住まいのことはMr.アーキに聞け! ~図面のはなし

 

 

【Mrアーキ】
今回は「建築」に関することというよりも、どちらかというと「不動産」寄りのおはなしです。

【Qoo】
これまでとは違った方面で、なかなか面白そうなお話ですね。

【Mrアーキ】
先日、これから購入する予定の中古マンションの、リフォームの見積もりをお願いしたい、という相談を受けました。
リノベーションとまではいきませんが、間取りの変更や配管のやり替えなどの希望でしたので、かなり大掛かりなリフォームでした。
その中古マンションは、売買契約済みで、ローンの申し込みが3週間後、リフォームの見積もりはまだ出来ていないという状況で、現在、売り主が居住中とのことでした。

マンションの築年数などから、どんなふうに痛んでいるのか、どんな仕様になっているかといった大体の状況は分かるので、私は、売り主様が住まわれているのであれば、まず図面を見ることができないかと聞きました。
図面を見れば、寸法と構造体、床、天井の構造が分かるので、かなり精度の高い見積もりが出来るからです。

ところが先方からの返事は、「図面が無い」とのことでした。

仲介物件でしたので、仲介をしている不動産業者に図面をお願いしたのですが、図面が手に入らないとのこと。
それならば、マンションの管理組合で管理している分の図面があるはずなので、持ち出し禁止などの条件もあるでしょうから、閲覧をさせて欲しいと提案したのですが、「管理組合の理事長と連絡がとれない」、「再来週になる」など、のらりくらりとはぐらかされるばかりです。。
結局、「現地確認ならば可能です」との返答しかもらえませんでした。

先ほども言いましたが、見積もりを出すには、まずは図面ありきで、現地の確認については「出来るのであれば、さらに良い」といったぐらいのものなんです。
これまでも図面が無くて、現地確認のみで見積もりしたケースもありますが、大体がリフォーム希望者本人の自宅だったり、売買案件の場合でも空室だったり、簡単な水回りの交換程度のケースでした。
それが、今回のケースは、売り主が居住している物件なので、そこにずかずかと上がり込むわけですよね。しかも、家具などが置いてある状況で、どこまで見られるのかがわからない…。非常に困りました。

【Qoo】
自分が住んでいる住居だったら、売り主様は購入時の契約書や重要事項説明書なんかと一緒に図面も保管しているはずなんじゃないんですか?マンションを購入しているみなさんは、どうしてるんでしょう?

【Mrアーキ】
仲介業者も、買主がリフォーム代金も併せて住宅ローンを組むことを知っているはずなので、必要な資料として、販売パンフレットといった、大体の寸法が記載されているものくらいは、資料として所持しておくべきではないでしょうか。
リフォームの場合は、実際、工事に入って解体した後に「あっ、こんなことになってる!」ということもしばしば起きます。ただ、そういった状況は、施主の負担になりますので、出来るだけそういったことはない方が良いですよね。
現場を見ることも大切ですが、図面の方がはるかに精度の高い予想が可能なんですよ。

【Qoo】
では、リフォームやリノベーションの際、どういったことに気をつければいいんですか?

【Mrアーキ】
ベストパターンを紹介しますね。以前、リノベーションをしたお客様のケースです。
この方は、中古マンション購入を検討し、物件の見学に行く前のタイミングで相談して来られました。私は、売り主様が居住中の見学に同行し、同席した仲介業者に図面の有無の確認をして、現地見学は、簡易的に状況確認だけをしました。
その後、図面を見ながらお客様のご要望と照らし合わせ、物件購入の是非までをお話しました。結果としては、別の物件を購入されたのですが、その物件も同様のプロセスを踏んで、購入を勧めさせていただき、リノベーションを実施しました。

【Qoo】
図面って、重要なんですね。

【Mrアーキ】
中古マンションを購入して、リフォームやリノベーションをお考えの方、購入物件に売り主が居住中の場合は、出来るだけ早く図面などの情報集めをすることと、リフォーム会社への相談をお勧めします。