こんにちは、住まいリングさせぼ編集部です。
アウターが活躍する季節になりましたね。
頻繁に洗濯しないウールのカーディガンや、クリーニングが必要なコートやジャケット、みなさんは普段どのようにお手入れされていますか?
すぐにクローゼットに収めず、ハンガーにかけて風を通したり、消臭スプレーをかけたり、それぞれのルーティンがあるかと思いますが、毎日のお手入れに『洋服ブラシ』は使っていますか?
目次
『洋服ブラシ』は高級な服のためのもの?
偉そうに言っていますが、私が洋服ブラシを日常的に使うようになったのは、3年ほど前からのこと。
それまでも洋服ブラシを持ってはいましたが、年に数回しか着用しない夫のカシミアのコートに使うくらいで、私の洋服ブラシに対するイメージは「高級な服に使うアイテム」という程度のものでした。
その認識が変わったきっかけは、お気に入りのニットを手に入れたこと。
軽くてうっとりするような手触りのフェレットニットに一目惚れをし、高価だったこともあって購入を散々迷ったのですが、お値段と同じくらい気になったのが、お手入れについてのことでした。
店員さんから「絶対手洗い」と言われた上に、着た後にブラシをかけることもすすめられたためです。
洗濯は常に最短動線で最短時間を意識し、服をたたむのが嫌だから基本はハンギング収納、アイロンがけの必要な服はなるべく買わない!そのくらい衣類に関する作業から解放されたいズボラな私。
いつもなら「そんなめんどくさい服は無理!」と購入をやめてしまうところですが、運命の出会いを諦めることが出来ませんでした・・・
価格やお手入れについての葛藤を経て手に入れたお気に入りのニット、大切に着たいのでブラシをかけるように心がけていましたが、ズボラな私はつい怠け心に負けてしまいます。
だけど、毎回やらなくてもとブラッシングを怠ると、毛玉の赤ちゃんがすぐに発生してしまうのです。
なんて手のかかる子!でも大好き!!
以来、毛玉が出来ないようこまめにブラシをかけるようになったのですが、ある時、そのニットよりも後に購入したウールのセーターのほうが、なんだか古ぼけて見えることに気付きました。
量販店のセールで購入したそのセーターも、毛玉が出来たらクリーナーで取るくらいのケアはしていましたが、観察してみると袖や裾のよくこすれる箇所に毛羽立ちや、繊維が寝てしまっていたり薄くなっているのが見られました。
対して、毎回ブラシをかけているニットは見た目も手触りもほとんど新品の時のまま。
生地に負担のかかる肘の部分にも、生地のへたりや型崩れがありません。
その違いに気付いてからは、たとえプチプラで購入したニットやセーターでも、毛玉の出来やすい衣類にはこまめに洋服ブラシを使うようになりました。
毛玉防止だけじゃない!『洋服ブラシ』で得られる効果
ニットやセーターで洋服ブラシの有能さを実感するうち、普段から他の衣類にも使った方が良いのではないかと思うようになりました。
そこで調べてみると、洋服ブラシは毛玉が出来やすい素材だけのものではないということがわかりました。
カシミヤなどの起毛した生地のコートはもちろんのこと、目の詰まったウールのアウター、編み目の粗い手袋やマフラー、スーツのジャケットやパンツまで、使うことでメリットがある衣類がたくさんありました。
衣類にブラッシングをかけることで得られる効果は、大きく分けてふたつあります。
1.生地の繊維を整える
2.ホコリや汚れを取り除く
それぞれの効果から得られるメリットをご紹介します。
生地の繊維を整えることで得られるメリット
・毛玉を防ぐ
前述の通り、毛玉を防ぐ効果は絶大です。
衣類の毛玉は起き上がった繊維がからまることで起こります。
特に袖や脇などの生地がこすれやすいところは少しの着用でも繊維がからんでしまうので、こまめなブラッシングが有効です。
・テカリを防ぐ
衣類のテカリは生地の繊維がつぶれて光を反射しやすくなることで起こります。
