠くを見て目を休めるといった対策をとりましょう。

参考:デジタルデバイスの小児および若年者に与える影響

言語発達の遅れが生じる

テレビやビデオの視聴時間が長いほど、発語が送れる確率が高いという研究があります。具体的には、1日の視聴時間が4時間以上の場合、約1割に発語の遅れが見られたということです。

動画からの一方的流れてくる言語だけでは、言葉の学習はできません。子どもの言語能力は、周りの人の語り掛けや、発した言葉へのリアクションを通して発達していくものだからです。

スマホに関しての研究結果ではありませんが、長時間動画などを見せっぱなしにすると、テレビやビデオと同様の影響があると考えられます。目的なくダラダラと見続けることはやめましょう。

参考:IT の功罪:電子メディアの子どもへの影響とその対応

本を読む・めくるなどができなくなる

読み聞かせアプリは、楽しい音楽やイラストで子どもたちを楽しませてくれます。知育効果ももちろんあるでしょう。しかし、実際の絵本の読み聞かせの代わりにはなりません。

スマホの画面はスクロールさせて文字を読み、視点がほとんど動きません。そのため、本を読むときに必要な、視点を動かして文字を追うスキルが育たなくなってしまうのです。

小学校からメディアの使用が採用されてきているとはいえ、主な教材は紙の教科書です。本が読めないと、学習に悪影響が出る可能性があります。また、読書から得られる知識や想像力は、スマホから得られる情報とはまた違った種類のものです。将来のためにも、本に触れる時間をつくるようにするのがおすすめです。

リアルなコミュミケーションの不足

スマホなどのメディアばかりで遊んでいると、子どもが1人の時間を過ごすことが多くなります。身近の人と会話したり遊んだりする体験ができないと、コミュニケーション能力が育ちません。

子どもは実際の人との関りを通して、「相手の目をみて、表情などの反応を見ながら会話をする」「ボディタッチの強弱を調節する」といった対応を学びます。社会に出てからスムーズに人間関係を築くために、リアルのコミュニケーションはとても重要です。

生活リズムが崩れやすくなる

テレビの視聴時間が長い子どもは、寝る時間が遅くなるという研究があります。寝る時間が遅くなると、朝起きる時間や食生活にも影響が出てきます。スマホであっても、あまり長時間見ていると生活リズムが乱れる原因となってしまうでしょう。

参考:IT の功罪:電子メディアの子どもへの影響とその対応

スマホ育児の注意点

できるだけ一緒にスマホを⾒るようにする

一人でスマホを使わせていると、理解が深まらなかったり関連動画から悪影響のあるコンテンツを視聴してしまう、知らない間によくないサイトへアクセスしてしまうというリスクがあります。座って休憩だと思って、ママもできるだけ子どもと一緒に見るようにしましょう。

一緒に座って見ることができなくても、家事等をしながら「すごいね」「痛そうだね」などの声掛けをしながら見るとよいでしょう。子どもも「ママと一緒に過ごしている」という満足感がありますし、動画の内容もより理解することができます。

親のスマホ利用状況を見直す

身近な大人は、日頃どのようにスマホを使っていますか?子どもにしてほしくない使い方は、親もしないことが大切です。「親のモバイル機器の使用が親子のコミュニケーションを減らしている」「母親のスマホ依存傾向が強いと子どもも依存傾向になる」といった研究もあります。

もちろん、連絡を取ったりや情報を得たりするために必要ですので、全く使わないようにするわけではありません。寝る前の布団の中や、食事中の使用など、子どもに真似してほしくないことはやめた方が良いでしょう。

参考:育児と ICT―乳幼児のスマホ依存、育児中のデジタル機器利用、育児ストレス

なんとなく見せるはダメ

「子どもが大人しく過ごしているから、そのままにしておこう」と、特に目的なくスマホを見せていませんか?制限なくダラダラ見続けることは、スマホ依存に繋がります。

スマホは、大人と一緒に目的を持って使用することで、メリットが出てきます。子どもにスマホを持たせっぱなしにするのはやめましょう。

電磁波が気になる場合の対処

電磁波とは、電気が流れるところに発生するエネルギーのことです。スマホから電磁波は出ていますが、人体への影響があるほどだという科学的根拠はないようです。ただ、子どもは脳も体も成長途中ですから、大人よりも影響が気になるところではありますよね。

