子どもが体調を崩してしまった時、どのように薬を飲ませていますか?
嫌がって口を開けてくれなかったり、せっかく口に入れた薬を吐き出してしまったり。体調や機嫌の悪い子どもに苦労している人も多いのではないでしょうか?
今回は、子どもに薬を上手に飲ませる方法や薬を飲まない時の工夫などをご紹介していきます。
目次
子どもに薬を上手に飲ませるには︖
ただでさえ大人の言うことを聞かせるのは難しいのに、体調や機嫌の悪い子どもに薬を飲ませるのは至難の業です。
まずは薬を飲ませるタイミングや薬に悪い印象を与えないことを気掛けてみてください。
飲ませるタイミングを考える
薬の服用には決められたタイミングがあります。
食前:食事1時間から30分前(胃に食べ物がない時)
食後:食後30分以内(胃に食べ物がある時)
食間:食事の2時間後(食事と食事の間、食事中ではないことに注意)
寝る前:寝る30分から1時間前
頓服:症状が出た時(発熱や痛みが出た時)
これらのタイミングはお薬の効果を最大限に発揮させるためのもので、症状を早く軽減してあげるためにもしっかり確認しておきましょう。
ただ、子どもは食後のお腹いっぱいの状態より、お腹が空いている食前の方が飲ませやすいという傾向があります。食後で処方されていても食前に調節できる場合があるので、子どもがなかなか薬を飲まない場合は薬剤師さんに相談してみてください。
薬に悪い印象をうえつけない
子どもに、薬は怖いもの・苦いもの・飲みたくないものなどの印象がついてしまうと、気が進まなくなるのは言うまでもありません。また、薬を飲ませる時に薬は嫌だよね・苦いもんねなどの声掛けはNGです。
子どもに薬を飲ませる最大のコツは褒めること。
ちゃんと飲めたね・頑張ったね・かっこいいねなど、家族や兄弟に褒めているのを見せるとやる気を出してくれるでしょう。
また、ある程度お話ができる年齢になってきたら、薬の必要性をきちんと説明してあげるのも有効で、
薬を飲むことで風邪の菌をやっつけてくれるんだよ
咳や熱が和らいできつい思いをしなくていいんだよ
など、お薬のメリットや必要性を伝え前向きな気持ちにさせてあげましょう。
薬を飲まない時、種類別の工夫
子どもが薬を嫌がる理由に薬の形状(シロップ、粉薬、錠剤、カプセル等)もあり、年齢や症状に合わせて処方してくれます。医師・薬剤師に希望を伝えれば対応してくれることも多いので、子どもの様子を見ながら相談してみてください。
シロップ
シロップ剤は、有効成分を液体に溶かした飲み薬の一種で、小さな子どもやお薬を飲み込むのが苦手な方でも飲みやすいのが特徴です。
また、苦味を抑えたり、フルーツ風味を付けるなど、味や匂いを調整しやすいのも利点と言えるでしょう。
一般的に糖液やグリセリンなどに溶かして作られており、服用のしやすさから7歳くらいまでの子どもに処方されることが多いです。
ほ乳瓶の乳首で飲ませる
月齢が低い乳児の場合、乳首状のものからでしか上手に飲めないことがあります。
そんな時は、シロップ剤もほ乳瓶の乳首を使って飲ませてあげましょう。
実際にシロップ剤を飲ませる時は普段の授乳に支障がでないよう、授乳にはもう使わなくなった古いものや薬専用の新しいものなどを用意すると良いです。
スポイトで飲ませる
ほ乳瓶の乳首以外にもスポイトを使う方法があり、スポイトを使うことで薬を口に運びやすく、口からこぼれないように飲みやすいでしょう。
コツは頬の内側に添わせるようにしてゆっくり流し込むこと。
舌の上に乗せてしまうと薬の味を感じやすくなってしまうので注意しましょう。
スプーンで飲ませる
離乳食が始まっていればスプーンで飲ませることもできるようになります。
シロップ剤を何回かにわけて少しずつ、スプーンをなるべく口の奥のほうへ入れてあげると飲みやすいでしょう。
コップで飲ませる
シロップが甘すぎたり、量が少なくて飲みにくい場合は、少量の水を加えてコップで飲ませるのがおすすめです。