一見起毛がないように見えるスーツなども、新品の時は繊維がしっかり立ち上がっていますが、圧がかかりやすいズボンのお尻部分などは繊維がつぶれやすく、他の場所より早くテカりが目立つようになります。
こまめなブラッシングでつぶれかけた繊維を立ち上がらせることでテカリを防ぐことができます。
ホコリや汚れを取り除くことで得られるメリット
・クリーニングの回数が減らせる
家庭で洗濯しにくいコートやスーツはクリーニングに出す方も多いと思いますが、頻繁なドライクリーニングは生地に負担をかけてしまいます。
日常的につく衣類のホコリや汚れはブラッシングで落とすことが出来ますし、雨などの水分と結びついてシミになることも防いでくれるので、クリーニングに出す回数を減らすことにつながります。
洋服ブラシは衣類にもお財布にも優しいアイテムなのです。
・虫喰い予防になる
衣類に穴を開ける虫は、服にくっついて家の中に持ち込まれる場合があります。
帰宅後すぐにブラシをかけることで服についた虫を払うことが出来るので、クローゼット内の他の衣類を虫喰いから守ることにもつながります。
・花粉症予防になる
虫と同様、花粉も衣類に付着して家の中に持ち込まれます。
花粉の季節はアウターは玄関前で脱いで払うことが推奨されていますが、生地の粗い衣類は花粉が奥まで入ってしまって払いきれないことがあります。
洋服ブラシは生地の隙間に入って花粉を払ってくれるので、花粉症をお持ちの方には必須アイテムかも知れません。
メリットたくさんなのに実はお手頃な『洋服ブラシ』
効果を知ると、使わないと損ですよ!と声を大にして伝えたいくらい有能過ぎる洋服ブラシですが、まだお持ちでない方が気になるのがお値段ではないかと思います。
どうせお高いんでしょう?
いえいえ、千円以下で購入出来てしまいます!
ネットショップでもお手頃価格のものはたくさん販売されていますし、手に入れやすいところでは「無印良品」で豚毛のブラシが税込690円で購入できます。(2020年10月現在)
もっと手に取りやすい価格帯では100均でも販売されているようですが、素材がポリプロピレンなどの化学繊維なため、静電気がおきやすいというデメリットがあります。
一度購入したら何年も使えるものなので、天然毛の洋服ブラシが絶対オススメです!
はじめての『洋服ブラシ』は「やわらかめ」がオススメです
洋服ブラシの多くは、静電気がおきにくく衣類にやさしい天然の獣毛から作られています。
使われているのは主に「豚毛」と「馬毛」で、主な特徴は以下の通り。
豚毛・・・硬めでしっかりした毛質で、ウール素材のコートやスーツに向いている。
馬毛・・・やわらかくしなかやな毛質で、カシミヤなどの繊細な素材に向いている。
つまり、しっかりした素材には「豚毛」、やわらかでデリケートな素材には「馬毛」が一般的。
どちらにも黒毛と白毛があり、白毛のほうがやわらかです。
とは言えメーカーによって同じ獣毛でも使っている毛質が異なるようで、「豚毛」でも毛質がやわらかなもの、「馬毛」でも毛質がかためなものがあります。
ブラシを選ぶ際は「ウール用(かため)」「カシミア・シルク用(やわらかめ)」などの表示があるものを選ぶと安心です。
ブラシは衣類の素材によって上記の2種類を使い分けるのが良いとされていますが、こだわりがあまりないのであれば、なるべく多くの衣類に使える洋服ブラシがひとつあれば良いと思います。
お持ちの衣類によってブラシの選び方は変わってきますが、私のオススメはセーターやニットへも生地の傷みを気にせず使える、やわらかめのブラシです。
硬めのブラシに比べると少しホコリや汚れを落としづらくなりますが、入念にブラッシングすることで効果は得られます。
はじめての洋服ブラシ選びで迷ったら「やわらかめ」を選びましょう。
ブラッシングの基本は3ステップ
続いて衣類への洋服ブラシのかけ方をご紹介して行きます。
用意するものは「洋服ブラシ」と「ハンガー」です。

