住まいのことはMr.アーキに聞け!~クラックとは?

 

【Mr.アーキ】
最近引き渡した新築住宅の方から、クラックについて問い合わせがありました。

【Qoo】
クラック?クラックってなんですか?

【Mr.アーキ】
基礎や土間に生じるひび割れや亀裂のことです。クラックは、乾燥による材質の収縮や膨張によって生じます。基礎のクラックについては、コンクリートを打設する時期や表面を抑えるタイミングで入ってしまうことが度々あります。特に夏場にコンクリートを打った場合、温度変化や湿度の変化(水分が出るスピード)の関係でクラックが入りやすいそうです。もちろん、基礎工事や左官工事の方は専門職なので、クラックが生じないように最善を尽くしてくれますし、コンクリートの水分も季節や気温などを配慮しているので、そうそう悪質な結果になることはありません。

【Qoo】
それでどんな問い合わせだったんですか?

【Mr.アーキ】
「ひび割れが出来ている!」と、その箇所を写真で送ってこられたんです。お客様は建築のことについての知識は当然少ないですから、仕方がないとはいえ、担当者も「見てください!これ、このクラック!」との狼狽ぶりです。

【Qoo】
そんなに大きいクラックだったんですか?

【Mr.アーキ】
確かに写真のクラックは大きく見えましたが、スマホでアップにして撮影しているし、比較対象物がないから正確な大きさはわかりません。そこで担当者に「とにかく早く確認に行って、お客様を安心させてください」と現場に向かってもらいました。
結果は…クラックの幅は0.1㎜もないくらいでした。

【Qoo】
よかった!新築でひび割れを見つけちゃったら、確かに焦っちゃうかもしれませんね。でも、それほど珍しいことではないとのことですが、大丈夫な基準みたいなものはあるんですか?

【Mr.アーキ】
新築住宅の引き渡し後の点検資料には「クラックについての目安」が記されています。そこでは、幅0.3㎜以上、深さ5㎜以上、茶色いしみが出来ているか(中の鉄筋がさびている証拠)などの項目が明記されています。つまり、この項目以下の場合は「安心して良いですよ」という一つの目安になります。この資料は「住まいの管理手帳」といって、住宅金融普及協会が発刊してくれているもので、引き渡し時にお施主様へ渡している住宅会社もあります。

【Qoo】
中古の場合は、また違う基準なんですか?

【Mr.アーキ】
中古住宅のインスペクション(点検)においては、幅0.6㎜、深さ20㎜以上で補修を必要としています。コンクリート基礎の場合、幅は12㎝から15㎝の中に、鉄筋が入っており、少々のクラックでも鉄筋が強度を担保してくれているので大丈夫なんです。
ただし、外部のクラックで、クラックから錆びが広がっていたり、水平にクラックが入っていたり、完全に断裂したような場合は補修を必要としますので、すぐに施工店へ相談してください。

【Qoo】
土間にもクラックが出来るんですよね?

【Mr.アーキ】
はい。土間はクラックが割と入りやすいんですよ。土間をコンクリート(モルタル)仕上げにする場合、いったん頑丈な下地(鉄筋入りの厚さ10㎝・15㎝のもの)を作って、その上に薄くモルタルで表面を仕上げます。そうすると下地と表面の乾くスピードや収縮の差がありますので、表面の仕上げに細いひびが入ることが多いです。しかし、構造にはまず問題がないので、安心していただいて大丈夫です。経験上、割と多いことなので、お客様には打合せの際に説明するようにしています。ですから後から言われることはあまりないですね。土間に関しては「ひびを一つの味(デザイン)と思ってください。」と言うこともあります。

【Qoo】
土間の場合は、そんなに心配しなくていいんですね。

【Mr.アーキ】
昔のように、個々の会社や職人のやり方に任せるのではなく、近年の建築工法は、メーカーや施工業者が過去の失敗や経験を踏まえて知識の共有をしたり、一定の基準を設けて施工技術を提供するようになっていますので、そうそう心配するような事例は少ないと思います。