住まいリング させぼ

眼鏡岩03

眼鏡岩は弘法大師ゆかりの奇岩。「坂道のアポロン」の佐世保ロケ地

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平戸八景のひとつとして殿様に愛でられた奇岩、眼鏡岩。「弘法大使ゆかりの地」としても知られています。穴がふたつ開いていて、まさにメガネのような不思議な岩ですが、一体なぜこんな形になったのか、いつからあるのか、気になります。

映画「坂道のアポロン」のファンが、聖地巡礼として眼鏡岩を訪れることもあるそう。映画の主人公になったつもりで眼鏡岩公園を散策するのも楽しそうですね!

今回は佐世保の景勝地・眼鏡岩についてお話します。

眼鏡岩とは

眼鏡岩とは、メガネのように穴が二つ開いている巨岩。高さ10m・全長20m・厚さ6m、穴の大きさは直径5mと8m。屏風のような、石橋のような形状です。
眼鏡岩03眼鏡岩のまわりは「眼鏡岩公園」として整備されており、駐車場から続く遊歩道や遊具のある公園など季節の花や緑に囲まれて清々しい雰囲気があります。

少し高台に位置し、眼鏡岩のそばには西蓮寺の眼鏡岩観音堂があり、御朱印もいただけるようですよ。

平戸八景のひとつ

眼鏡岩は平戸八景のひとつとして、天保年間から今日まで親しまれています。平戸八景とは、平戸の10代藩主松浦 熈(まつらひろむ)が作成させた「平戸地方(じかた)八奇勝図」がもとになり、奇岩奇勝(珍しい岩の珍しい景色)をまとめたもの。

平戸八景は北松浦半島に点在していて、他に高岩(江迎町)・潜龍水(江迎町)・石橋(吉井町)・大悲観(小佐々町)・岩屋宮(高梨町)・福石山(福石町)・潮目(早岐)があります。北松浦半島は歴史がとても古く、全国最多の岩陰・洞窟遺跡があり世界最古級の土器も出土しています。

弘法大師ゆかりの地

眼鏡岩05眼鏡岩には弘法大師・空海が立ち寄ったという話が残っています。遣唐使に随行して唐に渡るときにこの地を訪れ、岩に千手観音像と梵字を彫ったのだそう。今もそれらしき像と文字が岩肌に残っています。眼鏡岩02眼鏡岩を守るかのように建立された西蓮寺には、その拓本が残されているそうです。岩の近くには弘法大師を祀った祠もあります。

眼鏡岩の昔話

眼鏡岩07眼鏡岩には、大きな鬼によって穴が開けられたという伝説があります。「その昔、大きな鬼が石盛岳を枕に昼寝をしていて目を覚まし、ウーンと伸びをしたところ両足が岩にあたって2つの穴が開いた」というものです。知見寺の石盛岳を枕にするなんて、かなり巨大な鬼だったことでしょう。

海の波が開けた穴

眼鏡岩は「海食洞穴」です。太古の昔、この一帯は海だったそうで、波によって削られて穴が開いたと言われています。
眼鏡岩01高台にそびえる眼鏡岩の姿を見ると、ここが海だったなんてとても信じられません。海底に眠っていた眼鏡岩が、地球の作用によりこの一帯ごと隆起したのでしょうか。それとも実際にこの位置まで海水があったのでしょうか。いずれにせよ、眼鏡岩は数十万年も前からここにあるということになりますね。

ロケ地となった眼鏡岩

地元で撮影された映画やドラマは、とても特別に感じて応援したくなりますよね。眼鏡岩も映画やアニメに出ています。2023年3月現在、眼鏡岩がロケ地となった作品は2つあります。

坂道のアポロン

佐世保が舞台として話題となった映画「坂道のアポロン」。眼鏡岩もロケ地のひとつで、物語のなかでは「逢引岩」という名前で登場しました。作者は佐世保出身の小玉ユキさん。若者たちの青春群像劇に胸キュンしたファンも多いのではないでしょうか。

眼鏡岩では、百合香が千太郎をモデルに絵を描くシーンを撮影。千太郎を演じた中川大志さんは「思い出のロケ地巡り」で2018年に眼鏡岩に行き、「あれ、思ったより小さいな」と感じたそうです。巨大な眼鏡岩ですが、中川さんの思い出の中ではもっともっと大きいイメージだったとか。

眼鏡岩は原作にもアニメ版にも登場しています。実物そっくりなので漫画家小玉ユキさんの画力に改めて感服してしまいますね。

URVAN

眼鏡岩は、東映アニメーションと長崎国際大学による実験映像URVAN』にも登場しています。佐世保の名所を紹介している約5分の映像に、眼鏡岩も含まれているのです。

URVANは、現地に行かずリモートロケハンを活用するなど、コロナ禍に合った方法で制作されたアニメーション。「非日常」と「日常」が交差する映像が魅力です。

アクセス

住所:佐世保市瀬戸越町1266-1
眼鏡岩08眼鏡岩は高台にあり、坂道をのぼる必要があります。車で行くことをおススメしますが、バスや電車で行くことも可能です。

佐世保駅から大野方面へ向かいましょう。約15分後、左手に小さなガソリンスタンドが見えます。そのすぐ横に「眼鏡岩公園入口」の看板が見えるので左折してください。

急カーブのある細い道をのぼります。最初に見える駐車場は西蓮寺の駐車場ですが、入らずに通過してください。眼鏡岩公園の駐車場はその先です。トイレもあるので安心。

車を降りて少し歩きましょう。竹林や雑木林の中に遊歩道が整備されていて、清々しい空気が流れています。途中ベンチや東屋があるので、休みながら進むのも良いでしょう。遊具のある公園の先に眼鏡岩が見えてきます。

バス

佐世保駅前から大野方面行きのバスに乗り「堺木」または「左石」で下車。徒歩10分~15分。坂道を上るのでいい運動になりますよ。

電車

松浦鉄道に乗り換えて左石駅で下車。徒歩15分~20分です。

まとめ

「巨大な鬼が背伸びして開いた穴」という昔話も信じてしまいそうになる、大迫力の眼鏡岩。実は海の波が作った形状だったのですね。弘法大師が立ち寄られたと聞くと、身が引き締まるような、ありがたい気持ちにもなります。

眼鏡岩公園は桜と紅葉の名所でもあります。四季折々に変わる眼鏡岩の表情をお楽しみください。遊具もあるので、小さなお子様も楽しめますよ。

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「住まいリングさせぼ」編集部長

橋本鎌嗣(ニックネーム:もっちゃん)
「住まいリングさせぼ」編集部長

佐世保生まれ、一児のパパ。サイト監修者であり、佐世保・小値賀「海風の国」観光マイスター。宅地建物取引士の資格も有し、不動産や住まい、暮らしのアドバイスも。「佐世保に住もうよ!愛する地元の魅力をもっと伝えたい!!」

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