住まいのことはMr.アーキに聞け! ~木の話 建材としての木 2

 

【Qoo】
最近、国が推奨しているという「長持ちする家」について教えてください。

【Mrアーキ】
どんな家かを簡単に説明すると、ポイントは3つあります。

(1) 耐震性の向上
前回お話した耐震等級3を推奨したり、減税やローンの優遇もあるようです。
(2) 断熱性の向上
以前、断熱性能についてはヒートショックや省エネなど、健康面や経済面でメリットがあるお話をしました。窓の結露対策も関係しています。
(3) 気密性の向上
壁内に湿り気があると、壁内結露の原因や、シロアリを住みやすくする可能性があります。木は乾燥した状態が良いわけです。
その他地面からの防湿等もありますが、以上の三つが分かりやすい必須ポイントです。

(1)の耐震は分かりやすいですよね。地震にも耐える家。長持ちするということはもちろん、いざという時にシェルターになって、家族の命を守ってくれるメリットもあります。

(2)の断熱性の向上は、気密とセットで大きな成果を上げてくれます。断熱性と気密性が高いと、構造体が乾燥した状態を保ちやすく、強度が落ちにくくなります。
木は含水率が低いほど強度が上がります。私が設計した住宅を測定したことがありますが、現場に運ばれたときは約20パーセント前後の含水率だった土台が、竣工後6ケ月後に測定したところ、10パーセントを切るほどでした。そうなると曲げ強度や引張強度などが倍近くになることが分かっています。

断熱性と気密性が低い場合、寒い時期は外壁の外側近くで壁内結露を起こし、夏は室内に近いところで壁内結露を起こします。
壁内結露は経年で木を腐らせたりし、地震の時などに耐えられないことも実際に起こっています。建物自体の耐久性を落としていくわけですね。

【Qoo】
これって、以前からお話されている断熱や窓の結露、耐震性のお話のことですよね。

【Mrアーキ】
要するに、ちゃんと作った家は、住まい手に健康や経済的なメリットをもたらしてくれるだけでなく、環境資源保護の役割もあるわけです。
もちろん、60年~70年以上、状態によっては100年以上住めるわけですから、次世代に譲れる大切な資産にもなってくれます。

【Qoo】
では、どのくらいの断熱性が必要なんですか?

【Mrアーキ】
これは私見となりますが、最近よく聞くZEH(ゼッチ=ネットゼロエネルギーハウス)クラスの断熱性がボーダーラインであり、判断基準としてもよいのではないでしょうか。
ZEHの断熱性能は、近畿大学の岩前篤教授の研究結果で「健康に改善が見られる断熱性能」に近い数値です。これは、住宅業界では有名な話です。

新築住宅をご検討の方、住宅会社には耐震性能・断熱性能・気密性をしっかり確認しましょう。