学校での友達関係は子どもにとって大切な学びの場です。
しかし、時には意見の食い違いや誤解から、子ども同士でトラブルが起こってしまうことも少なくありません。


子どもの世界に親が踏み込みすぎるのは良くありませんが、このような時には大人からのサポートが必要です。
子どもからのサインをいかにキャッチしてサポートしていくのか。
この記事では学校でよく起きる友達同士のトラブルや、トラブル時に子どもが出すサイン、そして親が取るべき対応方法について考えていきます。
目次
学校でよく起こる友達同士のトラブル
子どもたちが学校で過ごす時間は心身の成長において重要なものです。
しかし、まだまだ成長過程の子どもたちは、物事を俯瞰的に捉えたり自分の感情をコントロールするのが苦手なため、大人と比べて人間関係上で多くのトラブルを起こしてしまいます。
学校でよく起こる代表的な友達同士のトラブルについてみていきます。
喧嘩
友達同士の喧嘩は意見の違いや勘違いなど、些細なきっかけで始まることが多く、言い争いや口喧嘩が殴り合いなどの身体的な喧嘩になることもあります。
言葉のやり取りがエスカレートして相手の心を傷つける、身体的な喧嘩がヒートアップして怪我をさせてしまうなど、大人が介入しないと解決が難しくなるケースも少なくありません。
いじめ
いじめは学校生活で大きな問題となる行為の一つです。
対等な関係の相手との衝突や意見の対立から生じる「喧嘩」ならお互い謝ることで解決できますが、弱者を攻撃し、恐怖や苦痛を与えることを目的として行わる「いじめ」は根の深い問題です。
いじめには、大勢で特定の子どもをグループから除外する仲間外れ、存在しないかのように見なされる無視、持ち物を隠されたり失敗をからかわれるなど直接的な行為である意地悪などがあります。
これらの行為は一時的または一見些細なものにも見えるかもしれませんが、被害を受ける子どもにとっては深刻なストレスや不安を引き起こします。特に、周囲の大人が気づかずにエスカレートしているケースもあるので注意が必要です。
トラブルの時、子どもがだすサインとは?
子どもが友達とのトラブルに直面した時、言葉でその状況を伝えることができない場合があるため、親は日常の些細な変化を見逃さずに、子どものサインに気づいてあげることが大切です。
学校や友達関係でトラブルがあった時、子どもがその問題をいつも素直に話してくれるとは限らず、子どもは怖さや不安な感情を言葉ではなく態度で表すことが多いです。
例えばトラブル時に子どもが出すサインとしては、
元気がなくなる
友達の話をしない
友達と遊ばない
イライラしたり、ぼんやりしている
といったものがあります。
これら代表的なサインについて詳しく解説していきます。
体調不良のサインにも裏の理由がないか?
体調面で、ふさぎ込む、不安になる、イライラが増える、疲れやすい、食欲が増減する、夜眠れなくなる、勉強に集中できない、頭痛、腹痛などを訴えることがあります。
元気がなくなる
普段は明るく元気な子どもが、急に無気力になったり笑顔が減ったりすることがあります。そんな時は学校でのトラブルや友達関係での悩みがないか探りを入れてあげてください。
体調が悪いわけではないのに元気がない場合は心の中に何か不安やストレスを抱えている可能性が高く、そのままにしておくと学校や遊びに対する意欲も低下してしまいます。
友達の話をしない
普段は学校生活や友達と遊んだ話をよくしてくれる子どもが、急に友達との話題を避けるようになったら何かしらのトラブルが起こっている可能性があります。
学校生活について話したがらなくなったり、よく出ていた友達の話が出なくなった時は注意深く観察することが必要です。
友達と遊ばない
放課後や週末に友達と遊ぶことが少なくなったら、友達との関係に問題が生じているかもしれません。
特に、以前は仲良くしていた友達との接触が減った場合は何らかのトラブルが原因であると考えていいでしょう。
イライラしたり、ぼんやりしている
子どもはトラブルを抱えていると、その心理的なストレスからイライラしたりぼんやりしたりすることがあります。
些細なことで家族と喧嘩になったり不機嫌な態度をとったり、逆に集中力を欠いてぼんやりした状態が続くこともあります。
家の中で普段とは違う様子が見られた場合、それがストレスや悩みのサインであること理解することが重要です。
トラブルが起きたら親はどう対応したらよい?