ただし、加える水が多すぎると全体の量が多くて飲み切れなくなってしまうので注意しましょう。
粉薬
年長さん以上になると粉薬を処方されることが多くなります。
これは体重に合わせてお薬の量を細かく調節しやすいことが大きな理由です。
粉薬は衛生的に管理しやすい、飲ませるための加工がしやすい、量りとる必要がないなどのメリットがありますが、薬によっては苦みや匂いが強いというデメリットもあります。
水で練ってお団子状に
年齢が低い場合、粉薬に数滴の水を垂らしてペーストのお団子状にするという方法があり、そのまま頬の内側や上あごに指でなすり付けてあげるとモグモグと飲み込んでくれるでしょう。
水で溶く
甘い味のついている粉薬なら、水で溶いてスプーンやスポイトで少しずつ飲ませてあげると、粉薬のざらざらした口当たりを軽減できます。
市販の服薬ゼリー
市販の服薬ゼリーやオブラートを使うことで粉薬独特の苦みを消すことができ、子どもの口に入れやすくなります。
錠剤・カプセル
最初は飲むのが難しい錠剤やカプセルですが、苦味を感じにくいため、慣れてしまえば飲みやすいお薬です。
錠剤やカプセルが飲めるようになるのは一般的に4~5歳ごろといわれています。
このタイミングは個人差があるので、兄弟や周りのお友達が錠剤を飲み始めていても焦らずにやっていきましょう。
また、固形の薬はむせたり窒息する可能性があるので、7歳ごろまでは飲む時にしっかりと大人がついて見守ってあげることが大切です。
口を湿らせる・多めの水で服用
錠剤やカプセルは口の中が乾いているとくっつきやすく、むせたり窒息する危険性が高まるため、服用前には一度水を含ませて口の中が潤っている状態をつくっておきましょう。
また、しっかり飲み込むためには多めの水で服用するのがポイントになってきます。
水を口に多めに含むか、数回に分けて多めの水を取るようにしてみてください。
極端に上を向かせない
錠剤やカプセルを飲む体勢にも気をつける必要があり、極端に上を向きすぎず、どちらかという少し下を向くくらいで飲むようにしてみてください。
薬を飲み物・食べ物に混ぜる時の注意
味や食感をごまかすために飲み物や食べ物に薬を混ぜる場合、注意点を抑え飲ませてあげてください。
ミルクやおかゆなどの主食に混ぜない
薬の味のせいで主食を嫌いになってしまうと、偏食や栄養不足につながってしまうため。
薬を飲食物に混ぜたまま長時間放置
苦味が増したり変質することがあり、薬の効果に影響が出てしまうことがあるので飲ませる直前に混ぜることを心がけましょう。
酸性度の強い飲食物には混ぜない
酸性度の高い飲食物と混ぜると、薬のコーティングがはがれたり、苦味が出たり、薬の効果が弱くなることもあります。
オレンジジュースや乳酸菌飲料、ヨーグルト、スポーツドリンクなどは避けるようにしましょう。
1歳未満の赤ちゃんに飲ませる時は蜂蜜と混ぜない
蜂蜜には、乳児ボツリヌス症の原因となる菌が含まれている可能性があります。
年長児や大人では大丈夫ですが、1歳未満の赤ちゃんには特に注意が必要です。
熱いスープや食べものには混ぜない
熱いスープや食べ物に混ぜると薬の品質が損なわれることがあるので注意しましょう。
もし子どもが薬を誤って飲んだら
もし子どもが薬を誤って飲んでしまったら、まずは慌てずに、何を何時にどれくらいの量飲んでしまったのか、正確に状況の確認を行ってください。
その後、すぐに病院へ連れて行きましょう。
まとめ
子どもの体調不良時は、保護者も不安な時間が続いてしまうものです。
早く症状を改善してあげるためにも薬の種類や飲み方等をきちんと覚え、薬の飲ませ方にもたくさんの対処法があるので、子どもの成長や個性に合わせてたものを見つけていってあげてくださいね。
体調不良で不安な時間を少しでも楽にすごせるよう、ぜひこの記事を参考にしてみてください!