生地の薄いニットなどは床に置いてブラシをかけても良いですが、厚みのある衣類はハンガーにかけることでブラシをかけやすくなり、型崩れも防ぐことが出来ます。
さて、準備が終わったら早速ブラッシングをはじめましょう。
基本の動作は3ステップです。
ステップ1.下から上へ、繊維に逆らって
繊維に入りこんだホコリをかき出して浮かせながら、からんだ繊維をほぐして行きます。
ステップ2.上から下へ、ホコリを落とす
浮き上がったホコリを払い落とします。
ステップ3.上から下へ、繊維を整える
乱れた繊維の流れを戻しながら、表面をなめらかに整えます。

どの動作もブラシを直線的にかけるのではなく、細かく手首を動かしてブラッシングするようにしましょう。
一見手間がかかるようですが、こまめに洋服ブラシをかけていれば、普段は軽くホコリを落としつつ生地の表面を整えるだけ、1~2分の作業で済みます。
ズボラな私は服をハンガーにかけてブラシをかけるのが面倒な時、袖や裾など生地がこすれやすいところにだけ、着用したままブラシをかけてしまうこともあります。
毎回丁寧にブラッシングしなくても、大丈夫!
時間と気合いのない時は、着用したままのズボラブラッシングでもちゃんと毛玉予防してくれます。
衣替えのタイミングにも『洋服ブラシ』は大活躍!
秋の衣替えで、たたんで収納していた秋冬物のニットやセーターを久しぶりに取り出した時、風合いが悪くなったように感じることがあります。
その理由は、衣類に空気が通らない状態が続いたことで、繊維がペタンと寝てしまっているから。
そんなおやすみ状態の衣類にも、洋服ブラシをかけてやさしく起こしてあげましょう。
繊維が空気を含んでふっくらとした手触りや着心地が復活してくれますし、軽いたたみじわなら洋服ブラシとタオルだけで取ることも出来ます。
こちらは夏の間、タンスの中にしまわれていたセーターです。

しっかりシワがついてしまっているので、ホットタオルを10秒ほど当てます。
(衣類スチーマーなどでももちろんOKですが、私は常に超手抜きです)

先ほどご紹介した3ステップの通りに、生地全体に空気を入れてあげるような気持ちでブラッシングをすると・・・

シワが目立たなくなり、写真からは伝わりにくいのですが、繊維に空気を含んで手触りもやわらかく復活しました!
また、こちらのニットは脇に出来た毛玉の赤ちゃんや繊維のからみを放置したままだったのですが・・・

ブラッシングした部分(上)と、していない部分(下)の差が一目瞭然ですよね。
タンスから出した時、このニットはもう部屋着に降格かなと思っていましたが、ブラッシングすることで見事に復活してくれました。
『洋服ブラシ』で楽チンお手入れをはじめましょう
着ようと思って取り出したニットに毛玉を見つけ、そっとクローゼットに戻したり、毛玉を指先でちぎり取ったり、毛玉をハサミで切ろうとして生地を切断したり、そんな黒歴史を持つ私。
「洋服ブラシなんて、マメでていねいな暮らしを実践している人が使うモノでしょ?」くらいに思っていましたが、雑でズボラな私のような人にこそ、洋服ブラシは欠かせないアイテムだと今では実感しています。
日常的に洋服ブラシを使うことで、毛玉や生地のへたりなどのトラブルがなくなり、衣類の手入れにかけていた手間と時間はむしろ減ったように感じています。
大切な衣類を長持ちさせる効果はもちろんですが、手間暇かけたくない普段使いの衣類にこそ、洋服ブラシが大活躍してくれます。
毎日のお手入れに洋服ブラシを取り入れて、今年の冬は面倒な服のメンテナンスから解放されましょう!