電磁波は離れるほど影響が弱まります。最低でも、10mm以上離して使用するようにしましょう。通話をするときは、ハンズフリー機能を使うと安心です。

育児でスマホの有効活用

ここまでデメリットばかり紹介してきましたが、効果的に使えばもちろんメリットもたくさんあります。上手な使い方を紹介していきます!

子どもの知識の幅が広がる

ネット環境があればスマホで、知りたいことをすぐに調べることができます。子ども向けの分かりやすいサイトや動画を利用すれば、飽きずに興味をもって知識を深めることができるでしょう。

ただし、ネット上の情報が全て正しいとは言い切れません。正しい情報の見極め方や、危険なサイトへ誘導されないよう、大人が一緒に見てあげてください。

しっかりルールを決めてスマホを見せる

子どもが小さい間は親が管理できます。
「電車でぐずってしまったとき見せよう」
「おじいちゃんおばあちゃんとテレビ電話するときはOK」
「ワンオペ育児が大変すぎるから、15分だけ見せて休憩しよう」など、
ポイントを押さえて使うようにしましょう。

子どもが成長してくると、自分でいつの間にかスマホで遊んでいるということも。
「スマホを使う前にパパママに確認する」
「1日〇分まで」
「寝る前〇分と、食事中は使わない。」など、
子どもとルールを決めてください。

「守れなかったときは次の日動画は見られない」といったペナルティも一緒に決めると効果的です。

ルールを守るために、スマホ以外の対処法を用意しておくことも大切です。
外出時のぐずり防止には、お気に入りのおもちゃや小さな絵本を用意してみましょう。空き時間には、外遊びやボードゲームなど、家族でコミュニケーションをとるようにするのもおすすめです。

参考:スマホ時代の子育て~悩める保護者のためのQ&A~(幼児・児童編)/スマホ時代の子育て~悩める保護者のためのQ&A~(乳幼児編)

お出かけなどやむを得ない時の心強い味方に

静かにしないといけない病院の待合室や公共交通機関を利用中など、子どもが騒いだり泣いたりすると困る場面でスマホはとても助かるツールです。また、ママの体調が悪いときなども子どもを外へ連れ出したり、遊んであげたりすることは大変ですよね。そのような時にも無理をせずスマホに頼ってもいいのではないでしょうか。

「絶対にスマホを触らせない」と無理して頑張るよりも、やむを得ない状況の時は上手に利用してママもストレスから解放されましょう。

⼦どもが夢中だと息抜き時間がとりやすい

子どもが小さいと「家事と育児で座る暇もない!」というママは少なくありません。

子どもが静かにスマホを使っているときは、ママもリラックスできる瞬間です。時間を決めてスマホを使わせている間に、少し昼寝をしたり好きなドリンクを飲んで息抜きをすることできます。子どもにとっても嬉しい時間でしょうし、ママにとってもご褒美の時間になりますね!

まとめ

スマホ育児そのものは、悪いことではありません。今の時代、全くスマホに触れさせずに育てることは無理でしょう。個人的には、子どもがスマホの使い方を全然知らないのも、不便だと思います。ただ、長時間使用して依存してしまうと、悪影響があることは間違いありません。

子どもが成長したときに、自分の考えでスマホの使用を制限してバランスの良い生活を送れるように、スマホとの適切な付き合い方を教えられると良いですね。

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「住まいリングさせぼ」編集部長

橋本鎌嗣(ニックネーム:もっちゃん)
「住まいリングさせぼ」編集部長

佐世保生まれ、一児のパパ。サイト監修者であり、佐世保・小値賀「海風の国」観光マイスター。宅地建物取引士の資格も有し、不動産や住まい、暮らしのアドバイスも。「佐世保に住もうよ!愛する地元の魅力をもっと伝えたい!!」

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