
一昨年、当時の菅官房長官(現総理)の携帯料金は安くなる発言があってからというもの、大手通信キャリアや格安スマホに至るまで「通信料金」を巡る動きが慌ただしくなりました。
そして昨年末にはdocomoやソフトバンクが低価格な料金設定を発表。
2021年、いよいよ携帯電話の通信料金が本格的に安くなる日が近づいてきています。
さて「通信料金が安くなる」というのは、いつから、そしてどれくらい安くなるのでしょうか。
現在の携帯電話通信契約の状況
まず携帯電話の通信料金の現状をざっくりお伝えすると、
(1)大手通信キャリア(docomo、au、ソフトバンク、楽天)
毎月5,000円〜10,000円程度
・通信インフラが整備されおり、安定した通信品質。
・全国にショップが多数あり、顧客サービスも充実。
・料金体系が複雑でわかりにくい。
(2)サブブランド(Y!mobile、UQモバイル)
毎月3,000〜5,000円程度
・大手通信キャリアと同等の通信品質。
・大手ほどではないがショップもある。
・料金体系はシンプルだが年数が経過すると料金が変わる場合も。
(3)格安通信(IIJ、LINEモバイル、日本通信等)
毎月1,500円〜3,000円程度
・大手通信キャリアの回線を使っているが、時間帯によっては速度が落ちる。
・ネットでの申込がほとんどで、ショップはほとんどない。
・料金体系はシンプル。
以上のような感じです。
こうしてみると、毎月の通信費は1万円から1,500円と結構な幅がありますよね。
電話やネットの通信品質の良さ、そしてショップ対応といった顧客サービスの充実からすれば、大手通信キャリアの存在は重要なわけですが、確かに通信費はお高い・・・
そして今回通信料金の値下げと言われているのは(1)の大手通信キャリアの通信料金です。
大手通信キャリアの通信料金はどれくらい安くなる?
大手通信キャリアの通信料金値下げに反応したのはNTTdocomoでした。
昨年11月に5分かけ放題の音声通信+データ通信20GBで2,980円(税抜)と、これまでからすると破格に安い金額設定が発表されました。
(参考)NTTdocomo ahamo
そして12月にはソフトバンクも低価格設定を発表しました。
(参考)ソフトバンク メリハリ無制限
docomo、ソフトバンクともに2021年3月スタートとなっています。
この記事を書いている1月9日現在ではauとしては発表されていませんが、恐らく1月のうちにはdocomoやソフトバンクに対抗する低価格設定を発表するものと思われます。
docomoの「ahamo」を見てみると、従来の料金設定と比較すると、半額近い値下げ幅になると思います。
これは破格ですね。
通信速度やエリアの広さ、安定性と、docomoの通信品質がこの金額で利用できるなら、すごくいいことだと思います。
ソフトバンクも同様ですし、恐らくauも同じくらいの料金設定を提供するのではないかと思われます。
大手通信キャリアがここまで頑張ってくれるとは正直思っていませんでしたが(笑)、とにかく通信料金が安くなるのは大歓迎ですよね。
しかし誰もが低価格になるわけではない
ただし上記の価格設定は、誰もが契約できるわけではありません。
docomoやソフトバンクが発表した低価格料金設定は、原則ネットでの申込となります。
ドコモショップなどの店頭では申し込みできないようなのです。
(今後変更になる場合もあります。)
つまり、ユーザー自身がインターネットで申込をし、通信に必要なSIMカードやスマートフォンの初期設定をする必要があるのです。
ということは、スマホやネットの知識がなく、スマホの操作に詳しくない方にとってはかなりハードルが高くなります。
ご家族や友人に詳しい方がいるのであれば、なんとか利用できるかもしれませんが、ショップに行って教えてもらわないと分からない方や初心者の方には難しい契約となります。
それには訳があります。
大手通信キャリアであっても、大幅に通信費を下げることは大変です。
そのためには経費を削減せねばならず、その一つがショップでの対応を減らすことなのです。
見方を変えれば、大手通信キャリアの料金が高いのは、ショップでの顧客サービス対応が万全だからなのです。
今後の流れで、店舗でも低価格料金設定が申し込みできるようになるかもしれませんが、現時点ではご自身で申込や設定が出来る方に向けた料金サービスとしてスタートするでしょう。
サブブランドや格安通信会社はどうなるの?
これまで通信費の低価格化を牽引してきたのはY!mobileやUQモバイルといったサブブランド、そして格安スマホと呼ばれる格安通信会社でした。
通信費の安さでいえば、格安通信会社の通信契約が最安値ではありますが、サービスや品質の面をトータルで考えると、今回の大手キャリアの低価格料金は脅威になるでしょう。
おそらくはどの会社も生き残りをかけて、新たなサービスを展開すると思います。
例えばb-mobileを提供している日本通信では、docomoの「ahamo」を上回る低料金設定を打ち出しています。
(参考)日本通信SIM
結局私たちはどこを選べばいいの?
これまで簡単ではありますが、通信料金が安くなるポイントを記してきました。
おおまかにいうと、「通信費は安くなるけど、使う人のスキルを選んでしまう」現状であるといえます。
しかし今やスマートフォンは子どもからシニアまで使う現代の必需品です。
どんな人が、どんな通信契約を結べばいいのか?
安くなる携帯電話通信費の選び方については次回お伝えしたいと思います。
(続く)