住まいリング させぼ

住まいのことはMr.アーキに聞け!~建築物とエネルギーの関係

Share on

【Mrアーキ】
最近、高断熱住宅という商品を、よく目にしたり、耳にしたりすることが増えてきました。このコーナーでも、何度か出てきましたよね?

【Qoo】
「エアコンの話」や「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のお話」、「気密の話」など、ちょいちょい登場してますね。

【Mrアーキ】
この「高断熱住宅」とは、もちろん断熱性の高い家ということですが、では、どのくらいのレベルで高断熱といえるのか?これは、住宅会社の方でも結構、答えにつまずく質問なんです。
そもそも、なんで高断熱住宅にするのか?高断熱にする必要があるのか?皆さんご存知でしょうか?

【Qoo】
そう言われると、心もとないですね。何でですか?

高断熱住宅の様々なメリット

【Mrアーキ】
まず、高断熱住宅には様々なメリットがあるんです。
①省エネ … 冷暖房費が抑えられるという観点から
②健康  … 家中の温度が一定化し、ヒートショックなどの健康被害のリスクが軽減される
③建物の耐久性の向上… 土台や柱、梁などの構造体部分での結露(壁内結露)が無い(もしくはほぼ無い)ことで、建物の状態が良いまま経過できる
他にも開放的な間取りが出来るといったことがあげられます。

【Qoo】
つまり、高断熱化するということは、温度変化による様々な影響を排除することになって、様々なメリットが生まれるということなんですね。

建物の高断熱化は、国のエネルギー政策に行きつくテーマ

【Mrアーキ】
建物の高断熱化の先進国であるEU(欧州連合)では、熱(温度)=エネルギーだという考え方が常識になっています。EUでは、石油や天然ガスといった化石燃料を輸入することによって、経済が産油国へ流出してしまうことを止めるための一つの方策として、建物の高断熱化を進める、という考え方なんです。

【Qoo】
つまり、建物から熱を逃がさないことで、エネルギーを封じ込め、無駄なエネルギーを消費しないようにする。その結果、化石燃料の輸入を抑える、ということですね。

【Mrアーキ】
住宅だけでなく、建物すべてにおいて、高断熱化する建築技術が求められるのです。建物がどのくらいエネルギーを消費するか計算する専門の職業もあるそうですよ。
もちろん、EUでは、住宅会社や不動産関係に携わる人は、建物の消費エネルギー・断熱性について、きちんと説明できるようです。日本では、「高断熱住宅は省エネで快適で健康に暮らせます!」と購入者のメリットばかりを宣伝していますが、国のエネルギー政策に行きつくテーマではないでしょうか?
一見、住まいのことから外れているように感じますが、ルーツを辿るとこんな感じです。もちろん、住まう側に大きなメリットがあるので、私は高断熱住宅をお勧めします。

どのレベルだと高断熱住宅いえるのか

【Qoo】
では結局、どのレベルだと高断熱住宅だといえるんですか?

【Mrアーキ】
私の経験では、UA値(建物1㎡あたりの平均熱還流率)が0.56kwh/㎡くらいからというところです。Q値(熱損失)で表現すると1.9kwh/㎡以下くらいでしょうか。あくまでも私の経験値で、九州・福岡エリアの場合ですけど。
高断熱については本当に最近、住宅の相談の中でよく質問されるようになったんですよ。もちろん、私が取り扱う住宅がそういった住宅だからかもしれませんが…。世間に高断熱住宅の良さが浸透していることを感じられて、嬉しく思っています。

こちらの記事も読まれています

ウォッチする
通知
0 コメント
インラインフィードバック数
すべてのコメントを表示
「住まいリングさせぼ」編集部長

橋本鎌嗣(ニックネーム:もっちゃん)
「住まいリングさせぼ」編集部長

佐世保生まれ、一児のパパ。サイト監修者であり、佐世保・小値賀「海風の国」観光マイスター。宅地建物取引士の資格も有し、不動産や住まい、暮らしのアドバイスも。「佐世保に住もうよ!愛する地元の魅力をもっと伝えたい!!」

Share on

PAGE TOP