住まいのことはMr.アーキに聞け!~庇のはなし

 

【Mr.アーキ】
今回は庇についてのお話しです。「庇」。Qooさん読めますか?

【Qoo】
読めますよう。“ひさし”ですよね?「庇を貸して母屋を取られる」ということわざもありますよね…。

【Mr.アーキ】
仕事柄、移動中などでも、街並みや家の外観など、注意してよく見ているんですが、最近の住宅は外観デザインのテイストに関係なく、小さな窓に「庇」がついてないのが多く見受けられます。

大きな掃き出し窓でも「庇」が無いケースもあります。
昔の家は小さな窓の上には必ずこの「庇」がついていたのですが…。

【Qoo】
最近の家は庇が無いものが多いと…。どうしてなんでしょう?

【Mr.アーキ】
これは私の予想ですが、サッシの防水性能が格段に上がったことや、サイディング(外壁)の防水機能・防水の施工法も併せて向上したのが関係しているのではないかと思います。昔のサッシや外壁廻りの施工は、防水性能も低かったため、庇を付けることで、直接雨がサッシに流れ込んだり、流れ込む雨の量を抑える効果を狙ったのではないでしょうか。

【Qoo】
そういえば、昔は窓から結構、隙間風が入ってきてましたよね~。
木製の窓枠でしたし、がたつきもあったような…。

【Mr.アーキ】
実は最近、「庇」の重要性を見直している設計士の方もいるんですよ。以前も話したことがあると思いますが、それは「日射」に関係しています。

【Qoo】
日陰のこと」や「四角い家」のときに聞いたような…。たしか、家の中に入ってくる太陽光によって、室内温度がだいぶ違ってくるって話でしたよね?

【Mr.アーキ】
そうです。庇を設置することによって、夏の冷房期には、日差しを遮り、室内の温度上昇を抑える効果があります。

特に南向きの窓には必須となります。
そして、この庇の出寸法は、私は窓の下から庇までの長さの30パーセントを目安に設計します。これは、冬に陽が窓から差し込んでくれることを考えてのことです。要は、自然のエネルギーを活用して、室内の温熱環境をより良くしようということなんです。

西や東向きの窓の場合、時間帯によっては、真横から日が差してきます。これは庇では遮ることが出来ないため、外部ブラインドや室内のカーテンやブラインドなどを用いて対策します。また、外構工事で落葉樹を植えるというテクニックもあります。

北側の窓に関しては、あまり日射についてイメージがないかもしれませんが、実は、夏至に近い時期は朝と夕方に陽が差してくるんですよ。

この場合も、どちらかというを横から差してきますので、庇とは別に、横からの陽を遮る工夫があると良いですね。

【Qoo】
窓の方角や季節によって、日差しの入り方が違うんですね。家の向きなどによっても、窓の位置は変わってくるから、それぞれに合わせた対策を考えて設計してもらわなくてはいけませんね、

【Mr.アーキ】
建物の向きによる、季節ごとの陽の入り方については、現在ではコンピューターによって、かなり正確に予測できる、いや、割り出せるようになっています。

新築計画の時にきちんと考えるだけで、将来快適な室内空間をつくることができるので、設計士さんに早めに相談しましょう。出来れば、確認申請をする前までにね。