「電気料金の値上げ、世界情勢による電力ひっ迫」など私たちが電力を節約しないといけないと感じる言葉を最近よく耳にします。
エアコンは家庭において消費電力の大きな家電なので、節電を考えたときすぐに思い浮かぶ家電の一つですね。ですが無理な節電をして熱中症になってしまったり風邪をひいてしまっては本末転倒です。
今回は無理をせず上手にエアコンの節電をするポイントをまとめました。
抑えておきたいエアコンの節電の基本ポイント
設定温度
エアコンを使うとき「何度に設定しようかな」と迷ってしまいますね。クールビズで環境省が推奨する室内温度は28℃です。この温度はエアコンの設定温度というわけではないのですが、目安にしておくと電力の無駄遣いが減りそうです。
夏にエアコンの設定温度を1度上げると年間約30kwh(820円)、冬だと設定温度を1度下げることで年間約53kwh(1430円)の節約になります。
風量
「節電のために!」とエアコンの風量を”微風”や”弱風”に設定している方もいらっしゃるかもしれません。実は風量設定は”自動”が一番の節電になります。
風量を自動に設定しておくと、部屋を快適な温度にするまでは強い風で快適な温度になったあとは弱い風で運転し、最も効率よく設定温度を保つことができるからです。
風の流れ
冬に暖房をつけていると「顔は熱いのに足は冷える」と感じたことはありませんか?
空気には、温かい空気は上へ冷たい空気は下へ行く性質があります。
快適な温度の空気を部屋全体にいきわたらせるための便利な道具に扇風機やサーキュレーターがあります。扇風機やサーキュレーターを活用して風の流れを作ることで、空気がかきまわされ部屋全体を快適な温度にすることができるからです。
ドア
面倒に感じてついドアを開けっぱなしにしがちですが、ドアが開いているとせっかくエアコンで冷やされたり温められた空気が部屋の外に出てしまいます。ドアをきちんと閉める、開閉はなるべく短い時間で行うことを意識しましょう。
服装
省エネルギーセンターの実験によると”上着を脱いでネクタイを外すと体感温度が2℃下がる”ということがわかっています。この結果を見ると服装によって体感温度が違うことがわかりますね。
エアコンの温度を調整する前に夏ならばポロシャツや涼感を感じる素材の服を取り入れる、冬ならば首や足首を温めたりブランケットを利用することでエアコンの無駄な電力を使わずにすみそうです。
カーテン
カーテンの使い方も快適な気温を保つため大切なポイントです。外出するときは、夏はカーテンを閉めて日光を遮り冬はカーテンを開けて日光を取り込むようにしましょう。また冬は窓の部分だけではなく床まであるカーテンを選ぶことで保温効果が高まります。
電源
エアコンは”設定温度までの運転”で一番多くの電力を消費します。
快適な温度になったからといってエアコンの電源を切ってしまうと再度電源を入れた時にまた多くの電力を使うことになるので部屋で過ごす場合は電源を入れたままで設定温度を維持するようにしましょう。
お手入れ
内部にあるフィルターが目詰まりすると異常音や臭いの原因になったり部屋の温度を快適にするために多くの電力が必要になります。
2週間に一度のペースでフィルターの掃除をするようにしましょう。ほこりは掃除機で吸うか水洗いをします。汚れがひどいときは中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い日陰に干します。
風向き
冷たい空気と温かい空気はそれぞれたまる場所が違うので、夏と冬でエアコンのルーバーの向きを変えるようにしましょう。
夏は冷たい快適な空気が下へいくのでルーバーを上向きにしてエアコンからの冷たい空気を上へ送ります。反対に冬はルーバーを下向きにすることで温かい空気を下へ送ります。また扇風機やサーキュレーターをエアコンの風を背にして置くことで、快適な空気を遠くまで送ることができます。
夏の節電ポイント
夏の間は外に置いてある室外機にも意識する節電ポイントがあります。室外機が熱くなると余分な電力を消費してしまうので日陰に設置する、日よけで直射日光を避けるなどの工夫をしましょう。
また暑いと感じた時は設定温度を下げる前に風量を強くすることも効果的です。風が強くなることで体感温度が下がり涼しく感じる上に設定温度を下げるより少ない電力ですむからです。
専門業者による定期的なクリーニングもおすすめです。
自分ではできないような細部まで分解して洗浄するためほこりやカビを徹底的に取り除くことができ、運転効率が格段に向上します。冷房の季節の前に依頼するといいでしょう。
冬の節電ポイント
冬は室内の気温と設定温度の差が大きい分、冷房使用時よりも電力を消費しているのでポイントを押さえて上手に節電したいですね。
加湿器や空気清浄機を使い湿度を40~60%に保つことで温度と湿度のバランスが保たれ快適に感じます。加湿器などが無い場合は洗濯物を部屋に干すと加湿効果があります。
また昼間は太陽熱を積極的に取り入れ部屋を温め、夜は保温機能のある厚手のカーテンや断熱シートを使い冷気を入れないようにしましょう。カーテンの色は暖色系を使うことでより室内が暖かく感じます。
夏同様、室外機もポイントの一つです。室外機周辺に物を置かないことや雪の際は防雪ネットを活用して運転効率を下げないようにしましょう。
間違えていた節電方法
私は昼間は一人で家にいる時間が多いのですが、以前はよく「一人なんだからエアコンは我慢しよう」とエアコンをつけないという節電をしていました。
しかし暑さや寒さで家事をすることがおっくうになり一日動かず過ごしたり、不快な部屋にいることでイライラして家族へ八つ当たりしてしまったりととても非効率な節電でした。
エアコンをつけないという節電方法ではなく、上手にポイントを押さえて使用することで体だけでなく心も快適に過ごすことができます。
また、我が家はリビング内に階段があり、冬になると暖房で温まった空気が2階へ上がり冷たい空気が1階へ降りてきてしまいます。
以前は温かい空気が上へたまることを知らなかったのでエアコンの設定温度を上げることで対策をしていました。今は階段に厚手のカーテンを取り付けることで壁の役目になり低い設定温度でも快適な温度を維持できています。
まとめ
テレビを見ていると夏の間は毎日のように「真夏日、猛暑日」と言われ、エアコンを使わず熱中症で搬送されるニュースも目にします。
エアコンを使用しないなどの極端な節電では自分や家族の体を壊してしまうことがわかります。とはいえ過度にエアコンを使用するのではなく、今回紹介した節電ポイントの中から自分に合った方法を選んで賢いエアコンライフを送りたいですね。
自分や家族の快適な生活を守りながら、家計や環境のためにポイントを押さえて上手に節電をしましょう。