友達とのトラブルは子どもの成長において避けられない課題であり、それを自分たちで解決していくこともまた貴重な経験になります。しかし、まだまだ未熟な子どもたちにとって、大人が介入しなければ介入が難しいケースもあるでしょう。
そこで親のサポートは子どもの様子を伺いながらどのようにサポートしていくか、その介入度合いが手助けのカギになってきます。
親が取るべき
親は聞き役に徹し話をよく聞く
話を鵜呑みにせず、状況を分析する
子どもと一緒に対応策を考える
学校や担任に相談する
の4つの対応を詳しくみていきましす。
親は聞き役に徹し話をよく聞く
親は聞き役に徹して話をよく聞いてあげることが重要です。
聞く時もいきなり何かあったの?と切り出すと反射的に何でもないと答えてしまう子どももいます。普段と様子が違うから心配していたんだよ・何か怖かったり不安に感じていることがあるの?など、具体的に気持ちを伝えることを意識して、子どもから話をしてくれるタイミングを待ちましょう。
子どもが話しはじめてくれたら子どもの話を遮ったり、「でもね」「そうじゃなくてね」などの否定「こういうことね」などと先回りするのもNGです。
子どもが必要としているのは、自分の気持ちを安心して話せる環境です。
状況を正しく把握する一歩を踏み出すためにも、子どもと話す場合は聞き役に徹しましょう。また、子どもの感情を受け止めることは、親子の信頼関係を深めるうえでも良いきっかけになります。
話を鵜呑みにせず、状況を分析する
子どもの話を聞いた後は全てを鵜呑みにせず、状況を冷静に分析することが大切です。子どもはトラブルの渦中にいるために状況をうまく把握できずに感情的になってしまい、事実が歪められていることもあるでしょう。
そんな時に親までも子どものいうことだけを鵜呑みにしてしまうと、問題が間違った方向にこじれてしまうかもしれません。子どもが感じている問題の背景や相手の立場にも目を向け、全体像を把握するようにし、多面的・客観的に状況を見ることでより適切な判断ができます。
子どもと一緒に対応策を考える
子ども自身が問題に向き合い、解決の過程に関わることで自己肯定感や責任感が育まれます。親がすぐに解決策を提示するのではなく、手助けを必要としていそうなら子どもと一緒に対応策を考えることが大切です。
さらにトラブルの内容によって、子ども同士で解決させるのか、親が介入するのか、学校の先生に相談するのか等、対応が異なってきます。また、加害者だった場合は速やかに謝罪対応をする必要があり、内容にもよりますが、基本的には子どもを交えて適切な対応策を考えていくことが大切です。
学校や担任に相談する
親子間だけでの解決が難しい問題であったり、トラブルが長期化する場合は学校や担任の先生に相談することも選択肢の一つです。
学校に相談する際は、何が起こっているのか、子どもがどのように感じているのか等、まず子どもの状況をできるだけ具体的に伝えることが大切です。例えば、「最近、家では友達の話をしなくなり学校に行くのを嫌がる」など、具体的なエピソードを共有することで学校側もトラブルの全貌を把握しやすくなります。
また、トラブルが深刻な場合や子どもの心にケアが必要そうであれば、専門家の力を借りることでより適切なアプローチが可能になるため、スクールカウンセラーや外部の専門家に相談することも視野に入れておきましょう。
まとめ
子どもが友達とのトラブルに直面した時、親がどのようにサポートするかはその後のダメージコントロールにおいて非常に重要です。
まずは子どもの話をしっかり聞き一緒に対応策を考えながらも、子ども自身が自分で行動していけるようにサポートするのが理想といえるでしょう。時には担任の先生や学校とも連携を取りながら、子どもが安心して学校生活を楽しめる体制を築いてあげてください。
子どもの気持ちや状況に寄り添いながら、学校の力を借りることで子どもが安心して学校生活を送れるようにサポートしていきましょう。