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住まいのことはMr.アーキに聞け! ~エアコンの大きさ

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【Qoo】
今日は、エアコンの大きさについて、ということですが。家電の話じゃないですよね ?

【Mrアーキ】
今回は、メーカーや機能の話ではなく、家やマンションを買ったり借りたり、新しい生活をスタートする時には、多くの方がエアコンを購入されますよね。もちろん移設することもあると思いますが…。

【Qoo】
部屋の大きさや間取りが変われば、買い足しが必要なエアコンが出てきますからね。

【Mrアーキ】
最近私が引き渡したお客様も、エアコンを新しく購入されていました。もちろん、そういうことになるだろうと思い、事前に、エアコンを購入される時には相談してくださいね、と助言していたんです。

【Qoo】
それは、どうしてですか?

選ぶ目安は、部屋の広さだけではないんです。

【Mrアーキ】
恐らく、電気屋さんは部屋の大きさだけをみて、これは20畳用ですね、とかリビング階段だから大きめにしましょうなど、とにかく対応畳数が大きなエアコンを勧めると思います。大体、対応畳数が18畳以上のものになると、200V電源の電気工事が必要だったりしますし、後々、ランニングコストに無駄にお金がかかってしまいます。

【Qoo】
部屋の広さに応じて、エアコンを選ぶしかないんじゃないですか?他に目安となるものがあるんですか?

【Mrアーキ】
広さだけではないんです。住宅において、外壁、床、天井、窓といったものには、それぞれ熱抵抗値があり、断熱材の性能やサッシの性能で、熱損失係数というのが表わされます。これを「Q値」といいます。この「Q値」によって床面積1㎡当たりの熱損失がどのくらいかが分かります。細かく言うと、近年、日本では「UA値」というもので家の断熱性能を記しているので、これをQ値に換算する必要があります。単位はW/㎡k(ワット・パー・平米・ケルビン)で表します。熱が逃げていくスピードなので、数値が小さければ小さいほど断熱性能が良いということになります。そして、その「Q値」からエアコンの必要な容量を算出します。

住宅性能を計算して、賢いエアコン選びを!

【Qoo】
「Q値」が低ければ、断熱性能が高いから、せまい畳数のエアコンでも大丈夫、ということですね。

【Mrアーキ】
そうです。先日引き渡した住宅の場合、ZEH基準の断熱性をクリアした住宅で、UA値が0.5W/㎡Kでした。これを基準にして25畳(40.5㎡)のLDKにエアコンを設置するとすれば…、気温が0℃の時に、室温を20℃にするという条件で考えて、UA値からQ値を換算すると、1.7W/㎡Kとなります。
計算式は、
床面積40.5 × 温度差20 × Q値1.7 = 1,377W/㎡K
となります。つまり、0℃から20℃へ温度を上げるのに、暖房エネルギーは1.38kwで足りるということなので、2.2kwのエアコンで十分というわけです。
もちろんこれは、換気などの条件も含めて住宅性能を計算したものですので、確かな数値です。更に熱交換機や空気を循環させるシステムなどがあると良いですね。

【Qoo】
以前も、気密の話や、ZEHの話で、お話してもらいましたが、住宅の性能を考慮せずに、家電メーカーのエアコンの推奨サイズをうのみにすると、必要のない大きさのものを選んでしまうということですね。

【Mrアーキ】
新築を計画中の方は、是非、住宅会社の担当の方にQ値を算出してもらって、相談されると良いかと思います。

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「住まいリングさせぼ」編集部長

橋本鎌嗣(ニックネーム:もっちゃん)
「住まいリングさせぼ」編集部長

佐世保生まれ、一児のパパ。サイト監修者であり、佐世保・小値賀「海風の国」観光マイスター。宅地建物取引士の資格も有し、不動産や住まい、暮らしのアドバイスも。「佐世保に住もうよ!愛する地元の魅力をもっと伝えたい!!」

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