
前回はNTTドコモやauの新しい携帯電話料金プランについてお話ししました。
(前回記事)スマホの新しい料金プランはホントに安くなるのか? その1
5月に成立した改正電気通信事業法の省令改正に向けて、大手通信会社はこれまで分かりにくかった携帯電話料金を分かりやすくし、割高な料金を引き下げる努力をしているということですが、果たして私たちが毎月支払う携帯電話料金はどこまで安くなるのでしょうか。
■ポイントは分離プラン
前回もお伝えしたとおり、通信費とスマートフォン端末の料金を明確に分ける「分離プラン」が義務化されています。
つまり「通信費は通信費」、「端末費は端末費」と分けて請求されるということです。
そして今回「料金の引き下げ」とされているのは通信費のみです。
通信費だけを比較すれば、従来より最高4割安くなるといわれていますが、スマートフォン端末代の過度な値引きが無くなりますから、毎月の合計支払額は必ずしも安くなるわけではないのです。
■au、ソフトバンクに追従したNTTドコモ
この分離プランについて、ソフトバンクやauは既にサービスを提供しています。
通信費は大容量定額データ通信契約と段階制の定額データ通信契約があり、スマートフォン端末代は48回払いを設定するなど毎月の負担を少なくする工夫をしてきました。
今回ドコモは、既に2社が行っている分離プランに追従する形になっています。
■通信費は安くなったのか?
先日発表されたNTTdocomoやauの新料金プランを見ている限りでは、4割安くなるケースはかなり限定されているようです。
使い放題を含めた大容量定額データ通信においては、おおよそ毎月7,000円前後で、3社とも大きな差はありません。
また段階制定額データ通信で比較すると、毎月のデータ通信量が少ないユーザーであればNTTドコモが一番安くなるようです。
ただ全体的に見ると、各社とも料金値下げの努力はしているものの、「4割削減!」と胸を張れるほどの料金には程遠いようですね。
■安くするためのポイントは家族割引
上記の通り、基本的なデータ通信料金は3社ともほぼ横並びで、しかも大きな値下げ感はない設定になっていますが、さらに割安にする方法がいくつかあります。
ひとつは家族割引。つまり家族で2台3台と複数の契約をすることによって、総額が安くなるものです。
家族みんなで同じ通信会社で通信契約を結べば、契約台数に応じて毎月の通信費から値引きが行われますので、複数台契約のユーザーにとっては有利となります。
また家庭で使用するインターネット(光ファイバー通信など)をセットで契約すると、さらに割安になります。
これらのオプションサービスを利用することで、家庭の通信費総額を安くすることも可能です。
逆に言えば、1回線だけの契約でデータ通信料は多め、それでいて家のネット通信が別契約であれば、割安感はほとんどありませんね。
ちなみにどの通信会社の広告でも「最大××××円!」というような表現がされていますが、ほとんどの場合、家族割引や別途家庭用ネット通信割引の適用を前提とした金額になっていますので、注意が必要です。
■大きな負担はスマートフォン端末代金
通信費については、各種割引サービスを併用することで割安となるケースが増えてきますが、一番の問題は、スマートフォン端末の本体代金でしょう。
特に現在人気のスマートフォンは10万円を超えるものも珍しくありません。
このスマートフォンの分割代金に加え、上記の通信費が加算されますから、契約内容によっては逆に高くなってしまうケースもあります。
その端末負担を抑えるために、各通信会社では36~48回払いと従来より長い期間の分割を可能にしています。そして2年(24ヶ月)以降であれば、新たに機種変更するか、スマートフォン本体を返却することで残債を免除する購入方法を採用しています。
iPhoneのような10万円以上の高額なスマートフォンを、2年ごと新しい機種に買い換えたいというユーザーにとっては総額負担が減ることにもなります。
■まずは料金のシミュレーションしてみること
さて今回の新料金設定では、一部のユーザーが割安になる程度に止まりそうです。
その中で、新契約を検討するべきユーザーは
・LINE、メールが中心で、毎月のネット通信が少ないユーザー
・複数台の通信契約があり、家庭でのネット通信もセットで契約したいユーザー
それ以外の方は、現在の通信費と変わらないか、逆に高くなるユーザーも出てくるでしょう。
現在の契約はそのまま継続できますので、新料金を検討したい方は、各通信会社のWEBサイトで新しい料金設定でのシミュレーションを必ず行いましょう。
若干でも安くなるようであれば、ショップに行って詳細なシミュレーションをしてもらうことをおすすめします。