子どもに声をかける時、慎重に言葉選びをしていますか?
子どもにとって親は唯一無二の存在で、その親から向けられる言葉の影響力は計り知れません。
思わず発してしまった言葉が子どものやる気をそいでしまったり、大人になっても残るような深い傷をつけてしまうこともあります。
そこで今回は、
子どもに言ってはいけない言葉
親の心がけで子どもの受け止め方が変わる
の2点に焦点を当て子どもに向けた言葉遣いについて解説していきます。
目次
子どもに言ってはいけない言葉
子育ては親のかける言葉ひとつで変わってきます。
特に子どもの心を傷つけるような言葉は避けなければいけません。
存在を否定するような言葉
人格を否定する言葉
能力を否定する言葉
他の子どもと比べるような言葉
の4つをピックアップして解説していきます。
存在を否定するような言葉
子どもが言うことを聞かない時に使ってしまいがちなもう知らない!・勝手にしなさい!などの言葉は、子どもからすると存在を否定されたかのように感じてしまいます。
その場の空気に流されて注意してしまっても
あんたなんていないほうがいい
産まれてこなければよかったのに
など、子どもの存在そのものを否定するような言葉は決して使ってはいけません。
もちろん大半の方はこんな言葉を発したことがないと思いますが、冗談やその時の感情など、軽い気持ちで言ってしまうケースも考えられます。
たとえ冗談でも子どもは傷つき、大人になっても心に残るような深い傷を負ってしまうこともあるでしょう。何事にもどうせ自分なんかと消極的になってしまうこともあるので注意が必要です。
人格を否定する言葉
子どもがなにか問題を起こしても、
どうしていつも迷惑ばかりかけるの
何をやってもダメね
といった人格をまるごと否定するような言葉をかけてはいけません。
例えば、子どもがわざと絵本を破いたとき、絵本を破くなんて乱暴な子ね!と責めて叱るか、絵本を破くのは良くないことなんだよと注意するのには雲泥の差があります。人格を否定され続けると子ども自身もだんだんとネガティブになり、自分はダメな子どもなんだと思うようになります。
何か問題が起きたときは人格を否定するのではなく、子どもが起こした行動自体に目を向けて言葉を選ぶようにしてみてください。
能力を否定する言葉
なんでできないの?
あなたには無理だよ
など、能力を否定される言葉ばかり浴びせられると、子どもはダメな自分でいたら親から愛されないんだと感じるようになります。
また、否定され続けるとなにかしらの生きづらさを抱えるのは間違いありません。
特定の人やモノに強く依存する
人と親密になることが怖くなる
感情の波が激しくなる
完璧主義になる
何をしても楽しいと感じない抑うつ状態になる
など、大人になっても悪影響が起こりうる可能性もあります。
他の子どもと比べるような言葉
○○ちゃんは~しているのに
お姉ちゃんに負けないように頑張りなさい!
このように他人と比べるような言葉は、子どもが自分自身にマイナスなイメージを付ける要因となってしまいます。
周りと比べられるのが当たり前に育った子どもは劣等感が強くなり、結果的に不安が増してしまうことが多いそうです。
もし比較するのであれば、その子自身の過去と比較して「半年前と比べたらこんなことができるようになったね!」など、前向きに考えられるような声掛けを気掛けてみましょう。
親の心がけで子どもの受け止め方も変わる
ここまで紹介した「子どもに言ってはいけない言葉」は子どもの自己肯定感を下げる原因になるものです。
言葉そのものにはもちろん注意が必要ですが、言葉を伝える状況や親の心がけも大切だということを忘れてはいけません。
言ってはいけない言葉を意識することは大切ですが、その前に親自身が心に余裕を持って子どもに接することができるようにしておきましょう。
ここからは、子どもの受け止め方を変える親の心がけのポイントをご紹介していきます。
具体的な提案をする
ちゃんとしなさい・早く準備してねなど、あいまいな言葉だと子どもはイメージがつきにくいです。こういった声掛けをしていると、毎日同じことを注意しているのに子どもの行動が改善されないという状況にも陥ってしまいます。
例えば、
人にぶつかったり物を壊してしまうから、お店のなかでは走っちゃいけないだよ
10時までに服を着替えてご飯を食べておいてね
など、子どもが自分から動けるような具体的な提案や指示を出すことでスムーズな行動を促すことができるでしょう。
私を主語にする
言葉を選ぶのが難しいと感じる方でも簡単にできるテクニックとして、「私」を主語にするという方法があります。
主語を「あなた」にした場合、
(あなたのは)何でこれができないの!
など、無意識のうちに相手を責めるような口調になってしまいます。
これを「私」という主語に置き換えると、
(私は)これをしてくれたら嬉しいな
と、自分の要望として伝えられるのです。
子どもはどうしても責められたことに反発してしまいがちなので、子どもに注意をするときは「私」を主語にして声をかけると良いでしょう。
前向きなメリットを伝える
子どもがポジティブに注意を受け止められるためには、前向きなメリットを伝えてあげるのが大事です。
「早く宿題が終わったら寝るまでの時間が自由にすごせるよ」
など、子どもが自分で行動することのメリットを見つけていけるように促してあげましょう。
ただし、もし○○したら○○をあげるよなど、モノで子どもを釣るのはNGです。
いつでもご褒美があるような状況を作ってしまうと歯止めが効かなくなる可能性があるからです。
あくまで子どもの自主性を重視し、自分で起こした行動がメリットにつながるという経験値を積んでいけるように工夫してあげてください。
まとめ
子どもを伸ばす声掛けいかがでしたか?
子どもにとって親はかけがえのない存在であり、そんな親からの言葉は子ども自身にたくさんの力を与えます。しかしその反面、かける言葉によっては大きく自信を失い、また、一生引きずるような大きな傷をつけてしまうこともあるでしょう。
言葉に注意することはもちろんですが、一番大事なのは子どもの存在を受け入れるという気持ちです。
子どもの存在や言動をまるごと受け入れていればおのずと使う言葉やいい方は伴ってきます。親子で楽しくコミュニケーションを取るとで、お互いの信頼関係はさらに深まっていくことでしょう。