朝は時間が限られているのに子どもがなかなか起きてくれないと苦労している保護者は多いのではないでしょうか?
忙しい日に限って起きてこなかったり、起きてからもぐずぐず準備をしているとイライラして子どもを叱ってしまうこともあるかもしれません。しかし、子どもが起きれない原因は怠けているからではなく、心や体、生活習慣に関係した別の理由が潜んでいることもあります。
そこで、子どもが朝起きれない原因・無理なく起こすための対策の2つに焦点を当てて、おすすめの方法をご紹介していきます。
目次
子どもが朝起きない原因とは?
子どもが朝起きれない原因には、どのようなことが考えられるでしょうか?
原因が分かれば対策できることも多いので参考にしてみてくださいね。
睡眠時間が足りていない
朝起きれない原因として、最も多く考えられるのは睡眠不足です。
学校に部活、課題、習い事と毎日忙しいなか、寝る時間が遅くなってしまうのは避けられないことかもしれません。また、小学生からゲーム機や携帯電はを持ち始める現代では、睡眠時間がデジタルに侵されているとも言われています。
理想の睡眠時間は、
3~5歳:11~13時間
6~12歳:9~12時間
13~18歳:8~10時間
とされています。
お子さんの睡眠時間と見比べていかがでしょうか?
もちろん子どもによって個人差はありますが、極端にずれている場合は睡眠時間の不足を疑うのが賢明です。
睡眠不足チェック
睡眠時間が7時間に満たない
日中よくあくびをしている
授業中や帰宅後に寝てしまう
朝すっきり起きてこない
集中力が落ちていると感じる
休み日はいつまでたっても起きてこない
睡眠環境が整えられていない
快適な睡眠をとるためには環境づくりも大切です。例え睡眠時間を10時間確保できていても、朝まで快適に寝続けられなければ10時間分の睡眠効果は得られないでしょう。
快適な睡眠場所の5つの条件は、
光
音
部屋の室温と湿度
寝る時の服装
安全性
です。
当たり前のように感じるかもしれませんが、快適かつ安全であること、寝ついたときと同じ環境が起きる時間まで変わらず続いていることが大切なポイントになってきます。
睡眠環境チェック
遮光カーテンで真っ暗な状態にするのが理想
寝る前1~2時間は関節照明ですごす
就寝前にブルーライトを浴びていないか
大きな音がしないか
寝かしつけにはホワイトノイズ(自然音・砂嵐の音など)
温度は18~24℃で調節
湿度は40~60%で調節
快適な服装
寝やすい寝具
睡眠の質が低下している
睡眠の質が低いと十分に体と脳を休めることができず、朝起きれない原因に繋がってしまうことがあります。
睡眠の妨害などの外的要因(睡眠環境のチェック項目)だけでなく、子ども自身や寝る前の行動(不安やストレス、ブルーライトなど)が睡眠の質に影響を与えることもあります。
睡眠の質チェック
睡眠時間は十分とっているはずなのにすっきり起きられない
夜何度も起きる
眠りが浅い
不安やストレスを抱えている様子が伺える
起立性調節障害の可能性
起立性調節障害は、自律神経のコントロールが乱れることによる病気です。
朝起きあがるときに頭痛やめまい、立ちくらみ、倦怠感がある
少し動いただけで動悸がする
頭痛
食欲不振
午後になるとこれらの症状の回復が見られる
のような症状が特徴的です。
起立性調節障害は特に思春期(小学校高学年~高校生)の子どもに多くみられる症例で、朝起きれない子どもにはこれが原因となっているケースもあります。
子どもが辛そうにしていたり、生活リズムを整えても朝起きにくそうにしている場合は、この起立性調節障害である可能性も視野に入れて問題解決に向かうことをおすすめします。
起立性調節障害チェック
立ちくらみやめまいを起こしやすい
少し動くと動機や息切れがする
朝なかなか起きれずに午前中が調子が悪い
入浴時や嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
顔色が青白い
食欲不振
倦怠感がある
疲れやすい
頭痛が続く
お腹の痛さを訴えるときがある
午後になるとこれらの症状が改善される様子がある
朝起きられるようにするための対策
無理矢理に起こすと子どもは不機嫌になり、親子喧嘩に繋がってしまったり、朝の支度がさらに進まなくなってしまうこともあります。
子どもご朝起きられるようにするための対策を紹介します。
朝起きたら日光を浴びる
太陽の光を浴びると睡眠を促すメラトニンの分泌が抑えられるため、体と脳が自然に目を覚ましやすくなります。
また、日光を浴びた14~16時間後にメラトニンの分泌が最大になると言われており、夜の寝つきの改善、睡眠の質の向上にもつながってくるのです。
15分を目安に日光を浴び、入眠時間を考慮して遅くても10時頃までには日光を浴びることを意識してみてくださいね。
1日9時間ほど充分な睡眠時間を確保する
朝すっきり起きるためには、理想の睡眠時間の確保が大切になってきます。
子どもも大人と同じような不調(集中できない、体調を崩す)の他に、
自尊感情
学習意欲
ストレス反応度
抑うつ度
など、さらに幅広く影響が出るようです。
成長が著しい子どもにとって、毎日を元気よくすごすためには十分な睡眠時間の確保が必要不可欠です。
生活習慣を見直し正しく過ごす
朝すっきりと起きれるようにするために、生活習慣を見直して正しい習慣を定着させることを意識してみてください。
生活習慣チェック
日中は体を動かすようにする
寝る前のスマホやゲーム機の使用を避ける
入眠ルーティンを見つける(本の読み聞かせ、落ち着く音楽を流すなど)
平日と休日の入眠時間、起床時間を固定する
朝15分間日光を浴びる
ストレスで寝付けない子どもも
子どもが寝付けない場合、ストレスが原因になっていることもあります。
学校での人間関係や成績、親との関係など、悩みごとや気になることがストレスになり、眠れなくなっているかもしれません。そんな時は、不安やストレスを話しやすい雰囲気をつくってあげるなど、子どものメンタル面も気をつけてみてください。
家族も早寝早起きを心がける
家のなかで家族が夜更かししていたら安心して眠りにつくことができず、音や光が子どもの睡眠を邪魔してしまうこともあるかもしれません。
子どもの生活習慣を整えるためには、家族も同じく習慣を見直し早寝早起きを心がけることが大切です。
睡眠日誌をつけることもおすすめ
子どもの睡眠の改善を目指すには睡眠日誌をつけることもおすすめです!
これは筆者が務めていた保育園である保護者さんにおすすめした方法です。
就寝・起床時間、途中で目覚めた時間、原因などを記録していくことで、客観的に睡眠の問題が把握できたり、改善に向けた対策を考えられることができます。
子どもと一緒にチェックするとより効果的で、子どもも参加することで主体的に睡眠を意識できるようになるでしょう。
睡眠日誌に記入する項目例
ベッドに入った時刻
入眠時間
起床時間
途中で目が覚めた回数
起床時の気分
昼間に眠気がきた回数
昼寝をした時間帯
その日の活動や出来事など
まとめ
毎日が成長の場である子どもにとって、質の良い睡眠は切っても切り離せない重要なものです。また、子どもの頃に確立した正しい生活習慣は、その後の一生の宝物になっていくことでしょう。
子どもの睡眠に悩みを抱えている方は、ぜひこの記事を参考にご家庭の睡眠について見直してみてくださいね。